2000年8月

8月1日(火)
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●「ルパン3世 1$ワンダラーマネーウォーズ」★★★
 毎年恒例(?)の夏のルパン(笑)。今回は、入手したものが独裁者になるというブローチを巡る話。うーん、何というか。今回ので一番面白かったところは、実際の所、死んだと思ったルパンが実は死んでなく、どのようにして助かったかというプロセスかも。それ以外、どことなくもの足らない。いや、もの足らないを通り越してるような……。
 ところで、ルパン三世というのはかの有名なフランスの大泥棒アルセーヌ・ルパンの孫という設定であるというのは周知の事実なのであるが、何故仲間全員が日本人なのか? というのがひっじょうに気になってしょうがないぞ(笑)。もう一個。あんたら一体いくつだ? 特に峰不二子なんて、もうしわしわのばーさんな気もしないでもないんだけれども……。アニメのキャラは永遠に年をとらないということか?
●飲み会。朝まで色々と。ふふふぅ(壊れモード)。

8月2日(水)
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●「ブギーポップは笑わない」の映画版を見るが、あまりにもの恥ずかしさに見るのを途中で止める。うーん、実際問題そこまで悪いものとは思えないのであるが、見てて気恥ずかしくなってくるような。単に、イラストやアニメのイメージが強すぎるからかも知れない。
●『こわがらないで…』読了。サイコ?

8月3日(木)
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●ところで、MYSCONのプレ関西版って、結局いつやるんでしょうか? それとも、流れたんですか?>関係者
●「発狂する唇」★★★
 掲示板の常連タケさん大絶賛の映画。公式サイトもここに。
 公式サイトではストーリーは紹介され、わりと複雑な(?)人間関係が示されるが、ストーリーが進むに連れてプロットは破綻し、笑える展開に。三輪ひとみの殺陣最高。あんなか弱い少女のどこにあんな力があ! ってな感じで。この殺陣のコミカルさを見るためにビデオを借りるのも乙かもしんない。
 私の場合、プロットがしっかりしていないと余り評価しないたちであるのだが(「呪怨」は例外)、この作品も例外ではないようだ。プロットがしっかりしてない。なんか、ホラー映画ってプロットが途中で破綻するのが少なくないような……。プロットの無茶さ加減では「ブルータル・デビル・プロジェクト」に匹敵するかも(「ブルータル・デビル・プロジェクト」ほど酷くないけど)。しかし、よく考えてみるとこの破綻は計算された破綻かも知れない。むむむ。
●「ヴァンパイア黙示録」★★★☆
 過去から現在に流れる、あるヴァンパイアの軌跡。タイトルからして吸血鬼大決戦を想像しがちだが、そこら辺は期待はずれ。
 バトルシーンがあることはあるが、それは彩り。主は、街の吸血鬼を退治しようとして自ら吸血鬼になった男の悲劇。一見、ヴァンパイアホラーアクションのように見えるが、この作品、悲劇ではなかろうか。
 パッケージの派手さに比べ、中身は意外と地味だったりする。

8月4日(金)
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●「シックス・センス」★★★★
 大人気映画故に、借りるのに一苦労した。
 精神科医と第六感によって幽霊を見ることが出来る少年との交流。その交流の果てにあるのは何なのか?
 かなり話題になったようであるし、冒頭にはブルース・ウイリスによる巻頭の言葉として結末を誰にも言わないでください」と有る事から、結末が或る種の衝撃を伴うことは容易に予想できた。恐らく、ミステリ読みでない人がこの映画を見たらかなりたまげるに違いない。その衝撃は、クリスティの『オリエント急行殺人事件』の映画版を見たのに匹敵するかも(『オリエント急行殺人事件』も結末を人に話さないでくださいというのがあったとか無かったとか)。
 まあ、私は生粋のとまではいかないまでも一応はミステリ読みなので衝撃! とまでは行かなかったが、素直に感服させられた。上手い、と。この手は……(以下、ネタに抵触しそうなので自粛)。
 DVDでは特典があるらしいが、DVD版見てみたいにゃあと思ったのは言うまでもない。この映画に多数のリピーターがついたのは、十分頷ける。もしかしたら、結末の意味が分からなかったからなのでは? と思うのだが如何なもんか。
●『桜さがし』読了。ミステリ2割、恋愛小説8割。

