留萌本線(深川・増毛)


最新乗車1998年夏


留萌本線は、函館本線深川で別れて天塩山地の南端を越え、日本海岸の留萌を経由して、増毛を目指す路線である。この路線、1999年現在、恵比島駅が明日萌駅としてNHKドラマ「すずらん」のロケ地に使われており、それとタイアップしたC11-171号機牽引の「SLすずらん号」が運転されている。また、かつては映画「駅STATION」のロケも行われ、この時は増毛駅が主に使われた。

さて、深川を出ると左にカーブして函館本線と分かれる。途端に広大な水田地帯に入る。この区間だけを見るならば、東北地方であるかのような錯覚すら覚える。石狩沼田で札沼線の廃線跡と合流。この沼田町内にはドイツはクラウス社製の15号小形蒸気機関車が保存されている。この機関車、九州鉄道によって輸入され、最後はかつて恵比島から分かれていた留萠鉄道という私鉄で働いていた。この機関車クラウスは絵本の題材にもなっており、私も幼き頃読んだ覚えがある。現在は、「すずらん」のセットが公開されていたりして繁盛しているらしい恵比島も、私が訪れたときは寂しい貨車駅であり、留萠鉄道の線路跡も全く判らなかった。

恵比島を出た辺りから寂しい山越えにかかるが、次の峠下でそれも終わる。北海道の他の路線と比較すると、呆気ないぐらいである。留萌川にそって下り、海沿いの大きな町に出ると、そこが留萌である。広大なヤード跡地が広がり、羽幌線の廃線跡もそれとなくわかる。さて、この留萌、いつの間にやら留萠から改称されていた。留萠というのはおそらく市の旧称なのだろうが、市の名前が変わってからかなりの間、線名と同じく放置されていたのである。留萌を出ると、日本海を右に見て、漁師町を縫って走る。併走する国道231号線を札幌方面への高速バスが走り抜けて行く。留萌から札幌までは、この道を走る高速バスが最短ルートなのである。また、この辺りは海水浴場でもあるらしく、浜中海水浴場という臨時駅がある(あった)はずなのだが、痕跡すら見当たらなかった。もしかしたら、ホームなどなく、ドアの下にステップを置くだけの駅だったのかもしれない。終着駅の増毛はホーム1本、線路1本の寂しい駅である。駅舎が残っているのがせめてもの救いであるが、街はそこそこ活気がある。


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