江差線(五稜郭・江差)


最新乗車 2002年冬


江差線は、函館から1駅の五稜郭函館本線から分岐し、津軽海峡を左に見ながら江差を目指す路線である。途中の木古内までは、海峡線津軽線と結んで青函トンネルで北海道と本州を結ぶ通称「津軽海峡線」の一部を構成している。海峡線関連で長編成の列車が走るほかは全くのローカル線である。

五稜郭を出ると、左に急カーブして函館本線と別れる。江差線に入る旅客列車はその殆どが函館に発着しているが、「トワイライトエクスプレス」のみ、貨物列車と同じく五稜郭で機関車を付け替えて江差線に入っていく。やがて左に函館湾が広がる。列車はこの函館湾を取り巻くように走る。夜の、特に函館方面行きの列車に乗っていると、津軽海峡の漁火に続いて、函館の夜景を対岸に望むことができる。函館山からの函館の夜景よりも、ずっと素敵な夜景と私は感じたのだが、いかがなものだろうか。この区間は快速「海峡」という客車列車が数多く走っていたので舞台装置も最高であったのだが、現在は全て電車か気動車になってしまった。

列車は、上磯を過ぎ、函館の通勤圏を抜ける。沿線の平地も尽き、山が海岸に迫ってくる。線路もトンネルが多くなり、途中の矢不来信号場など、山を回り込む本線に対して、待避線が山をトンネルで貫いているという妙な構造になっている。やがて津軽海峡に面した海岸を走る。渡島当別は近くにトラピスト修道院があるが、もとより列車で訪れる人は皆無に近いのだろう。駅舎に同居している郵便局のほうが、よほど利用客が多いようであった。

線路は海岸と山に挟まれた細い土地をくねくねと走る。どうみても、本州と北海道を結ぶ貨物の大動脈とは思えない。しかし、よく貨物列車を見かける。旅客列車と擦違うほうが珍しいぐらいである。大き目の集落が広がると木古内に到着する。海峡線の起点駅だけあって、構内は広い。もしもの時の列車の抑止のことを考えてあるのだろう。また、かつて松前線を分岐していた名残かもしれない。長編成の列車の行き交う駅の外れから、江差行きのディーゼルカーは出発する。いかにも肩身が狭そうな雰囲気である。電化複線の海峡線を左に分けると、海とも別れて木古内川に沿って渡島支庁と檜山支庁を分ける稲穂峠を越える。しばらくはのどかな田園を走るが、渡島鶴岡を過ぎる辺りから山深くなり、吉堀からは人の気配のしないそれこそ原生林の中を分け入るように急勾配を登って行く。

峠のトンネルをくぐると下り勾配になり、天ノ川沿いに下って行く。相変わらず周囲に人の気配はなく、ゆっくり走る列車は眠気を誘う。ふーっと寝てしまい、ハッと目を覚ましても全く同じ原生林で、いい加減飽き飽きしてくる。13.2kmも走ってようやく次の神明。この間20分ほど。周りが開けてくると湯ノ岱である。ここの駅舎は感じがよく、かつて何かのCMに使われていた気がする。ここからは水田地帯が広がり、日本海が見えてくると上ノ国を過ぎて海沿いを走り、江差に着く。この上ノ国から江差までの雰囲気、私は指宿枕崎線の終点枕崎付近と似たものを感じた。


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