8月5日(土)
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●岡山古本ツアー。起床6時半前。何事も問題なく待ち合わせ場所へ。何とか全員揃う。アレクセイさんから「海外」出張土産を頂く。有り難うございました。アレクセイさん、西の女王様、さる大学ミス研会員二人(二人の所属は別)、さおりさん、某大学ミス研OBを含む9人という豪華メンバーで芦屋を出発。途中、重度の渋滞に巻き込まれ、予定が大幅に狂う。当初の予定では12時半に現地について現地合流の人と合流して回る予定だったのだ。それが、後の悲劇の伏線になろうとは誰も思わなかった……。
 予定より2時間遅れて現地合流の人との合流を果たす。その内の一人は、昨年有る人物の奥さんを入れ替えて、「この人が○○さんの奥さんです」と私たちがたばかり、ずーっと騙されてた人(笑)。一年ぶりの再会である。
 結構な数回ったが、一件目の万歩書店で『プリンセス奪還』と「奇想天外」収録の牧野ねこ名義の短編完集という快挙。この三点、某企画のパンフ作成に必要なので探してたのだ。はっきり言って、私はこの時点で帰る羽目に陥っても良いと本気で思った。ここでは、『淫獣軍団』全三巻(?)が帯付きでごっそりあったので迷わず購入。
 後の店ではちょこちょこ買う。途中友成の土竜の聖杯シリーズの一冊目(全3巻だ)があったが、こっちでは恐ろしいほど友成の本を見ないので見送ったが、その次の店で残りの2冊を見つける。無論、半ばやけくそで購入(笑)。っつーわけで、このシリーズの一冊目あったら拾ってください。
 途中食事を挟み、結構回る。その結果、下手すると梅田で一夜を過ごさなければいけなくなる羽目に陥る寸前の時間に! これは悲劇。THE TRAGEDY OF OKAYAMA(なんでやねん)。日頃の行いがよかったせいか、終電にギリギリ滑り込むことに成功。
 いやあ、今回は収穫多し。収穫物は以下。値段は、失念につき割愛。でも、相場よりかなり安かったのは確か。
『プリンセス奪還』(牧野修/ソノラマ文庫・絶版)
「奇想天外」1979年10月号・絶版
「奇想天外」1980年7月号・絶版
『緊縛の救世主』(田中啓文/集英社スーパーファンタジー文庫)
『淫獣軍団 陵辱都市1998』(友成純一/天山ノベルス・絶版)
『爆殺都市 淫獣軍団PartU』(友成純一/天山ノベルス・絶版)
『淫獣軍団 地底王国PartV』(友成純一/天山ノベルス・絶版)
『妖魔の宴 ドラキュラ編A』(菊地秀行監修/竹書房文庫・絶版)
『獣神都市』(友成純一/廣済堂ノベルス・絶版)
『凶殺都市』(友成純一/廣済堂ノベルス・絶版)
『過ぎる17の夏』(小野不由美/講談社X文庫ホワイトハート)
 しばらく古本屋行かなくても良いかも……と言いつつ、本日リニューアル開店した三条京阪のブックオフに殴り込みをかけに行こうと思ってたりして(笑)。ところで、友成純一の著作リストのページってご存じないですか?
●帰る途中書店に寄り、『木製の王子』購入。
●そんなわけで(どんなわけだ)『和時計の館の殺人』読了。うーん、横溝!

8月6日(日)
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●8時過ぎに起きるつもりが、起床12時。しかも、『バトル・ロワイアル』の世界に迷い込み、殺し合いをする羽目に陥る夢を見る。あうう、怖かったよー
●というわけで、三条京阪のリニューアルしたブックオフへ。収穫ナッシング。うふ。
★今日のオススメ:「切り裂き魔」(法月綸太郎)
 この作品は『法月綸太郎の冒険』(講談社文庫)に収録されている。
 法月綸太郎というと、『頼子のために』(講談社文庫)や『二の悲劇』(祥伝社文庫)などのような悲劇的な作品の方が有名で、作者自身も本領を発揮している。ここら辺が代表作というのは、どなたも異存は無かろう。また、昨年出た短編集『法月綸太郎の新冒険』(講談社ノベルス)は、推理作家協会賞の候補作にものぼり、かなりの評価を受けたが、今回取り上げるのは「切り裂き魔」である。
 このタイトルから、この作品を読んだことない人はジャック・ザ・リパーの方を思い浮かべたのでは無かろうか。血みどろどろどろの話、と言うわけではない。至って爽やかな話。発端の謎は何故図書館の本の一ページ目が切られていたか、というもの。もしかしたら、この紹介だけで真相にピンとくる方もおられるかも知れないが、万一解っちゃったと言う人もどうぞ。真犯人の悲痛な叫びが胸を打ちます。あなたがミステリ読みなら、絶対に真犯人の独白には共感できるでしょう。
 この「切り裂き魔」は、単行本収録後色々物議を醸したらしいが、その経緯も面白い。文庫版後書きにその辺の話は書かれてるので、「切り裂き魔」読了後、どーぞ。
 『法月綸太郎の冒険』には「死刑囚パズル」などの名編もあるので、かなり「買い」である。

