2002年12月

12月1日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#1
●サイトの改装しようと思ったけれども、思ったようなデザインが出来ず先送りに……。

12月2日(月)
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●眠い……。眠すぎ。
●もうすぐ関ミス連。行かれる方はもういっぺん某ミス研のサイトへ行き、細かいところ確認しておいてくださいませ。開始は13時ですが、開始が早まる可能性がなきにしもあらず故に12時半には会場入りした方が無難でしょう。……多分。

12月3日(火)
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●ミステリに関する教養に関して幾つか書きたいことはあるけれども、どう書き換えても喧嘩売る文章にしかならないので割愛。一言だけ書くと、別に読みたくなければ読まなくても良いんじゃない? 別に教養がないと楽しめない作品があふれてるわけでもないよね、と言うところ(一言じゃないか)。
●『渋谷一夜物語』『網にかかった悪夢』読了。

12月4日(水)
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●府立図書館より取り寄せを頼んでいた『白の恐怖』が届く。近日読書予定。それに伴い、「星影龍三登場全作品紹介」に着手する予定……だけども。
●『末枯れの花守り』読了。

12月5日(木)
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●人間って単純。改めて思う今日この頃。2002年も残り一ヶ月を切り、皆様いかがお過ごしでしょうか。いつもと違う挨拶をしてみて――
●「ヴィドック」★★★
 と言うわけで。タイトルとなっている「ヴィドック」とは、フランス警視庁の創始者にしてフランス稀代の怪盗。様々な怪人のモデルになり、犯罪者→司法側と移行した伝説の人。デュパン初登場作にしてミステリの嚆矢「モルグ街の殺人」でデュパンにこてんぱてんに言われているひとでもある(笑)。
 落雷によって人を殺すトリックを用いた犯罪捜査を依頼されたヴィドック。だが、その結果命を落とす羽目に陥り、彼の伝記作家が後を引き継ぐように関係者に聞き込みに当たる。そこで浮かび上がる、ヴィドックの死に至るまでの軌跡。犯人は何ものなのか。
 公開当時、見に行くか散々迷ったが行かなくて正解やったね。作品の出来そのものは悪くないけれども、大枚はたいてまで見る価値は無し。映像化不能であろう某有名トリックを巧く映像に移植した印象で、全体的に見るべきところはそこしかないような。終幕の犯人との対決シーンやそのた随所にCGが使われているが、「おお、すごい」と思うほどでもないしなあ。あと、フランス革命前夜の騒々しさが幻想的な意気込みと乖離してるし。……って、ええとこないなあ。
 なんだかんだ言って、全体的に見て一応は水準作。レンタルでどうぞ(って、レンタル開始から如何ほどの時間が経ってるんだ)
●『ツール&ストール』読了。

12月6日(金)
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●『J’sミステリーズ KING&QUEEN』(相川司+青山栄編/荒地出版社)★★★★
 この日誌を一通り読んでる人や、某ミス研のサイトにある『夜明けの睡魔[海賊版]』を読んだことがある人は薄々感づいているかもしれないが、私はガイド本が非常に好きである。赤本や『本格ミステリベスト100』、『ニューウエイヴ・ミステリ読本』など力作ガイドは多々あるが、この辺は紹介されているのは所謂《第二の波》や《第三の波》どまり、或いはここ20年のものがほとんどでありオールマイティなものとは言いがたかった。何より、「幻影城」以前が手薄すぎるという状況であったが、この『J’sミステリーズ KING&QUEEN』(タイトルセンスはどうにかならんかったんか)は横溝正史や高木彬光と言ったところから森村誠一、天藤真といった所までもカバーした、戦後ミステリの鳥瞰図と言うべき一冊になっている。
 言うまでもなく、オールマイティなガイドブックと言うのは存在しないし、本書はオールマイティではない。だが、カバーされている範囲は尋常ではなく、本格系を中心に冒険ハードボイルド系にも及び、本書を読んで紹介されている本を全部読んでいる、と言う人はそうそういないであろう。編者ですらそうに違いない。
 以前「今現在求められているのは古典を踏まえたミステリの歴史的体系書と言う所かも知れない」と書いたが、それに呼応して作られたかのような本(大げさ)。無論、この言葉通り100%ではないが、結構近いものがある。2002年は新本格15周年という節目であるが、この手のガイド本のヴィンテージイヤーとしても記憶されるべきなのかもしれない。
●『忍者六道銭』読了。

