ドミニック・ルクール『ポパーとウィトゲンシュタイン ―ウィーン学団・論理実証主義再考』について

野崎次郎

 ポパーとウィトゲンシュタインは時に「誤って」ウィーン学団と同一視されるが、その「誤解」をただ単に「正す」のではなく、その同一視を「誤解」の「効果」としてとらえ、「誤解」を「誤解」のままに叙述し、その「解除」を戦略的に狙うという特異な思想史的手法で、三者を論じ、後期のウィトゲンシュタインの立場(「言語ゲーム」論)に近い立場をとって、バシュラール、カンギレム、アルチュセールの系譜上に新たに「シュール・マテリアリスム」を提唱しているもの。国文社、単訳、1992年7月25日発行。