8月7日(月)
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●「ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom(5)」★★★
 いよいよ後一巻を残すのみとなったアニメ版ブギーポップ。
 通しでの意図って有るのかなあと思ってるが、いよいよ通しの意図が無さそうな気が(笑)。
 本編を読んでると良く理解できる(裏を返せば、読んでないとイマイチ把握できない)シーンが有るのは相変わらず。
 とりあえず、最終巻である次回のレンタル開始を待つこの頃。
●「サウスパーク(1)」★★★☆
 アメリカンコメディアニメ。後輩に勧められてたのであるが、これ、かなり毒が効いてて笑える。恐らく、日本人には作れない笑いであろう。笑いの研究をするならば、必見かも。日米の文化の比較にはもってこいか?
 この作品、レンタルビデオ屋に6巻まで置いてるが、とりあえず、気が向いたら残りも見てみることにしよう。あう、なんかはまりそう。
●『MOUSE』読了。むう。

8月8日(火)
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●どうやら、自分の甘さをまた露呈してしまったようである。ぐうう。
●バイト。本の積み込み作業を一時間ほど。肉体ろーどーである。明日筋肉痛になってたら嫌だなあ……。
★今日のオススメ『犬神家の一族』(横溝正史/角川文庫)
 一昔前、横溝ブームというのがあったのはご存じであろうか? 角川映画を端に発するこのムーブメントの先陣を切ったのはこの『犬神家の一族』の映画化である。石坂浩治扮する金田一耕助は金田一耕助の定説とまで言われた。
 角川文庫に入った横溝正史の文庫は『八墓村』が最初だが、現在まで続いている角川映画第一弾の原作がこの『犬神家の一族』だった。朗読される遺言状、戦争で崩れた顔をゴムの仮面で隠す助清、連続殺人、家紋、菊人形……。様々な探偵小説のガジェットが入り乱れる。
 この作品に於ける人間関係の構図は、二階堂黎人氏をして完璧と言わしめている。『悪霊の館』(講談社文庫)での人間関係の構図は『犬神家の一族』を意識したという。更に言うならば、柄刀一の『ifの迷宮』、殊能将之の『美濃牛』、芦辺拓の『和時計の館の殺人』は『犬神家の一族』を意識した作品だと思う。今挙げた三作品は今年出た作品である。世紀末は横溝が流行りなのか? 更に言うならば、霞流一の『屍島』も横溝。こっちは不朽の傑作『獄門島』。
 現在書かれているミステリの基本となっているとも言えるが、この作品独自の(と言うより寧ろ、以降類例が見あたらないと言うことだが)所もある。横溝正史を読んだことがない人に勧める横溝、と言う意味では格好の書かも知れない。

8月9日(水)
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●バイト。予想通り筋肉痛(苦笑)。それはさておき、仕事に入る前に夜間金庫の袋を取りに行ったのであるがその時のこと。カウンターのお姉ちゃんに「夜間金庫の袋はここで受け取るんでしょうか?」と尋ねてたら、どっかのおやじが割り込み。並んでて割り込みというのはまだ解るのだが、喋ってるときに割り込んでくるおやじって……。間違ってもこういう無粋な(ていうかそれ以前か)おやじだけにはなりたくないものである。
●『木製の王子』、『プリンセス奪還』読了。むむむ。

8月10日(木)
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●某MLのローテーション作品のモチーフは「Hello , Again〜昔からある場所〜」に決定。リベンジである。あ、くれぐれも、飲み屋で合唱はやめてください(笑)>心当たりある人
●昨日うっかり買ってしまった(本当はもう少し後に買う予定だったりする)「メフィスト」を読む。とりあえず寝る前に短編二篇。「瑠璃荘事件」(有栖川有栖)★★★☆、「<擬態>密室」(西澤保彦)★★★ ってとこ。江神ものの新作「瑠璃荘事件」がやはり嬉しい。
●『貴船菊の白』読了。柴田よしきにはストレートな、ミステリ全く抜きの恋愛小説を書いて欲しいところである。
●倉阪鬼一郎の書評集を読む。こういう本を読んで、校正の仕事をすれば倉阪鬼一郎になるのねと的外れな夢想をしたという事実は決してない(マジでありません)。