12月7日(土)
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●本日関ミス連。お越し頂いた方々、どうもありがとうございました……って、出発する前にUPするはずが、寝坊でできず(笑)。ま、無事終了です。
●『白の恐怖』読了。

12月8日(日)
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●巷で噂の国内SFファン度調査結果は……
・『傀儡后』(02) 牧野修
・『太陽の簒奪者』(02) 野尻抱介
・『ロミオとロミオは永遠に』(02) 恩田陸
・『ペロー・ザ・キャット全仕事』(01) 吉川良太郎
・『ペニス』(01) 津原泰水
・『ドッグファイト』(01) 谷口裕貴
・『銀河帝国の弘法も筆の誤り』(01) 田中啓文
・『黒い仏』(01) 殊能将之
・『AΩ』(01) 小林泰三
・『ワンダーランドin大青山』(01) 倉阪鬼一郎
・『かめくん』(01) 北野勇作
・『三人のゴーストハンター 国枝特殊警備ファイル』(01)
我孫子武丸/牧野修/田中啓文
・『M.G.H.楽園の鏡像』(00) 三雲岳斗
・『病の世紀』(00) 牧野修
・『異形家の食卓』(00) 田中啓文
・『永遠の森 博物館惑星』(00) 菅浩江
・『ぼくらは虚空に夜を視る』(00) 上遠野浩平
・『月の裏側』(00) 恩田陸
・『オルファクトグラム』(00) 井上夢人
・『偏執の芳香 アロマパラノイド』(99) 牧野修
・『蘆屋家の崩壊』(99) 津原泰水
・『バトル・ロワイアル』(99) 高見広春
・『カムナビ』(99) 梅原克文
・『邪神帝国』(99) 朝松健
・『カニスの血を嗣ぐ』(99) 浅暮三文
・『クロスファイア』(98) 宮部みゆき
・『幻惑密室』(98) 西澤保彦
・『水霊 ミズチ』(98) 田中啓文
・『肉食屋敷』(98) 小林泰三
・『天使の囀り』(98) 貴志祐介
・『ブギーポップは笑わない』(98) 上遠野浩平
・『屍鬼』(98) 小野不由美
・『蒲生邸事件』(97) 宮部みゆき
・『レフトハンド』(97) 中井拓志
・『炎都』(97) 柴田よしき
・『人獣細工』(97) 小林泰三
・『百鬼譚の夜』(97) 倉阪鬼一郎
・『光の帝国 常野物語』(97) 恩田陸
・『異形コレクション』(97) 井上雅彦監修
・『MOUSE』(96) 牧野修
・『人格転移の殺人』(96) 西澤保彦
・『沢蟹まけると意志の力』(96) 佐藤哲也
・『玩具修理者』(96) 小林泰三
・『「吾輩は猫である」殺人事件』(96) 奥泉光
・『パワー・オフ』(96) 井上夢人
・『七回死んだ男』(95) 西澤保彦
・『パラサイト・イヴ』(95) 瀬名秀明
・『ソリトンの悪魔』(95) 梅原克文
・『エイダ』(94) 山田正紀
・『姑獲鳥の夏』(94) 京極夏彦
・『クロノス・ジョウンターの伝説』(94) 梶尾真治
・『雨の檻』(93) 菅浩江
・『イラハイ』(93) 佐藤哲也
・『二重螺旋の悪魔』(93) 梅原克文
・『柳生十兵衛死す』(92) 山田風太郎
・『十二国記』(92) 小野不由美
・『龍は眠る』(91) 宮部みゆき
・『変身』(91) 東野圭吾
・『リング』(91) 鈴木光司
・『メルサスの少年』(91) 菅浩江
・『〈柊の僧兵〉記』(90) 菅浩江
・『クラインの壺』(89) 岡嶋二人
・『黒衣伝説』(88) 朝松健
 の63冊。300分の63、と言うのはミステリ読みにしては読んでる方なのかな。えー、これSFなん? と聞きたくなるのも幾つか在るけれどもね(笑)。

