2001年7月

7月1日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#1
●名張で駐車場。暑い、暑すぎ(泣)。終了後会社により、部屋についたのは23時過ぎ。……つ、疲れた。
●『片想い』残り百ページを切る。夢中になったあまり電車を乗り過ごしそうになったのは黙っておこう。

7月2日(月)
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●『片想い』読了。直木賞取れるのでしょうか?
●《昭和ミステリ秘宝》の一冊『魔婦の足跡』を購入。帰宅後帯を見て気付いたのであるが、第二期四冊は官能路線なのね。売り方が上手くいけば、売れて続刊可能かも。だが、売れるのかなあ……。売れて変なのをもっともっと出して欲しいんだけれども(笑)。
●ビデオ屋で聞こえてきた会話。
「「ダンサー・イン・ザ・ダーク」結構好きやねん」
「どんな話なん?」
「ダンサーが出て来て、ダークなんよ」
 ……。そのままやんけ! と見知らぬ人につっこみたくなる衝動を抑えるのに必死だった(笑)。

7月3日(火)
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●暑い……。梅雨、もう明けたんかいな。うう……(暑さに弱いらしい)。
●本日の更新はここまで。しかし、もう7月かあ……。

7月4日(水)
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●暑すぎる毎日に既にゲル化する日常。想像しちゃいけませんよ(笑)←しねーよ。クーラーガンガンかけてるので電気代が怖い。
●二ヶ月も放ってあり、私自身もその存在自体を忘れていた「鬼束ちひろ『インソムニア』を巡って」を再開してみたり。今回は第四回。前回の分はここに。今回は前回の続き。
 出世作「月光」は汚れきった世界で如何に生きろと言うのかとうのを歌った歌だと思う、というのは前回書いた。もう一個思うのが、この詩に歌われてる人って何もかもしょいすぎな人のように思える、と言うこと。「I can't hang out this world(この世界を掲げることなど出来ない)」というフレーズから連想したのであるが。「この世界」がどこを指しているのか、汚れきった世界がどこを指しているのか解らないが、明らかに何もかも背負い込みすぎだよ、あんたと声をかけたくなってくる。
 と言う所で「月光」は終わり。次は『インソムニア』の中で結構気に入っている「イノセンス」に。次回がいつかはわからんけれどもさ(笑)。

7月5日(木)
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某ミス研のMLに流れた情報により11月学園祭のゲスト決定の旨を知る。超豪華ゲスト、かも。いや、かもじゃないよ、アヒルだよとか(寒)。正式な告知は某ミス研公式ページにていずれ。
●『推理文壇戦後史4』を受け取った後色々寄り道。所用をこなしたり。

7月6日(金)
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●『刑事くずれ/蝋のりんご』読了。秀作と思うが、今では傑作の領域には入らないと思う。続けて平行して読んでいた『月長石の魔犬』も読了。シリーズのプロローグと言う感じ。
●『推理文壇戦後史 全四巻』(山村正夫/双葉社)★★★★
 私が読んだ全四巻の内三冊は文庫本、四巻目は単行本ハードカバー。ハードカバー版を集めるか? なんて思ったり。と、話が横道にずれた。『推理文壇戦後史』では、タイトル通り戦後のミステリ史が作家単位で語られる。語られている作家は乱歩や横溝正史、高木彬光、木々高太郎などの大御所は言うまでもなく、大坪砂男や朝山蜻一などの今では忘れ去られているような気がする作家まで多数だ。時期的には笠井潔が言うところの、所謂《第二の波》から乱歩の死去までが三巻までが、第四巻は乱歩の死去から《第二.五波》の「幻影城」世代、横溝正史死去までが書かれている。
 この四冊は評論と言うより寧ろ作家の人となりやゴシップ的な話題を書いたものという色彩が強い。だが、戦後日本ミステリ史を語る上では外せない四冊だと言えると思う。無論、小説を語る上で作家の人となりは関係ないという考えもあるだろう。それは正論だと思う。だが、作家と人となりを知った上で読むとまた違った側面が現れることがあるというのもまた事実だ。
 多分、これから戦後ミステリを読むときは、『推理文壇戦後史』の内容が思い起こさせられるに違いない。そして、作者の顔が見えて、或る意味評価軸が揺らぐかも知れない。
 願わくは、誰かがこの『推理文壇戦後史』の後を継ぎ横溝正史死去以降の推理文壇史を書き継いでくれんことを。書くとしたら、島田荘司? もしくは綾辻行人との合作とかさ(笑)。
●「マルコヴィッチの穴」★★★★
 今、かなりしょーもない下品なネタを思いついたが書くのを止めておこう。何を思いついたか教えろ、と言う人の為に。ヒントは伏せ字。
 売れない人形師が就職した先は7 1/2階にあるオフィスのファイリング。仕事中に偶然妙な扉を見つける。その扉をくぐり、トンネルを抜けた先はジョン・マルコヴィッチの意識だった。
 しかし、まあ、よくもまあこんな事を思いついたもんだと感心してしまう。尊敬を込めてこの映画を作った監督や脚本家、そしてジョン・マルコヴィッチに言おう。あんたらおかしい(笑)。映像的な白眉は、マルコヴィッチがマルコヴィッチ自身の意識に潜り込むところだろう。どこもかしこもマルコヴィッチだらけ、言語もマルコヴィッチ(笑)。
 笑える一方でアイデンティティとは何かと言うことも問いかける。その辺はなんかうやむやになった気もしないではないが。あと、ミステリ的発想の元が転がっているところも嬉しい、かも。
 変な映画を観たい! と言う人にはお勧めな作品だろう。