8月11日(金)
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●下鴨の古本市初日。某畸人郷メンバーで集まったわけであるが、起床9時過ぎ(笑)。開始10時だったので、何も喰わずに向かう。途中コンビニでパンを買って食事。その甲斐あってか、結構収穫。買わないつもりが、うっかり1000円分ぐらい買ってしまう。どこに置くねん(笑)。収穫は以下。
『蝶を盗んだ女』(鮎川哲也/角川文庫・絶版)100円
d『金貨の首飾りをした女』(鮎川哲也/角川文庫・絶版)100円
『紅鱒館の惨劇』(鮎川哲也編/双葉社・絶版)200円
『日本版 贋作ホームズ展覧会(上)』(河出書房・絶版)100円
『銀河の間隙より』(R・ギャレット/早川SF文庫・絶版)300円
『妖臣蔵』(朝松健/光文社文庫・品切れ?)150円
 この中では、店の人がうっかり均一棚に並べてしまったと思しき『紅鱒館の惨劇』が最大の収穫であろう。うっかり並べたのをうっかり買ってしまった(笑)。『蝶を盗んだ女』は、これで角川文庫鮎哲短編集完集。『金貨の首飾りをした女』は、ダブりだった。オファーがあれば交換に。『日本版 贋作ホームズ展覧会(上)』は、以前下巻だけ買ってたのでこれも揃った。ギャレットのSF文庫は、半ば衝動買い。切れてるらしいし、興味のある侵略テーマなので良しとする。最終日余裕があったらもう一度行く予定である。
 一通り回って入り口に行くと、某古本屋夫妻が。何故かウーロン茶を奢ってもらう。このご恩、一生忘れません。その後、ある大学ミス研の方と話す。お互い大変なようですね。
 昼食は某畸人郷の面々と京都府役所の近所にある食べ放題へ。色々と面白い話を聞く。詳細は割愛。その後、カラオケに行くというメンバーをしり目に私は河原町のブック1stへ。途中雨に降られる。余り濡れずにたどり着いたのでしばらく雨宿り。やんで私のような爽やかな青空が広がったので(バキッ←どつかれたらしい)調子に乗って堀川五条のブックオフへ。そこで
『一日の悪』(トマス・スターリング/HPB)100円
『殺人交差点』(フレドリック・カサック/創元推理文庫・絶版)100円
 の2冊を購入。『一日の悪』は、昨年復刊されたバージョンではなく、黄色い表紙。『殺人交差点』は、9月に復刊されるので買う必要なかったかも知れないが、併録の『連鎖反応』が収録されない可能性を考慮して。『殺人交差点』は、このバージョンは最後の一撃≠ェ割れてしまうと言う致命的な点があるらしいので、読むのは復刊する『殺人交点』を。余裕があったら読み比べてみよう。なお、『殺人交差点』にはブックオフ曰くの魔法がかかってました。
 その帰り道、土砂降りにあい濡れ鼠。「ふ、水も滴るいい男さ……」と、ぼける余裕もないぐらいに濡れる。本はビニールの袋に包んであったので無事。
 しかし、最近引きが良すぎだなあ……。後が怖いかも(笑)。
●「メフィスト」を読む。小坊主パズルが楽しい「夏休み、または避暑地の怪」(高田崇史)★★★☆、鞠夫ものの「夏の記憶」(我孫子武丸)★★★ を読了。

8月12日(土)
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●「メフィスト」を読む。「中国蝸牛の謎」(法月綸太郎)★★★☆、「エッシャー世界ワールド(柄刀一)★★★☆ 読了
●某畸人郷例会。新しい人(でも、面識あり)も来て色々と。酔って調子こいて「来月までの宿題です」とか言って変なこと言うし(笑)。忘れてください。

8月13日(日)
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●図書館に本を返したついでに、ついでではないどころの距離を自転車で走りブックオフへ。
『元禄百足むかで盗』(朝松健/光文社文庫・品切れ?)100円
『天外魔艦』(朝松健/中公Cノベルス・絶版)100円
 購入。朝松収集前進である。
★今日のオススメ:「乳児の告発」(西澤保彦)
 ご存じ、神麻嗣子がかわいいチョーモン委員シリーズ。この「乳児の告発」は、『念力密室!』(講談社ノベルス)収録。『念力密室!』は全編密室ものでしかもハウダニットではなくホワイダニットという怪作。怪作と述べたが、この短編集はミステリファン必読の短編集と言っても良い。ミステリファンと言うならば、読まないといけない作品。私は、この作品集を読んでない人間はミステリファンとは認めません……と十年後に言いたいですね。
 その中から選んだのがこの作品。ミステリの伏線というのはなんぞや、と少々考えさせられるかも。この作品をチョイスしたのは、私が『念力密室!』に収録されてる作品の中でこの作品が一番好きだった故に。『念力密室!』は、全編必読の傑作揃い。創元の「本格ミステリベスト10」の2000年度版で20位以内に無かったので自分の目を思わず疑ってしまった。なんで、この作品がはいってない……? 本格という縛りでは、1999年に出た作品の中でも上位で評価すべき作品であろう。ベスト10入りした『黄金きん色の祈り』(文藝春秋)は、或る事情で読む前にネタを知ってしまったので衝撃が薄れてるんだろうけれども(つまり、もしかしたら『黄金色の祈り』の方が『念力密室!』よりすぐれてる? ということ)。それを度外視しても……。
 とにかく、ありきたりの密室ものではもう満足できない人、及び、ミステリをこれから読み進んでいこうという人には超お勧めである。読んでない人は、読め。