12月9日(月)
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●「メフィスト」が出てたのでどんな作品が載ってるか確認だけする。佳田山大地の連載を読んで「厨子家の悪霊」に思い至らなかったのは不覚! と地団駄を踏む。
●『ラッシュライフ』『忍法流水抄』読了。

12月10日(火)
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●先日注文していた「別冊シャレード」が届く。
『別冊シャレード64号 天城 一特集5』
『別冊シャレード65号 山沢晴雄特集5』
『別冊シャレード67号 山沢晴雄特集6』
『別冊シャレード69号 天城 一特集6』
『別冊シャレード70号 天城 一特集7』
『別冊シャレード71号 天城 一特集8』
 の5冊。一気買いは懐に響くが、品切れになって泣くよりはマシである。……つうか、未読のバックナンバー早めに片づけよっと。本は読んでなんぼやしね
●「本格ミステリベスト10」が店頭に並びだしたが、手元にないんで詳細は後日。一個言えることは……(略)。
●『熱氷』『闇匣』読了。

12月11日(水)
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●とりあえず、今年の「このミス」について。
 順位を見て「おかしい」と言う思いに捉えられた。いや、この作品が何で入ってるんだ! とか言うわけではなく、本格系強すぎ故に。何でこんなに本格系入ってるんじゃと思ったよ。いや、本格系大進撃と言うのは或る意味嬉しいんだけれどもさ、「このミス」って或る意味何でもアリのバーリートゥードなところがあるじゃないですか。それが今年のランキングになかったのが「おかしい」と言う思いに繋がるんだけれども。このランキングを見て今年は本格の大収穫の年だった、と言うのは的はずれだと思う。本格以外余り元気がなかった、本格は例年通り元気だったよ♪ と言うのが正確なところだと思う。そうでもなければここまで本格が席巻するわきゃねえ。これは一応本格ファンの思いです。アンチじゃないよ。
 ランクインした各作品の獲得点数を見てみると、1位の『半落ち』以外は結構接戦で興味深い。これだけ評価を集めた作品故、『半落ち』は読みたいと思うけれども、「このミス1位」の帯にぜーんぶ変わってるから、さて、どないしよ(笑)。同様の理由でベスト10入りした柄澤齋のデビュー作『ロンド』も気になるが、これは値段がネック……。海外は1位の『飛蝗の農場』が結構気になるかも。1/3読んで投げ出した『さらば、愛しき鉤爪』も改めて読んでみよっかなと思ったりしたが、恐らくは今年のキング・オブ・ゲテミスと言うべき『髑髏島の惨劇』が10位とは! 結構皆さん好きなんですねえ……。意外と言えば『レイトン・コートの謎』に評が集まったのも意外だった。バークリーならば『ウィッチフォード毒殺事件』に人気が集まると思ったのに。もしかして、読んでない? 加えてランク外だが『イリーガルエイリアン』がカテゴリーエラーを起こしてなかったのも意外だったりして(笑)(巻末のリストに最初ッから入ってたのね)。
 各コメントも愉しんだが、一番面白かったのは……。あのー、鮎川哲也が死んだのは9月末なのですが……とつっこんであげたいコメントを書いた人。というか、愉しむポイントが違います。郷原宏は例年よりはまだまともな事書いてますねえ。残念。
 所で、今年は連城三紀彦が本格的にミステリ方面にカムバック! という年でもあったんだけれども、個人的には「このミス」には『白光』がランクインすると思ってたから『人間動物園』のランクインに驚いた。個人的には『人間動物園』の方が気に入ってたから嬉しいんだけれども。「このミス」では『白光』、「本格ベスト」では『人間動物園』だと思ってたんだけれどもなあ……。あと、歌野晶午の『世界の終わり、あるいは始まり』と貫井徳郎の『殺人症候群』がランクインしなかったのも意外だったなあ。20位以内には最低限はいると思ってたのに。
 20位以内にランクインしたので国内では14冊、海外では5冊既読。絶対何かおかしいぞ。
 と言ったところですな。
●『斜光』読了。

12月12日(木)
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●『季刊島田荘司』の最終巻第3号に一挙掲載された『セントニコラスの、ダイヤモンドの靴』のハードカバー版の装丁は何だよ。『最後のディナー』の元版と同じやん。あの手の装丁は手に取りにくいんだよねえ。それに、読みにくいしさ。クリスマスストーリーなのであろうか。
●今年の「本格ベスト」届く。中身については明日以降。
●久しぶりにリンク更新。某畸人郷のサイトや新刊情報ページなど追加。
●『金蠅』『美女』読了。

