北上線(横手・北上)


最新乗車 1997年夏


奥羽本線横手東北本線北上を結ぶ北上線は、現在は線内運転の列車のみとなっているが、立地条件の中途半端な良さからか事ある毎に優等列車運転線区になることがある。古くは急行「おが」、特急「あおば」、そして新しくは代行特急「秋田リレー」などである。ところが特急の2本に関してはどちらも短命であるという共通点を持っている。「あおば」はそもそもの需要の少なさから4年半で廃止、「秋田リレー」は秋田新幹線建設工事に伴う特急「たざわ」の代行運転であるからこれも1年でその使命を全うして廃止されている。かつては横手黒沢尻の頭文字をとって横黒線といったが、黒沢尻北上に改称したのに遅れること12年で北上線に改称されている。

横手を山形方に向かって出発した列車は、すぐに大きく左カーブを描いて奥羽本線と離れる。横手の市街地南端を辿り、やがて横手川に沿ってさかのぼっていく。周囲はのどかな田舎の風景である。相野々の辺りで横手川から離れ、その支流の黒沢川に沿うようになる。小松川を出ると山は深くなり、屈曲している黒沢川を幾度と渡りながら列車は高度を稼ぐ。黒沢を過ぎると列車は秋田県から岩手県に入る。峠越えにはありがちなトンネルがこの区間には少なく、それが意外である。もっともなぜかといえば標高も低く、なだらかな峠越えであるからなのだが。

岩手県に入るとゆだ高原ほっとゆだゆだ錦秋湖と「ゆだ」のつく駅が3つ連続する。旧称は順に岩手湯田陸中川尻陸中大石といい、湯田町の観光政策の一環で東北新幹線東京延長開業の日に同時に改称されている。特にほっとゆだには温泉施設が併設されていて、訪れる人も多い(もっとも車で来るのが普通のようだが)。ここの浴場には信号機が設置されていて、列車の発車時間へのカウントダウン(無表示→青→黄→赤)を行うようになっている。信号機の現示を気にしていれば列車に乗り遅れることもないわけである。ほっとゆだから湯田ダムのダム湖である錦秋湖に沿って走る。錦秋湖というだけあってこの付近は紅葉が素晴らしいらしい。このダム湖の建設に伴ってほっとゆだ岩沢間の線路が大幅に付け替えられている。最初は右に見えているダム湖であるが、しばらくして長い橋梁で渡り、ダム湖が尽きる和賀仙人までずっと左手に見て走る。ゆだ錦秋湖を過ぎて幾本か長いトンネルをくぐり、湯田ダム横に設けられたトンネルを抜けると、左に湯田ダムを見上げながら列車は下りの急勾配でS字 にカーブを切って和賀仙人に滑り込む。岩沢を出ると和賀川を渡り、周囲が一気に開ける。水田地帯の中を一直線に横川目立川目藤根江釣子と過ぎ、東北自動車道をくぐって柳原を出ると右に大きくカーブして東北本線、東北新幹線と合流して北上に到着する。ちなみに横川目立川目の2駅連続している「目」という字は集落を意味する字とのことである。


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