8月14日(月)
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●暑さでくたばってたりする……。何時間寝てるんだろう>自分
●『殉霊』読了。
★今日のオススメ:『戻り川心中』(連城三紀彦/ハルキ文庫)
 日本ミステリ史上最高の短編集、と言っても過言ではない。純粋な短編集という縛りでこの『戻り川心中』を越えた短編集は存在しないと言える。裏を返せば、この短編集を読んだら並の短編集ではもう満足できない? なお、今読むなら必ずハルキ文庫版を読むこと。花葬シリーズ全八編完全収録。講談社文庫版は全部収録されておらず。
 花葬シリーズは恋愛とミステリの融合を目指した作品であるが、残念ながらその試みが100%成功していない。試みは成功しなかったが、この『戻り川心中』に収録されている花葬シリーズの価値が落ちるわけではない。この作品集は、その空気のみやびさは誰も追随できないのではないのか、と言うぐらいなのだ。私の中では空前絶後の作品集だが、一つ難を言えば先にも述べた融合の失敗。この融合が為されていたら、私の中ではなく空前絶後の連作として、誰も追随不可能だったのでは無かろうか。
 日本ミステリ史上まれにみる連作の集大成を、まだ読んでない人間は幸せである。その前に、豊穣なる傑作があるのであるから。願わくは、もう一度サラで読んでみたいものである。

8月15日(火)
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●「メフィスト」を読む。「鬼と呼ばれた男」(田中啓文)★★★ 読了。シリーズ一作目?
●学園祭関係の資料として土曜に借りた本を拾い読み。三編無事読了。後は文章を書くだけ。続いて学園祭とは関係ない『殺人四重奏』を読む。明日読了予定。
●何もない、平凡な一日でした。まる。

8月16日(水)
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●一人でぶち切れてる夢と(周りは、何故切れると連鎖的に切れる(笑))、Mr.ビーン似の化け物に追いかけられる夢の二本立て(笑)。ああ、マジで怖かった。
●送り火。東大文字をアリーナ席で拝む。間近で見るだけあって、迫力は結構あり。
●『殺人四重奏』読了。まあまあ、かな。「絶版本、復刊される前に読むぞ」計画着々と進行中(笑)。嫌なプロジェクト名だ(苦笑)。

8月17日(木)
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●そういえば、頭の中で計画しただけで実行に移されてない企画がいくつかある。クライヴ・バーカー「血の本」シリーズ全作品レビュー、『有栖川有栖の密室大図鑑』紹介作品全作レビュー、天城一作品レビュー。あと、山沢晴雄作品レビューとか。なんか、気が遠くなりそうな感じだなあ……。さて、この中でどれが実行に着手されるのでしょうか? どれも計画倒れになる方に清き一票を。
●うーん、夏バテだよなあ。食生活改めなければ……と思いつつ昼食はそうめんだったりするんだけれども。
●最近ついてないなあ。傘もたずに外出したときに限って雨に祟られるし(苦笑)。
●『殺人交差点』収録の『連鎖反応』も改訳されるとのこと。しかも、旧版の訳に問題有りとか……。はあ。

8月18日(金)
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●近所のモスで怪しげな会合。マニュアル作成を命じられる。元版があったので、さっくり完成。
●学校の図書館で怪しげな調べもの。その名義で某集成に三編載ってたのね……。気付かなかったわあ
『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(芦辺拓/原書房)を読む。「真説ルパン対ホームズ」「大君殺人事件 またはポーランド鉛硝子の謎」読了。

8月19日(土)
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●大阪中央図書館へ学園祭関係の資料のコピーへ。
 本来は8時ぐらいに起きて雑用をしてから行くはずだったのであるが、起きたのは10時過ぎ(笑)。食事をとってさっさと向かう。阪急で梅田まで行き、梅田から地下鉄に乗って中央図書館へ。待ち合わせ時間より早く来たので館内を回る。うう、読みたい本が……。それはさておき、回ってると検索機械の前でLと遭遇。彼と待ち合わせてたのだ。閉架から雑誌を出してもらいコピーコピーコピーィィーィィ!(電波?)。100枚以上コピーを取る。著作権使用料の問題とは言え、館内でのコピー1枚二十円というのはたかいよなあ……。途中、コピー機の調子が悪いのか、詰まったりする。いろんな事があったが、とりあえずコピー完了。
 私はLと別れ、梅田へ。先週あった本を買いに旭屋に赴くが、何処かの大馬鹿野郎が買いやがった! もとい、既に買われていた。脱力しつつ大会議室オフの待ち合わせ場所へ。諸事情で参加できないが(単にお金がないだけだけれども(笑))顔だけ出す。この麗しい顔を忘れられては困るからね。本日初参加の二人に挨拶をすると言う目的もあったのだ。ホント久しぶりの方々も居て、旧交を温めたり、某ML関係でどれぐらい出来てるか腹のさぐり合い(?)をしたり。私が机を叩き割るというデマが浸透してることに愕然としたり。時間になったのでさよーなーらさよなーらー♪ と手を振り別れる。
●行き帰りの電車の中で『凶獣原野』読了。絶版積読消化期間だが、9月にハルキ文庫から復刊されるんだよねえ(笑)。残りの『天外魔艦』と『蒼い目の封印』もさっさと読もうっと。
『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(芦辺拓/原書房)を読む。「《ホテル・ミカド》の殺人[改訂版]」読了。