12月13日(金)
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●例年通り元気だった本格を敷衍する、「2003 本格ミステリ・ベスト10」。国内既読は30冊中29冊、海外は10冊中7冊。例年より読んでる気も。と言うか、いろんな意味で我ながらどうかと思うけれども。現時点の未読で読もうかな、と思うのは『踊り子の死』と『死者を起こせ』の2冊。前者は多分読みます。国内の未読作『ロンド』は3300円という高値がネックに。かなり荒井注、もとい、迷い中。さすがにこの値段は腰が引けます(値段が近い『オディプス症候群』は矢吹シリーズ最新刊、待ちに待ったもの故にさほど迷わなかったけれども。でも、買ったのは刊行後一ヶ月半してからだった気もするけれども)。「このミス」ベスト10入りもこの値段の前には霞むかも(泣)。だれか、読みもしないハリーポッター買うくらいなら、その金恵んでくれ(笑)。と言いつつその内買って読んでそうな気もしますが。
 海外は相変わらず古典強しの感があるが、自分でも投票しておいてこう言うのも何だが、『イリーガル・エイリアン』が入るとは思ってなかったよ(笑)。『サム・ホーソンの事件簿U』が上位5傑に入ってたのも意外だったね。Tに比べアベレージが落ちたし。上位5作が100点代というのはなんつうか。来年はバークリーが何冊出て、何冊はいるか楽しみです。
 つうわけで、風雲急を呼ぶ国内編。1位『オディプス症候群』ですか……。ベスト10には確実に入るとは思ってたけれども、1位とはねえ。捏造日記の2002年12月11日でデータを元にした興味深い考察(暴言?)や滅・こぉるさんの反応、捏造日記の2002年12月12日の市川さんによる返信などで結構掘り下げられたのでとりあえず書くことはないかも。あったら後日。
 3位に『マレー鉄道の謎』があったが、本書は楷書中の楷書と言うべきストレートな本格と言うべき作品故に、この順位は個人的には違和感無い。1位でも驚かないけれども(と言っても3位と知ったときは驚いたけれどもな)。なんだかんだ言ってベスト10に入った『奇偶』は投票者結構困惑してるねえ、と言うところ。ベストには本格らしい本格が結構入ってるのではないでしょうか。『双月城の惨劇』『首断ち六地蔵』の2作はもう少しがんばって欲しかったな、と言うところ。2つとも本格のガジェット満載で本格らしい本格と思うんだが。如何なものでしょ。
 と言うところで、残りは明日以降に。
●『御用侠』読了。

12月14日(土)
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●『遺跡の声』読了。
●と言うわけで、「2003 本格ミステリ・ベスト10」の話の続き。
 そういえば、この「本格ベスト」って初期段階ではランクインしなかったけれども探偵小説研究会のメンバーのお薦め♪ と言うのがあった気もするが。ランクイン作品解題が20位までに広がったからなくしたのか。結構このコーナー楽しみだったのになあ。
 映像関係や漫画もフォローされているので、年間ガイドとしては不足はない気もするが、どうなんだろ。前者は連城三紀彦の短編「夜の右側」の映画化作品「うつつ」に触れてて、知らなかったので嬉しかったよ。最近読んだ『美女』に収録されてたんだけれども、これ、ビデオ化されてたら見ます。そう言えば、復刊の総括は昨年末の《昭和ミステリ秘宝》時代篇、『どぶどろ』と戸板康二の歌舞伎関係のミステリの2冊を取りこぼしてるのが痛い。それ以外の各コラムも結構興味深く読ませていただきました。
 
