八戸線(八戸・久慈)


最新乗車 1997年夏


八戸線は、三陸海岸の北端をゆく路線で、ほぼ全線にわたって太平洋沿いに走り、晴れていれば素晴らしい車窓が期待できる。ただ、私が乗車したときは曇(正確に言えば、やませによる海霧)で少々眺望がきかなかったため、見えなかった風景もあるかもしれない。

さて、八戸を出た列車は、右にカーブしながら東北本線と別れる。と、左に八戸臨海鉄道の線路が併走し、複線区間のようになる。この臨海鉄道は次の長苗代を過ぎてもまだ併走し、馬淵川を渡る手前で左に別れて工業地帯へ消えて行く。さらに八戸線からも貨物線が別れ、馬淵川を渡って、臨海鉄道の対岸を工業地帯へ向かって行く。馬淵川を渡って八戸市の市街地の中を高架線で進むと本八戸である。高架を下りると陸奥湊、この辺りから工業都市としての八戸から、漁業都市としての八戸に眺めが変わる。やがて。町外れの八戸駅と八戸市街地を結ぶここまでの区間は利用者も多く列車が頻発しているが、このから先は極端に本数が少なくなる。それに合わせるように沿線風景も途端にひなびたものに変わる。

を出てすぐ左にウミネコの繁殖地として有名な蕪島が見えてくる。ウミネコの糞で真っ白な岩と、開け放った窓から入ってくる「鳥の臭い」が印象的であった。ここからずっと左に太平洋を望んで走ることになる。このあたりはリアス式海岸ではなく、砂浜のあるなだらかな海岸である。東北随一の海水浴場も点在し、シーズンにはこの路線も賑わうのであろう。階上を過ぎて、列車は青森県から岩手県に入る。陸中八木を過ぎる頃から、リアス式海岸の片鱗が見られるようになり、海岸が徐々になだらかではなくなってくる。線路も曲線が多くなる。

陸中中野を出ると列車は右に回って海岸線から離れる。本格的にリアス式海岸が始まったのを避けるかのようである。ちなみに、私が乗車したときやませによる海霧で眺望がきかなかったと最初に書いたが、この海から離れて山中を走る区間では一気に晴れ渡り、驚いたものである。今までの平坦な路線とは打って変わって、上り急勾配が続くようになり、列車は喘ぎ喘ぎ走る。海の見えない山中にあるのに侍浜という駅を過ぎると下り坂になり、次の陸中夏井で再び海沿いに出る。徐々に町が広がってくると、終点の久慈である。線路はこの先三陸鉄道北リアス線に続く。


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