8月20日(日)
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●気分転換に九日間の不思議(仮)の文章を書く。完成は今月末を目処にしてるが、よくよく考えてみたらこんな事書いてる場合じゃないんだよなあ。ちなみに、今回は名探偵対怪盗の事について書いてます。
●自転車がパンクしてたことが判明……。なんで、金がないときにぃ(泣)。あうあうあう。
●噂の『彼は残業だったので』読書中。思ったより悪くないような……。
『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(芦辺拓/原書房)を読む。「黄昏の怪人」「田所警部に花束を」読了。

8月21日(月)
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●『彼は残業だったので』読了。怒らないけれども、良くもなかった。
『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(芦辺拓/原書房)を読む。「七つの心をもつ探偵」読了。

8月22日(火)
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●日曜にコピーしてきた資料と格闘。なかなか良いパンチでした。私も負けずにバックドロップをお見舞いしましたが……って、意味が違う。いや、読んだのが「そこまでシャレで落とすかあ!?」って感じだったのでつい(笑)。残りはシリーズものとセッション小説(これで、何を読んでるかは解る人には解りましたね)。こっちは原稿を書かなければいけないので少々げんなりしてたりするのだが……
『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』(芦辺拓/原書房)を読む。「探偵奇譚 空中の賊」「百六十年の密室―新・モルグ街の殺人」読了。
★今日のオススメ:『妖異金瓶梅』(山田風太郎/廣済堂文庫)
 山風ミステリの双璧と言うべき作品。前半は或る一点を除き普通の短編ミステリ、後半は怒濤の長編展開。この作品が名作と言われるのは、後半部分もさることながら、前半部分の或る一点に比重がかかる。この点は明かすとネタばれになるので割愛するが、名探偵論と言うものが書かれるならば、言及されうる作品であると言えよう。
 「赤い靴」における死体トリックは、この『金瓶梅』の世界をベースにしてるからこそ成り立つものであろう。或る意味、『占星術殺人事件』を凌駕しているかも知れない。犯行の動機、構図ともに短編で書ききるには濃厚すぎるものであるが(ゆうに長編一本もたせ得るネタだ)、短編の枠内で破綻無く描ききっている。「赤い靴」を読むだけでもこの『妖異金瓶梅』を買う価値はあるであろう。空前絶後の動機を堪能していただきたい。
 廣済堂文庫版の解説で空前絶後の犯人設定と述べているが、まさにその通りと言えよう。『金瓶梅』の世界でないと成り立たない空前絶後の趣向。この作品成立の裏には面白い事情があったらしい。なんと、原稿料の変わりに『金瓶梅』の訳本をもらい、『金瓶梅』を読んでこの世界でミステリを書いてみたらどうなるか……という過程があったようなのだ。もしもその時原稿料がきちんと支払われていたらと思うと、偶然により出来たこの作品の幸福に感謝せざるを得ない。確か、忍法帖のシリーズの一作目『甲賀忍法帖』は『水滸伝』がベースらしい。そう考えると、『妖異金瓶梅』と忍法帖は姉妹編なのか?
 読んでないのであれば読むべき作品というのは多々あるが、この『妖異金瓶梅』はその中でも筆頭にあげられるべき作品であろう。

8月23日(水)
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●おもむろに古本屋で買ってきた「小説すばる 99年12月号」を読んでみる。メタポルノ「ポルノグラフィック」(我孫子武丸)★★★、奇妙な味のホラー「黒髪」(今邑綾)★★★、夢か現か夢と現実がシンクロする「目を擦る女」(小林泰三)★★★、パット・マガー? 「血液を探せ!」(乙一)、この人の短編意外と好きかも「鎖」(北川歩実)★★★☆とそもそもの目的の短編(これは、サイコホラーか)★★★☆読了。たまには文芸雑誌を古本屋で見つけて読むのも良いかもしれない。新刊で買うのは高いからねえ……。200円から300円なら、買うかも知れない。
●学園祭関係の書き物。未収録短編のレビューを一本上げたが、書き直そうかなあ……。