 所で、今年からネットの読者ランキングも本格的に起動したが、本ランキング(以下、本ランク)とネット読者ランキング(以下、ネット)を比べると面白い。この辺のデータの使用は結構面白いのではなかろうか。20位以内を比較すると、重なっているのは14冊。ネット読者と言う狭い範囲であるが、単純な数字上は本ランクと大幅な違いというのはないようだ。重なっていないのは、
本ランク
グラン・ギニョール城(芦辺拓)/奇偶(山口雅也)/十八の夏(光原百合)/首断ち六地蔵(霞流一)/レイクサイド(東野圭吾)/撓田村事件(小川勝己)
ネット
世界の終わり、あるいは始まり(歌野晶午)/猫丸先輩の推測(倉知淳)/ゴッホ殺人事件(高橋克彦)/人魚とミノタウロス(氷川透)/クビシメロマンチスト(西尾維新)/クビキリサイクル(西尾維新)/今日を忘れた明日の僕へ(黒田研二)
 の計13冊。ネットの方がランクしているのが21冊故に。ネット読者に人気があるか否かが明暗を分けた気が。
 本ランクとネットの最大の相違点は『世界の終わり、あるいは始まり』であろう。本ランクで30位以内にもかすってない『世界の終わり、あるいは始まり』がネットでベスト10に入ってるのは両者の決定的な乖離と取るべきか否か。これが逆だったら声高に「これだから(以下略)」と言いそうな人がいそうな気もするが。はい、それ確実に1人は私ですけれどもね(笑)。正直、『世界の終わり、あるいは始まり』は手法こそ本格のそれに近いけれども、本格として評価できる作品ではないと思ってるので。だからといってミステリ方面から見て決して無視できない作品であることは確か。それ故に「このミス」でかすりもしなかったのが意外であり残念でもあったし、「本格ベスト」のランキングで影形もないのにほっとしたんだけれども。話を戻すと、『世界の終わり、あるいは始まり』は本格ではないが、本格側からは決して無視できない作品である……。じゃなくて、乖離か否かと言う事ね。結果を書くと、ネット読者の中には『世界の終わり、あるいは始まり』を本格として評価する物差しを持つ人が多かった、と言うことなんだろうけれども。倉知淳の『壷中の天国』を本格と認めるか否かと近いものがあるかな。この辺。あと、いーちゃんが本ランクで黙殺状態だったのは表紙のYAと見紛うその意匠故か、あの文体故か(笑)。
 全体的に見て、本ランクとネットはそう大して乖離してないと言ってもいいんではないでしょうか。
「2003 本格ミステリ・ベスト10」の話、もうちょい続きます。

12月15日(日)
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●『完全脱獄』『13階段』読了。
●李下に冠を正さず。「2003 本格ミステリ・ベスト10」について、大好評(どこで?)第3回。
 やっぱり、評論家と小説家の二足の草鞋をはいて、探偵小説研究会に属すると上位に入ればいわれのない野次を受ける可能性はある。『法月綸太郎の新冒険』は探偵小説研究会メンバーは5人の投票で、キチッと検証すれば組織だった票に見えるのは気のせいなわけで。奈落雑記、2002年12/12、12/13の記述も言わんとするところは解るけれどもね(余談だが、「奈落雑記」の《幻の探偵雑誌》シリーズ『「X」傑作選』ネタ、解る人どれくらいいるのか(笑))。
『法月綸太郎の功績』はデータを検証していない、単純な誤解と一笑に付せるけれども、細かい数字上のデータが組織票とか下僕とか言われても抵抗にちょっと手間取りそうな、或る意味笑えない『オディプス症候群』はどうなんでしょう。私のスタンスとしては年間ベスト10クラスの作品と言っても間違いではないと思うし、1位と言われても文句はない(嘘です。1位知ったときは結構驚きました。ネガティヴな意味で)。それは、出すと言われて何年待たせてるんじゃ、コラと言うところと値段。出るのを何年も待って3200円も出せば、そりゃあ期待するハードルは否応なく高まるわけで。これが金を出してない、図書館もしくは友人から借りて読んだ、と言うことになれば話は別だったかも。あるいは二段組にして価格を抑え、2000円前半代で出てればハードルは少し低くなると思うけど(私に関しては)。続いてかなり暴言を書いたものの、下僕呼ばわりより酷い事な気がしたので省略。ここまでの記述で想像しておいてください。
 つうわけで、も少し続く。

12月16日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#16
●『海賊島事件』『忍法陽炎抄』読了。
●「本格ベスト」に関する話は明日以降。さすがに三日連続は疲れた……。

