新本格ベスト

1位聖アウスラ修道院の惨劇二階堂黎人
2位時計館の殺人綾辻行人
3位生ける屍の死山口雅也
4位翼ある闇メルカトル鮎最後の事件麻耶雄嵩
5位殺戮にいたる病我孫子武丸
6位双頭の悪魔有栖川有栖
7位空飛ぶ馬北村薫
8位狂骨の夢京極夏彦
9位頼子のために法月綸太郎
10位星降り山荘の殺人倉知淳
次点死者は黄泉が得る西澤保彦
参照リスト
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K「新本格ベスト結局こけましたね」
N「最大の欠点はなんといっても全部に投票するという事かな。 (企画自体についてはここを参照)10作品までとかなら投票した人も結構いたんじゃないのかな」
K「それだと組織票があったらいやかなと制作者は考えたようだ」
N「ないっちゅうに(笑)」
K「まあこういうことは個人でやるよりも出版社がやったがいいと思うんだけれどね。やっぱ個人では非常に無理があるというか何というか」
N「企画自体の愚痴はこれぐらいにして、新本格ってなぁにぃ?」
K「普通にしゃべれ、普通に(笑)。新本格は1987年9月の綾辻以降講談社及び東京創元社からデビューした本格を中心とした創作活動を行っている作家の総称と俺は受け取っているのだが」
N「じゃあ何故小森健太朗や服部まゆみがリストに入ってる。小森の建ちゃんは出版芸術社デビューだし、服部まゆみは角川の横溝賞受賞なんだけど」
K「それは……。じゃあ聞くけれどお前の定義する新本格はなんぞや」
N「新本格ってなーにというひとは我孫子さんのエッセイ『新本格』――その赤裸々な実態と真実に迫る!?を参考にしてね」
K「こらこら、お前の論を打つんじゃなかったんじゃないのか」
N「だってめんどくさいんだもーん」
K「だから普通にしゃべれっちゅうに」
N「でも、10年も経って【新】はないとおもうんだけれど」
K「むしろ笠井潔命名の【第三の波】と言う言葉がしっくりくるんだけれどね」
N「第三の波なら島田荘司や笠井潔、竹本健治は当然はいるな。岡嶋二人もぎりぎりかな。東野圭吾とか」
K「第三の波の定義などは笠井潔が書いてるのでそれが単行本になるのをまとう」
N「逃げるんかい」
K「さて、堂々一位に輝いたのは『聖アウスラ修道院の惨劇』もろ制作者の趣味が出ています」
N「しかし、あの文書庫の謎を解かれた日にはビックリ仰天するしかないでしょう。あのソクゾクと首筋を駆け抜ける感触をもう一度。無論ダミーの解決の荒唐無稽すぎるところやそれを信じる馬鹿とか問題がないとは言えないけれどさ、それを差し引いても凄いね。これは。どうでもいいけれど、文書庫の謎は参考文献見たら割れるぞ、こら。まだ未完成だけれど『人狼城の恐怖』のドイツ編の終わりは傑作の予感が漂うね。もしかしたらこれを抜くかも」
K「二位は綾辻行人の代表作『時計館の殺人』。日本推理作家協会賞受賞作。これの醍醐味はラストの滅びの美学。時計台の崩壊シーンは古今東西のミステリの中でも群を抜く。同様の観点からリストには入ってないけれど吉村達也の『時の森殺人事件』もお薦め」
N「三位は『本格ミステリベスト100』で一位に輝いた『生ける屍の死』。特筆すべきは死者が甦る点。これによってミステリーの根本は崩壊し、新たな地平が生まれる」
K「どっかで聞いたようなフレーズだなぁ。確かにそうだよね。なお、制作者はこれか『ミステリーズ』か迷いましたが、結局『生ける屍の死』にしました」
N「『ミステリーズ』収録の「解決ドミノ倒し」は傑作です」