8月24日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0008.html#24
e-NOVELSの鷹城氏による『西条秀樹のおかげです』(森奈津子/イースト・プレス)の書評を読んでて思いだしたこと。毎週更新される「週刊書評」は正式名称を「SYMPATHY FOR THE MYSTERY」と言うらしいが、書評中のネタで鷹城氏は「SM」と略そうと書いていた。ここで本題に入る。古本市で「サスペンス・ミステリーマガジン」と背表紙に書いてあった雑誌があったので手に取ってみると、表紙を見たらSMの雑誌だった(笑)。略すると「SM」だから「サスペンス・ミステリーマガジン」なのかなあ……と思った。それ故に、「SYMPATHY FOR THE MYSTERY」と名付けた佳多山氏も、「略したらSM〜♪」と思ってたのかなあ(笑)。そんなわけない。
●「アンビリバボー」で杉沢村という消えた村の話を特集してたので見たが、結局その村の痕跡を見つけることが出来ず。「BWP」と『塗り仏の宴』を足したような感じ。うーん、結局都市伝説だったのか? 続報を待て?
●今日は「小説すばる 2000年2月号」を読む。こちらは借り物。死体描写が或る意味リアルなブラックユーモア「死体は逆流する」(山田正紀)★★★、骨董品ミステリ? 『狐罠』の路線再びなのかと思う古九谷焼幻化こくたにやきげんげ(北森鴻)★★★、静かなる静謐なホラー「花の名前」(倉阪鬼一郎)★★★ 読了。

8月25日(金)
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●9/4に行われる予定の仕事の打ち合わせ。この日のような愉快な状況にはならないと思うけれども……。張り切っていきましょー>赴く人々
●気分転換に古本屋。
『不完全な死体』(ラニー・ニーヴン/創元SF文庫・絶版?)100円
 購入。SFミステリのようである。これ、買ったは良いけれど面白いのかなあ(笑)。
●『古書店アゼリアの死体』読了。

8月26日(土)
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●予約していた本(予約してた本というのは、先に借りてる人が居る本の事ね)が届いたというので中央図書館に赴く。取り寄せを頼んでた本に関して全然音沙汰がないので聞いてみたら、本が行方不明だった故に購入を検討してるとの返事。それならそれで連絡しろよと言いたかったが、ぐっと我慢して取り寄せと予約が重なってる本についての問い合わせ。もやってみる。もう一冊の本は予約と他館取り寄せが重なることが多いので、これもまた購入を検討してるとのこと。9月中には入荷するとのことなのでとりあえず購入しないことにする。古本屋に美本帯付きであったら買うけれども。
 事情が事情なのでしょうがない面もあるが、せめて連絡ぐらいして欲しいと思うのはわががまであろうか?
 と言うわけで、9月10日までにレビュー(あるいはコピー)を用意できそうもない可能性がある短編が確実に一編或る事をここで明記しておきます>心当たりある方々
●古本市場で本を何冊か処分。ついでに棚を見て
『亜空間要塞』(半村良/角川文庫・絶版)95円
『亜空間要塞の逆襲』(半村良/角川文庫・絶版)95円
 の二冊を購入。フクさんの掲示板で話題になってる作品とその続編。とりあえず、山積みにしてるレビュー(学園祭用)をある程度片づけてからだね。久しぶりに漫画も購入
『ラヴクラフトの幻想怪奇館』(原作:ラヴクラフト、画:松本千秋、岡本蘭子/大陸書房・絶版)200円
 まあ、安い買い物でしょ。
●『ビヨンド ザ ビヨンド』読了。ノベライズ

8月27日(日)
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●某所に電話。めちゃめちゃ緊張する。過程で飛び道具使ってたもんだから……。電話するまで、すっかり忘れてて大汗。とりあえず、今度場所を探さないと……。この調子で行けば、上手くいきそうだな。うん。
●しかし、日中のこの暑さ、どーにかならんものか。
『エロティシズム12幻想』(津原泰水/エニックス)を読む。「インキュバス言語」(牧野修)「恋人」(有栖川有栖)「和服継承」(管浩江)「ドールハウスの情景」(我孫子武丸)読了。

8月28日(月)
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●明日の予定が変更になったので、今日大丸の大妖怪展に行こうと思ったら……河原町で招待券を忘れてたことに気がつく(笑)。しょーがないので漫画屋などを回り、先日無かったはずの本が並んでて唖然とする。他のところで注文したっちゅうねん。これは、KGBの陰謀か(無いって)。明日こそ行って来ます。というか、明日が最終日ではないか。
●某MLの課題、しきり直すことにする。今月中の完成は、無理だな(泣)