12月17日(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#17
●「ナイトホスピタル」★★★
 うーん、もしかして、ここ最近仲間有紀恵主演の連続ドラマ結構見てるような(笑)。「ごくせん」とかね。って、これで2本目か。
 タイトルの「ナイトホスピタル」とは夜間診療専門病院のこと。確かに、欧米などの海外は知らないけれども、日本ではこういう夜間診療専門病院は少ないよね。でも、このドラマで夜間診療専門病院が舞台である必然性と言うのは最初の3話くらいまでのもんじゃいないのか。正確には、第3話の体内でアルコールが精製される病気の人の話くらい。病院に担ぎ込まれたのが夜だしね。というか、この程度で必然性と言わざるを得ないのは何とも。全体的に結構面白いネタを使ってたので、無理に夜間診療専門病院に拘った設定にしなくても良かったんではいのか、と思うのは私だけか。
 とはいえ、全体的に結構楽しめました。夜間診療専門病院が舞台なだけに、パート2はナイト思うけれども(寒)、スペシャルで再登場くらいはしても良いのではないでしょうか。

12月18日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#18
●角川ストーカー文庫……。一字違いで大違い。すごい嫌すぎ(笑)。
●『ねじの回転』『MOMENT』読了。

12月19日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#19
●『黒き舞楽』『倒錯のオブジェ』読了。
●流行りそうなので(笑)、感想書いた作家さんの女性率を。《異形コレクション》等のアンソロジーを除き、また、別名義や合作ネームも1人とカウントして(例えばウエストレイクはタッカー・コウも1人と考える。ウエストレイクとタッカー・コウで2人)232人。うち女性作家は31名。13%でした。ま、中には一作読んだっきりという方もいるんでこの数字はあまりあてにはなりませんが。冊数でやれば、もー少し細かい数字が出そうな気もするが、面倒なので誰かやってください(をい)。

12月20日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#20
●『姦の忍法帖』『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』読了。
角川ストーカー文庫ネタこんな反応(12/19)あってビックリ(笑)。
●未だに何かと話題の『オディプス症候群』ですが、文春ベストでも10位以内入りして割と人気あるんだな、と思わせられる。でも、文春ベストってプチ「このミス」化してるきらいがあるからデータとしてはあまり当てにならない面があるけれども。
 という枕で久々の「2003 本格ミステリ・ベスト10」を巡っての文章ですが、読者投票の各人のデータを解析して……と思ってプリントアウトして一通り眺めて気づいたこと。これはその前に気づけよ、と言うレベルのものだが、読者投票で投票している人はどれだけ読んで読んでるかがイマイチ解らない人が本投票より多いのでサンプルにはならない。かといって全然無視するには忍びないというか無視できないデータではあるんだけれども。
 読者投票のデータもざっと見た結論としては、既に出てる気もするが、『オディプス症候群』は評論家受けする作品である、と言うところに結局落ち着くかもしれない。問題は、本格ミステリ大賞ですね。『オディプス症候群』は候補作には挙がるでしょうから、どの程度票を集めるか、大賞取るか否か、他の候補作はどうか、という所に収斂されるでしょう。
 私の投票裏話でも書こうかとも思ったけれども、別段誰も期待してないだろうから割愛。と言うわけで、とりあえず「2003 本格ミステリ・ベスト10」に関する文章はこれでおしまい。

12月21日(土)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#21
●『ファンタズム』読了。読了直後は真価を解ったとは言い難かったが、ここの『ファンタズム』に言及している箇所を読んで評価UP。奥ゆかしい作品であることは間違いないです。いろんな意味で。『まどろむベイビーキッス』も読了。
●雨なんか嫌いです(泣)。何でこんな日に限って外の仕事なんだよ……。

12月22日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#21
●大阪府某所にて。
 その場所に車を停められると通行の邪魔になるので移動してもらおうと交渉。
「この場所には何十年も停めてるんですが」
 とのご立派な返答が。しかも心外そうに。さて、つっこみどころはどこでしょう。答えは、
1:運転手の女性はどう見積もっても30代。
2:その辺一帯は恐らくは開発されて20年も経ってないと思われる。
3:明らかに停めるのがおかしい場所である(とはいえ、停めようとする車両は何台もあったんだけれどもさ)。
(4:ナビゲーションシステム搭載の車両に載ったことがないので見当はずれのことかもしれないが、ナビゲーションシステムらしきものにスイッチが入っていた。どうも地図を検索してたように思える。これって、じもぴーじゃないと言う事じゃないのかな)
 なんて所。最後の最後に大ネタが転がってるとは。感謝(笑)。とりあえず、本日付けで一端バイト終了。
●『ガーデン』読了。

