下北交通大畑線(下北・大畑、現在廃止


最新乗車 2000年夏


陸奥湾に面した下北と、津軽海峡に面した大畑を恐山の麓を通って結ぶ下北交通は、かつての国鉄大畑線から転換を受けた私鉄である。この下北交通は、地元のバス会社であった下北バスが大畑線の受け入れに際して会社名を変更したもので、大畑線の引き受け先としては、野辺地七戸を結んでいた南部縦貫鉄道も名乗りを挙げていたという。車輌は国鉄キハ22形を改造したキハ85形で、このまま行くと、国鉄キハ22形の残る最後の鉄道ということになりそうだったが、2001年3月31日限りで廃止されてしまった。止むを得ない気がするが、残念である。

大湊線と接続する下北を出た列車は、左に急カーブし、左にむつ市の市街地を望みながら走る。海老川を過ぎて、むつ市の中心部にある田名部。ここは、恐山や尻屋崎に向かうバスとの接続点で、シーズンには乗換客で賑わう。列車は、恐山と、下北半島の脊梁部との間の湿地帯を走る。かつて下北半島が、半島と島に別れていた頃の海峡の名残であろう。周囲は原生林に近い林である。本州の景色というよりも、北海道のそれに近い。冬季閉鎖の樺山を過ぎ、周りが開けてくると陸奥関根で、出戸川と国道279号線を一気に跨ぐ辺りから右に津軽海峡が見えるようになる。

川代正津川と津軽海峡を見ながら走る。やがて、海の向こうに、晴れていれば北海道が見え始める。線路の周囲に家が増え始め、左にカーブして海から離れると、終点の大畑である。かつて、この先の大間を目指していた関係か、線路はかなり先で途切れており、また、駅前からは、その大間に向かうバスが発着している。このバスに乗ると、建設途上で放棄された、大畑と大間を結ぶはずだった線路の跡を見ることができ、終点の大間からはフェリーで函館に渡ることができる。


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