秋田内陸縦貫鉄道(角館・鷹巣)


最新乗車 1997年夏


秋田内陸縦貫鉄道は、田沢湖線(秋田新幹線)角館奥羽本線鷹ノ巣を、秋田をバイパスする形で結ぶローカル線である。もとは1970年に開業した角館松葉間の国鉄角館線と、1936年から1963年にかけて開通した鷹ノ巣比立内間の国鉄阿仁合線で、1989年の3セク移管と同時に松葉比立内間を開通させて現在の路線を形作っている。マタギと呼ばれる熊撃ちの人々の集落が沿線に点在するほど山深いところを走る路線のため、お世辞にも乗客は多いとは言えないが、豪華車内設備を誇る急行「もりよし」を走らせたり、沿線観光地とタイアップしたりして乗客増に努めている。

角館を出た列車は左にカーブして田沢湖線と別れる。羽後太田西明寺八津とのどかな田園地帯を走ると、やがて両側から山が迫ってきて檜木内川の谷間に入る。鉄建公団により建設された区間であるため、トンネルと橋梁で屈曲する檜木内川を串刺しにするように走る。周囲が少し広がると羽後長戸呂、そして角館線時代の終点松葉である。松葉から田沢湖までは東へ5kmと意外に近いのだが、東にそびえる山に遮られてその姿は見えない。列車は1989年に開業した区間に入って行く。周囲はますます山深くなる。羽後中里左通上桧木内戸沢と過ぎると、長い十二段トンネルに入る。トンネルを抜けると阿仁マタギ。近所にはマタギ資料館や熊牧場なんかもあったりする。詳しくは阿仁町ホームページを見ていただくとして、先に進む。奥阿仁を過ぎると国鉄時代の終点、比立内である。比立内川〜阿仁川に沿って列車は下って行く。岩野目、アイヌ語が由来とよく判る笑内萱草荒 瀬と過ぎると、少し周囲が開けて阿仁合である。私が乗ったのは7月終わりだったのだが、里に下る前の赤トンボが数多く舞っていたのが印象に残っている。ドアが開くたびに赤トンボが車内に入ってきたし…。

阿仁合には車庫が併設されており、秋田内陸縦貫鉄道の中心駅となっている。付近にはかつて銅山があり、この鉄道もその銅を産出するために計画されたのが最初である。阿仁合以北は戦前に開業した区間だけに細かいカーブや勾配が多く、列車のスピードは上がらない。右に森吉山を、阿仁川を左に見ながら小渕前田南阿仁前田と下って行く。桂瀬を過ぎる頃になると周囲は徐々に開けてくる。米内沢からは鷹巣盆地に出て、すっかり川幅の広くなった阿仁川に沿って上杉合川と走る。列車は丘陵地に入って大野台小ヶ田を通過。米代川を渡って町役場に近い西鷹巣を過ぎると左から奥羽本線が現われ、鷹巣に到着する。奥羽本線の駅名は鷹ノ巣なのだが、秋田内陸縦貫鉄道の駅名は自治体の書き方に合わせて鷹巣となっている。まれに臨時列車が奥羽本線に直通するため、線路はつながっている。


東北編目次へ戻る
ホームへ戻る