12月23日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#23
●「本格一筋六十年 想い出の鮎川哲也」(山前謙編/東京創元社)
 想い出の輪郭というフレーズがある。ワセミスの会誌「フェニックス」のインタビュー特集の号での瀬戸川猛資に関するコラムの文章で目にしたフレーズだが、本書収録の有名無名の鮎川哲也ゆかりの人々の追悼文を読んでるとき思い浮かんでしょうがなかった。9月末に鮎川哲也の逝去の報を読んだとき「1つの時代が終焉を迎えたな」と思ったが、本書を読んでるとそれがなお一層胸に響く。デビュー以来その業績の9割が本格ミステリに関するものと言うのも凄いが、生涯を通して本格にかけてきたその情熱には改めて頭が下がる。
 今の本格の隆盛を見て安心して安らかに眠られているであろうと思う。《第三の波》と言われる本格ムーブメントに鮎川哲也が果たしたその業績は、『りら荘事件』『黒いトランク』『死のある風景』「五つの時計」「赤い密室」と言った超傑作群や『密室探求』『下り「はつかり」』と言った数々のアンソロジー、過去の忘れられた作家の発掘などと共に永遠に記憶されるべきであろう。
 あなたが残した本格ミステリは永遠に不滅ですよ。そう思いながら本書を閉じた。

12月24日(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#24
●「金田一耕助の冒険」★★☆
 古谷一行主演の金田一耕助パロディ映画。原作は同題作品だが、くだんの本は短編集である。
 横溝ファンには割と面白いパロディがある以外はさほど見るべき所はない。個人的には高木彬光と横溝正史がちょい役で出ていたのがビックリしたくらい。ディスコでフィーバーする金田一耕助は見物。純粋に笑えます。似合わねぇ(笑)。
 金田一耕助ファンならどうぞ。
●『忍法鞘飛脚』読了。

12月25日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#25
●「恋人はスナイパー」★★★★
 再放送分。しかもビデオです。
 タイトルを見てスナイパーと振り回される女性(逆でも可)を想像していたが、想像とは全然違うアクションもの。刑事の家にホームステイしてきたのが国際指名手配中のスナイパー。正体を知っているのは見てる人と招聘した組織の人間だけ。普段は情けなーいひとを演じているが、それは単に三味線弾いてるだけというのは解ってるのでその辺の兼ね合いというか醸し出すおかしみは楽しい。
 アクション映画は見ないのでレベルの高さ云々はよーわからんが、見ていて素直に「すげぇ」と思ったりして。なかなかおもろかったです。
 既に続編と言うべき「恋人はスナイパー EPISODE2」も放送終了してるので、感想は明日以降に。

12月26日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#26
●「恋人はスナイパー EPISODE2」★★★★
 と言うわけで、続編。作品内の時間軸では一年後だけれども、正編の放送も去年の今頃だったっけ。
 組織を裏切って、母を訪ねて三千里。スナイパーに組織の魔の手が迫る。
 ノリは全然変わらず、変わったことは三味線弾かずに本領発揮しちゃってもおっけーと言うとこ。アクションも相変わらず楽しいし。また、アクションコントもあり、コミカルさはUP。
 果たして続編がまだあるのか否か。有っても良いんではないでしょうか。
●『お楽しみの埋葬』読了。