K「四位は『翼ある闇』だ。これの一番凄いところは見立て殺人。ある意味これは見立て殺人の究極かも。それ以外でもあの荒唐無稽な密室なんかも受けます。それにしてもあの雰囲気はたまりませんな」
N「もう一度この作品みたいなものを書いて欲しいものだ。メルカトルはあんまり好きじゃないけれど」
K「お前に似てるところがあるからな」
N「うるさい。五位は衝撃のサイコホラー『殺戮にいたる病』がランクイン。我孫子武丸の代表作」
K「制作者はこれよりも『0の殺人』を気に入ってたきがするけれど」
制作者「確かにそうだけれど衝撃性ではこっちが勝ってるんでね」
N&K「わっ、びっくりした」
制作者「気にしないで続けてね」
K「六位は有栖川有栖の『双頭の悪魔』。三つの読者への挑戦状ときらびやかなロジックは有栖川有栖の真骨頂。第四作を早く読みたい」
N「それだけかい。いずれにしても華麗なロジックは他の作家にはなかなかまねできない。やっぱ『本格ミステリベスト100』の12位はあんまり納得できん」」
K「七位は北村薫のデビュー作『空飛ぶ馬』だけれど、これは歴史的な意味も含めて。日常に潜む謎を前面に押し出したことで加納朋子や若竹七海ら日常派を生み出したことは特筆に値するね。もっとも戸板康二にも全然ないことはなかったけれど舞台が舞台だし。一番のお気に入りは「砂糖合戦」だね」
N「八位はブロック本作家京極夏彦の三作目『狂骨の夢』がランクイン」
K「ブロック本作家って……」
N「本来は『魍魎の匣』を入れるべきなんだろうけれどね。ここにも制作者の趣味が出てるね。この作家についてはあえて言及するまでもないでしょう」
K「それは京極に限らないと思うけれど」
N「何か言った? 九位は『頼子のために』法月綸太郎の最高傑作と言っても言い過ぎじゃないだろう。ニコラス・ブレイクの『野獣死すべし』(傑作なので未読の人は読んでね)を意識した手記や悲劇的な結末そして****の構図。以降の法月ものに与えた影響も考えるとね」
K「そして十位は『星降り山荘の殺人』がランクイン。あの大トリックには腰を抜かしたよなぁ。しかもアンフェアじゃ! と思ったら限りなくフェアだったし」
N「あれに引っかかるようじゃお前もまだまだだな」
K「ひっかかったくせに。一番興奮してたのはお前だったじゃないか。夜中に電話をかけてきて」
N「そんなこともあったっけ。次点は『死者は黄泉が得る』だけど、これって初版と二刷以降じゃ最後の1ページが違うらしい」
K「事の真偽を知ってる人、教えてね。西澤保彦ってSF新本格のひとだよね」
N「まあ著作の大半がSF設定だけれどね。その特異な世界のルールの中で独自のロジックを打ち出すところが魅力だね」
K「圏外作品についてもちょっと触れようか。清涼院流水の『コズミック』、『ジョーカー』綾辻行人『十角館の殺人』、『霧越邸殺人事件』二階堂黎人『悪霊の館』、芦辺拓『時の誘拐』、歌野晶午『ROMMY』、折原一『異人たちの館』、『沈黙の教室』、恩田陸『三月は深き紅の淵を』、京極夏彦『魍魎の匣』、小森健太朗『ローウェル城の密室』、中西智明『消失!』、西澤保彦『解体諸因』、『七回死んだ男』、貫井徳郎『慟哭』、森博嗣『すべてがFになる』、倉知淳『過ぎ行く風はみどり色』あたりかな。 N「こうしてみると好きだけれどあえて入れなかったと言うのが結構多いな」
K「結構迷うよな。(制作者は)半分は趣味で、半分は評判や一般的な評価でえらんだけれどね。」
N「良かったらこれを読んでるあなたの「新本格ベスト」をお聞かせくださいね」
(敬称略)
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