津軽線(青森・新中小国信号場・三厩)


最新乗車 2002年冬


津軽線は、津軽半島の東側を、青森からさらに北に向かうローカル線で、竜飛崎の入り口にある三厩を目指している。1988年3月まではただのローカル線であったが、同月の青函トンネル開通に伴い、青森新中小国信号場間が、江差線と同じく軌道改良、交換設備の増設などの改良工事を受け、北海道と本州を結ぶ幹線としての地位を得た。もっとも、多数走る貨物列車や、青函連絡特急「スーパー白鳥」「白鳥」(旧、特急「はつかり」や快速「海峡」)を除くと、701系電車や、キハ40、48形気動車で運転(朝の1往復は特急電車の間合い運用)される普通列車が1日数往復、細々と走っているのみである。

青森を出ると、東北本線と別れて右カーブし、奥羽本線としばらく並行する。やがて、東北本線からの短絡線が合流し、青森運転所を挟んで奥羽本線が左に別れて行く。短絡線は、主に東北本線から北海道へ向かう貨物列車やまれに臨時旅客列車が用いている。また、奥羽本線から北海道へ向かう貨物列車も、東北本線の側にある青森信号場で機関車を付替える関係上、この短絡線を使用している。旅客列車は客扱いしないものも含めて青森駅に入るので、滅多に短絡線を通る列車は設定されない。

1970年代を代表する国鉄特急型車輌が居並ぶ青森運転所を過ぎる頃には、南を向いて青森を出た津軽線は北に向きを変えている。新油川信号場を過ぎると住宅地の中に入り、防音壁に取り囲まれて走るようになる。津軽線がただのローカル線であった頃に線路の周囲が建て込んでしまい、その後で特に長大な貨物列車が頻繁に通るようになったため、防音壁という措置が取られたのであろう。線路は軒先をかすめるようにして走っているから、この防音壁とてどれだけ役立っているのだろうか。

油川から、青森湾が右に見えるようになる。そして、車窓風景も、集落の中にある駅周辺を除くと、右に青森湾、左に津軽半島の背骨となる山地となり、線路の周囲は水田となる。この風景が、津軽宮田奥内左堰後潟中沢蓬田と続く。この区間には、それまでの防音壁に変わって防雪柵や防雪林が所々に設けられている。山から吹き降ろす風が一気に青森湾に抜けるからだろう。蓬田を出ると、線路は国道280号線松前街道を挟んで海沿いに出る。郷沢瀬辺地の間には玉松海水浴場があり、夏場は賑わうのだろうか。また、対岸には下北半島が見えるはずなのだが、私が乗車したときはいずれも天候不順(1997年春は吹雪、1998年夏は曇天)で、見たことがない。

やがて蟹田に到着。701系などの普通電車はここで全て折返し、この先三厩方面に向かう普通列車は気動車のみとなる。「蟹田ってのは風の町だね」という太宰治「津軽」の一節と「北緯41度、ニューヨーク、ローマと結ぶまちかにた」と書かれた木板がホームに設置されている。また、駅から北に少し行ったところにある、海浜の森公園には、太宰治の文学碑があるらしい。蟹田と、下北半島の脇野沢の間にはフェリーが運行されており、この航路を用いると、青森を経由せずとも大湊へ行くこともできる。蟹田を出ると海から離れて西進し、山の中に入っていく。蟹田川の谷に沿って上り、中小国を過ぎる。

次の新中小国信号場で青函トンネルを目指す海峡線が右に別れると、途端に貧弱な軌道となってしまう。すぐに大平。ここから、西に向かって「やまなみライン」と称された道を20kmほど走ると、津軽鉄道の終点のある中里町に到達する。バスでもあれば便利なんだろうが、現在のところ設定されていない。乗り潰しでこの乗り継ぎを使おうと思えば、大平駅前でヒッチハイクするしかなさそうである。「やまなみライン」以南の津軽半島を横断する道路が冬季通行止なのに対し、年中通行可能なことから、交通量はそこそこありそうである。ただし、実際に確かめてないので保証はいたしかねます。列車はくねくねと谷をさらに登り詰め、小国峠の下をトンネルで抜ける。ほぼ並行して走っている海峡線は、大平トンネル、津軽トンネルの長い2本のトンネルで一気に抜けており、土木技術の進歩を改めて感じさせる。

今別川の谷に沿って今度は下り、右に津軽トンネルを出た海峡線が並行すると、津軽二股である。同じ場所にある海峡線の駅は津軽今別で、たとえ駅舎を共用していようと、同じJRグループでも、会社が違うと駅名まで変えるかという例となっている。津軽線の2つ先の駅が今別であることが問題をさらにややこしくしているような気がするが、こんなところで乗りかえる客などまずいないだろうので、構わないのであろうか。同じ駅にすると、運賃計算がややこしくなるという経営上の理由もあったのかもしれない。今別町や三厩村から海峡線の列車に乗るなら、津軽今別にクルマで乗りつけるだろうし。津軽線は海峡線の下をくぐり、谷間をまだまだ下って行く。大川平のあたりまで来ると辺りはだいぶ開けてくる。

今別を過ぎると、津軽海峡が左に見え始め、海峡に面した津軽浜名に着く。ここから、津軽海峡沿いに列車は走り、海から少し離れると終点の三厩である。線路が西南に向いていることから、かつては津軽半島の西側に出る計画でもあったのだろうか。駅前からは竜飛崎に向かうバスが発着している。三厩は、漁業中心の静かな村である。夏場には北海道の松前に程近い福島までフェリーが出ている。


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