12月27日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#27
●『少年トレチア』『まぼろし曲馬団』『家族八景』読了。
●京都府は下京区の信用金庫で起きた立てこもり事件、渦中にあるときその前通ってました。最初、交通規制をかけてたので「事故?」なんて思いつつ通ると規制距離が長い。のんきにちゃりを走らせてると、消防車が停まってたので「あ、火事だったんだだな」と納得して、その割には民放の中継車がぎょうさんあるのに「こんなたくさん来てたんやな」とのんきなことを思いつつ迂回して行ったのだが、この時点でなんか火事以外の何かがあったことに気づけよ、をいと言うつっこみが来そうだが。事件があったのを知ったのは朝起きて、目覚まし代わりのテレビの音を聞いてから。テレビ:「五条警察署云々」「下京区云々」、映った映像を見てよーやっと。ああ、こんな事ならば規制をかけてる警官に聞いて野次馬っておくべきやったと思ったとか思わないとか。
●というわけで、これが2002年最後の更新。
 今年もいろんな事がありました。知りたくもないこと知らされたり、肩の荷がようやっと降りたり。そうそう。MYSCON初参加の快挙もあったり(笑)(残念ながらMYSCON4は参加無理そうですが)。年間収支決算は少々マイナス気味ですが、来年は今年と併せてプラスになるよう願いたいものです。そういえば、「五十円玉二十枚の謎」は見事落ちたよなあ(笑)。落選作に入れたアイデアは捨てるのは惜しいので、一部リサイクルするつもり(というか、どういう形でリサイクルするか既に決定してるけれども)。今年も「本格ミステリ・ベスト10」投票に参加させていただいてありがたかった。
 2002年は個人的には山風尽くしの一年だったような。アホみたいなペースでがんがん読んだので忍法帖は長編は5冊(『秘戯書争奪』『自来也忍法帖』『忍法忠臣蔵』『忍法剣士伝』『忍法創世記』)、短編集は実質1冊分弱の量だけを残すのみ(講談社文庫の忍法帖全集や講談社ノベルス版自選短編集とか色々な形の版を角川文庫版と一緒に読んだので変な形の感想になったなあ……。未読の手持ちは『くノ一紅騎兵』の角川文庫版、『秀吉妖話帖』の2冊。この2冊の未読短編、『忍法女郎屋戦争』の半分を読めば9割5分忍法帖短編を読んだことになる。後は『忍法女郎屋戦争』が無いんだよなあ(泣))。時代小説は短編は9割9分9厘既読(昔読んで感想を書いてない(正確にはWEB上に出してない)のが2冊ほど有るので、それは読み返して改めて。1厘は「ユリイカ」の山風特集に収録された2編の内1編が未読)。長編は4編未読(『武蔵野水滸伝』『妖説太閤記』『八犬傳』『旅人 国定龍二』)。室町ものは手つかず、明治小説は半分残ってる。来年はペースを今の1/3にしてゆっくりといきます。光文社文庫《山田風太郎ミステリー傑作選》は6巻目以降手つかずだったけれども、この辺はのんびりと。うーん、今年はホントアホみたいに読んだなあ……。至福だったと言えるが、勿体ないことをしたような(笑)。忍法帖に関しては村田くんフクさんにかなりお世話になりました。お二方の厚意がなければここまで読み漁れなかったでしょう。
 山風の他、密かにマイブームだったのが《新宿少年探偵団》シリーズ。気づいたら全部読んじゃったよ(笑)。シリーズは来年か再来年に完結するようなので、結構間を置かずに完結編を拝めそうだ。この辺は遅れてきた読者の強み。SFミステリ補完計画なんてのもぶちあげたはいいが、ほとんど進まず(笑)。その流れで4、5冊はSFミステリ読んだかな。蝸牛の歩みで進める予定。SFミステリ論は、最初の方で停滞中(笑)。ホントは既に書き上げてUPしている予定だったのに(泣)。
 にしても、今年も復刊山盛でSFとかホラー、怪奇幻想系あまり読めなかったなあ。いや、読まなかったが正確か。というより、山風にかまけてなければ読めた気もするんだけれどもな(笑)。来年は山風のペースは落とす予定なのでその分多岐川恭の未読とか、天藤真あたりにも手を伸ばす予定。あくまで予定だが。一見マイブームに見えるクリスピンは(たまたま続けて読んでるだけだったり)現時点での長編邦訳作品はほとんど網羅できそうです(難関の『お楽しみの埋葬』も図書館で借りて読んだしな。『消えた玩具屋』は持ってるし)。
――来年は来年の風が吹くさ。
 と言うわけで、次回更新は1月4日以降。「私家版ミステリベスト」の年間ベストは例年通りやります。
 2003年も「嵐の館」をよろしくお願いいたします。それでは文字通り又来週。

12月28日(日)〜31(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0212.html#28_31
ミスラボのチャットに参加し、就寝。遅くなりましたが、参加された皆さん、またお会いしましょう。
●この間は『踊り子の死』『八犬傳』『悪魔の寵児』読了。今年の一冊目が乱歩の『蜘蛛男』だったので或る意味循環した気も。


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