8月29日(火)
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九日間の不思議(仮)の新作、9月上旬にずれ込みそうです。
●ところで、私がミステリ読みであると共にホラー読みであると言うのはご存じの通り。悪食なのか、貧乏くさい性格故なのか、SFもたまに読む。
 ミステリに惹かれるのはトリックやロジックを好むからという簡単で、面白くもない答えを返すしかないのであるがホラーは何故か。無論、ホラーにも(厳密な意味ではないにせよ)ロジックはあるし、広い意味でのトリックもある。が、私がホラーに期待するのはそこではない(皆無とは言わないが)。何故私はホラーも好むのか、ここ二、三日不眠不休で考えてみた(嘘)。
 恐らく、私がホラーに惹かれるのはホラーが内包する「闇」の部分に呼応しているからであろう。ここでいう「闇」というのが具体的にどういうものなのかは説明できない。私が好んで読むホラー作家の中では、井上雅彦と小林泰三の二人が「闇」を感じさせてくれる作家である、と言えば解る人には解るであろうか。――それは、闇の祝福。牧野修の短編の一部(『忌まわしい匣』収録のいくつか)にも、恩田陸の『六番目の小夜子』にも「闇」の気配を感じる。陰性とも陽性ともつかないその「闇」は、私を魅了する。「闇」は陰性に決まってるじゃないか、という意見もあるだろうが、私は「闇」は陰陽両方有ると思うのだ。陽性の闇を感じるのは田中啓文のナスティな短編だったり、友成純一の鬼畜ポルノだったり。倉阪鬼一郎の作品は、短編に少し「闇」を感じる。この人は、「闇」と言う観点では難しい作家かも知れない(難しいって何だよ)。
 で、ミステリではどうかというと、実は、ミステリも「闇」を感じさせてくれる作品がままある。が、ホラーで感じる「闇」とは明らかに別のもの。こっちは人の中にある「闇」。誰でも心の中に「闇」を飼い慣らしていると思うが(と言うより、私の心には一切「闇」が無いという人の言葉は信用できない)、ミステリでは最後にその「闇」が現出する。その「闇」は、怨念であったり、情念であったり、恨みであったり。ミステリに於ける「闇」の描き方が上手かったのは横溝正史だったり、高木彬光の神津ものだったりすると思う。私のミステリ読みとしてのキャリアの出発点は横溝高木だが、「闇」に惹かれてタブ分があるのは否定できない。最近のミステリで「闇」の描き方が上手いと思うのは法月綸太郎の『頼子のために』だったり、貫井徳郎の『慟哭』だったりと挙がるが、それぐらいしか思い浮かばない。他にあるかも知れないが、読んでないのか失念しているのか。若竹七海の諸作の「悪意」は、「闇」とは微妙に違う気がする。あ、東野圭吾の『悪意』も「闇」と言う観点では秀作だったかもしれない。この「闇」を描くことが人間を描くことにも通じるのか。
 こうしてみると、私が期待する「闇」はミステリとホラーで違うが、私がホラーを読むようになったのは「闇」を求めてたからかも知れない。ミステリでは満たすことが出来ない「闇」を。SFをそんなに読まないのは、SFではあまり「闇」が無いからであろうと思う。実際、SF読みではないのでもしかしたらもの凄い「闇」(これは、両方の意味で)を描いた作品があるのかも知れないのであるが。
 と言うことを徒然に考えてみたりするが、如何なものだろうか。
●大丸であった大妖怪展に赴く。この際、大丸が見つからずに二、三十分右往左往してたのは秘密である。バラシテはいけません。
 やっぱりインパクトがあったのは人魚や龍のミイラ。カッパのミイラもあったが、こっちはどことなくこの人に似てるなあという本人にどかれそうなことを考えてたり。
 人魚のミイラって猿のミイラを加工したものが多いらしいが、実際問題どうなのかなあ。是非とも科学鑑定をして欲しい所なんだけれども。
 他にも、絵巻など貴重なものが多々あり、満足。会場の外にでたときに売ってるグッズの中に京極夏彦の著作があったのは或る意味笑えたんだけれども。

8月30日(水)
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●『ホワイトアウト』読了。これで映画に行けます。京都の映画の日って、第一火曜でしたよね?
●唐突ですが、問題です。江戸川乱歩、横溝正史、高木彬光、久生十蘭、都築道夫、北森鴻。この6人の中で仲間はずれは誰でしょう。理由もあわせてお答え下さい。正解者には何もでません(笑)。
 正解発表は明日のこの時間に。
『エロティシズム12幻想』(津原泰水/エニックス)を読む。「荒野の基督」(皆川ゆか)「サンルーム」(新津きよみ)「FLUSH(水洗装置)」(南智子)読了。

8月31日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0008.html#31
●戯れにリンクを辿っていくとこんなページ発見。なかなかぷりちーなページです。例えるなら、出来損ないの目玉おやじ(笑)。是非、お試しあれ。
昨日のクイズの答え。正解は江戸川乱歩。他の作家は捕物帖の著作があります。横溝正史=人形佐七捕物帖、高木彬光=千両文七捕物帳、久生十蘭=顎十郎捕物帖、都筑道=なめくじ長屋ものや新顎十郎捕物帖、北森鴻=幇間二人羽織(顎十郎捕物帖の贋作)
 なんと、乱歩は捕物帖を書いてないのです。なんか、「こんなもん解るかよ」って怒られそうだな(笑)。
『エロティシズム12幻想』(津原泰水/エニックス)を読む。非時ときじくかくの木の実」(竹本健治)「アルバトロス」(津原泰水)「翼人たち」(森奈津子)読了。


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