日高本線(様似・苫小牧)


最新乗車 1998年夏


日高本線は、室蘭本線苫小牧から襟裳岬を目指して太平洋岸を南下する路線である。この路線は海岸に沿って線路が敷かれているため、経営改善のために導入されたキハ130という新型軽快気動車が塩害で満身創痍となり、この度先輩格のキハ40に置きかえられることになっている。私が乗車したときは、前日にえりも岬YHに宿泊していた関係上、終点の様似からという形になった。と、いうわけで苫小牧へ向けて記述することにする。

様似は、広尾から襟裳岬を通ってやってくるJRバスとの接続駅である。駅前に広がる町並は、いかにも漁師町という雰囲気をもっているが、最近の流れと言おうか、駅前は寂れている。列車は様似を出るとしばらくは山の中を走るが、鵜苫の辺りから太平洋を左に見て走るようになる。町らしくなると浦河で、ここには日高支庁も置かれている。浦河を出ると海岸線から離れ、山の中や田園地帯を走るようになり、この辺りから牧場が目立ってくる。この地域の特徴として、牛よりも馬を飼う牧場が多いことが挙げられる。それも競走馬としてのサラブレッドが多い。私は競馬をしないので分からないことも多いのだが、宮本輝の小説「優駿」もこの先の静内を舞台にしており、馬好きの人々が一度は訪れたいと思う地域らしい。

日高三石の付近で海岸に出るも、やがて山の中へ入っていく。再び海岸に出ると町が広がって静内に着く。静内は、競走馬のせり市場もあるらしく、この辺りの馬の集散地とでも言える町である。かつては貨車に積み込まれて全国各地へ向かったのだろうが、今はご多分にもれずトラック輸送で、それと思しきトラックを併走する国道235号線に見掛ける事がある。静内からは乗客も増えるため車輌もそれまでの単行から増結される。列車本数が少ないこともあるのだろうが、私の乗った昼過ぎの列車は静内から立ち客も出るほどの満員であった。

ここからは延々と太平洋とお付き合いしながら走ることになる。先に書いた塩害の影響か、床下からギアが擦れるような音がしていたのを覚えている。加速が滑らかでなかったことからしても、そうとう足回りがやられてしまっているのだろう。同じタイプの軽快気動車を同時期に導入した北海道ちほく高原鉄道では状態が良かっただけに、塩害とはおそろしいものである。また新冠節婦の間には断崖絶壁の下をくねくねと走るところもあり、有名な撮影地となっている。

日高門別まで来ると馬の牧場は少なくなり、乳牛の牧場が目立つようになる。やがて日高支庁から胆振支庁に入り、鵡川を過ぎる。かつてはここで富内線を分岐していたのだが、それらしき跡は見受けられなかった。浜厚真を過ぎる頃から左に苫小牧東部工業基地の建設予定地の原野を見て走る。近頃、この経営会社が破綻したとかなんとかで、産業構造の変化もあって、この予定地はおそらくこの原野のままで放置されることになるのだろう。勇払から、苫小牧工業港の建設に伴って北側に移設された(といっても1960年代)線路を走る。工業地帯の中には、苫小牧港開発の線路があるが、長期休止中で線路は赤錆びている。やがて室蘭本線と合流し、しばらく並行した後、苫小牧に到着する。


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