函館市交通局(市電)


最新乗車 2002年冬


函館市電は、道南の中心都市であり、かつて本州からの玄関口だった函館市内をY字型に走る路面電車である。10年ほど前までは中心部の路線が日の字型だったが、不採算路線を廃止して現在の形になっている。最近、除雪車のうち1輌を復元して、観光レトロ電車として走らせたり、譲受車輌を元の色に戻して走らせたりして、観光手段としての利用を促進している。

JR函館駅に降り立つと、駅前広場から道路に出たところに、少し船の汽笛に似たタイフォンを鳴らして市電が走っている。ちなみに札幌市電のものも同じようなタイフォンであった。電車は古いものが多いが、そんなことはおかまいなしに結構速いスピードで街路を走り抜けて行く。

函館駅前を北に向けて出た電車はすぐに右折して東進する。繁華街の中を通り、次の大きな交差点で左折し、再び北上する。右手の車窓には街が続いているが、その途切れたところから時々海が見える。函館の旧市街地が岬に発達したことが見て取れる風景である。やがて海は見えなくなり、普通の市街地の中を延々と走る。東北地方の1都市でバスに乗っているような感じがした。商業地の五稜郭公園前、ここはその名の通り史跡五稜郭城址へも近い。函館競馬場への下車駅である競馬場前と過ぎ、駒場車庫前に着く。ここにはその名の通り車庫があり、運転士も交代する。電車によってはここで折返してしまうのもあるので、終点まで行きたいときは要注意である。除雪用のササラ電車も寝ている車庫を見ながら発車。やがて湯の川温泉を過ぎて、終点の湯の川に着く。かなり山が近い。これ以上行けませんといったような終点である。実は函館空港も近いのだが、そこまで線路が伸びるという話は…聞かない。

さて、今度は函館駅前から南下してみる。いかにも港町といった飾りっ気のない建物の中を走る。良くも悪くも1960年代で時間が止まったような、そんな雰囲気である。それは、この辺りの裏道を歩いてみてもそう感じた。赤レンガの倉庫街を函館市は売りにしているが、この函館駅前から十字街までの区間も、今の市電の車輌と一番似合った街並みであることから、こういうところを整備してもいいかもしれない。函館山の麓にある十字街で路線は二手に別れる。ここは函館山ロープウェイの山麓駅にも近い。左折する路線はちょっとした峠を越えて谷地頭温泉や立待岬に近い谷地頭に向かい、直進する路線は函館の有名観光スポットの中を走って函館どっく前に向かう。特に後者の十字街付近は綺麗に整備されていて、夜に来ると特に美しい。


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