7月7日(土)
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●ビデオと図書巻本返却のために丸太町通り迄外出。予想通り(?)河原町まで自転車をこぐ。本格ミステリ作家クラブ編のアンソロジーとくろけんさんの新刊購入。メフィスト賞は月末にでも。
●ビデオに撮ってた恩田陸原作「ネバーランド」を観る。とりあえず総評的なものは終わってから。言うまでもないが、映像化に原作通りを期待するのは愚の骨頂。それをさっ引いても「何か違う」という違和感が。原因ははっきりしていて、原作は時期が年末年始だったのに対し、今回のドラマ化では夏休みの出来事になっているのだ。この「翻案」が今後どのような展開を見せるのか楽しみである。現時点では「悪くはない」と言う所。裏の意味無しで。

7月8日(日)
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●京都府某所で警備。最近のガキはよくわからんと言う一例。
 施設内でわいわいと仲間同士でつるんでいるガキども。静かなら問題ないが、あまりにもうるさいので注意。「警備員さん、この女暴力ふるうんですよ」と私を巻き込もうとする(笑)。中にはなにをトチ狂ったのか「先生」とのたまう奴も(笑)。女の子が「警備員さん名前なんて言うの?」と聞くので「●●××だけれども」と言うと「××」と呼びかける。「××いうな!」。……。まったくもお。何というか。というか、これってよくわからないではなく、なめられてる?(泣)。そこで頷いた奴、歯を食いしばって一歩前へ。
●てな事があったのであるが、気にせずに『ペロー・ザ・キャット全仕事』読了。ノワール系の雰囲気漂うSF。猫派はとりあえずよんどけ。

7月9日(月)
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●『おもいでエマノン』読了。続編も近い内に。
●ちょいと前の、名張での出来事。出来事と言うよりは寧ろ、観察したことなんだけれども。駐車場の誘導警備をやってると、否応でもどんな人が車を運転しているか見える。女性の運転が多いこと多いこと。男性の運転手もいるが、パット見6:4で女性が多かった。女性単独、女性同士、母娘のパターンが主だったけれども、時折見かけるのが家族連れで旦那さん子守りで奥さんが運転と言う構図。多分、大多数は奥様の運転の指導に旦那さんがついてる、と言うものなのであろうが中には(以下略)。がんばれ、お父さんと密かにエールを送ってたのは言うまでもない。
●と、日誌だけならミステリ系サイトに見えないが、感想の方更新してます。だが、SFだった(笑)。本日の読了本もSFだし(笑)。アハハハハ。

7月10日(火)
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●『薔薇の家の殺人』(二階堂黎人原作、あさみさとる画)★★★☆
 『ユリ迷宮』から一編、『バラ迷宮』から三編漫画化。二階堂蘭子がかわいらしく見えるのがポイントか(笑)。
 蘭子ものの漫画化もまだまだ予定にあるらしいので、是非とも次巻には「ロシア館の謎」の漫画化作品も載せて欲しい。
 漫画化作品としては高水準なものだが、イマイチ作品の雰囲気が出てない。この辺、漫画化による翻案と割り切れば問題ないのであるが。
●明日は夕方会社に寄った後会食の予定故に更新はないかも。

7月11日(水)
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●梅田にて何人かと会食。橋詰さんの誕生会と言う名目だったらしい(らしい?)。
 待ち合わせ場所に待ち合わせ時間ジャストに到着。そこで先日注文してた本三冊を受け取るはずだったが、一冊は半日の差でダメだった旨を聞かされる(泣)。うう。全員揃ったところで場所を移動。当初はベトナム料理の店で食べるはずだったが満席だった故に違うところで。そこは思ったよりも良い店で(輪ゴムさえなければ(笑))、メインはカクテル類だったが、また機会があれば行きたいかもと思ったりもする。
●漸く映画版「バトル・ロワイアル」を借りることに成功する。

7月12日(木)
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●「バトル・ロワイアル」★★★★
 二十世紀末最大の問題作の映画化。
 思ったよりはしょり過ぎな所もなく(注文を付けてたらキリがない。なんせ、原作は凶器になりそうな厚さだし)、思った以上に良くできていた。ただ、R指定なところが少々引っかからないでもないが。
 個人的には原作の坂持は武田鉄也希望だったが(笑)。しかし、まあ、殺し合いしてるのに「元気にやってるか」とちゃかすところは北野武じゃないと無理かな。
 ラストシーンは原作と変わっているが、ラストシーンのイメージは原作に軍配が上がる。だが、映画は映画で良かった。
 DC版も早晩出るだろうけれども、気が向いたら、と言う所か。劇場で見ても良かったかも知れない。

7月13日(金)
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●トラブルメーカーと言う言葉がある。読んで字の如くトラブルを作り出す人のこと。私は、どうもトラブルメーカー(或いはトラブル)に好かれているらしい。トラブルがすり寄って来ること来ること。自分でこの性質のことを「トラブルメーカー召喚体質」と呼んでいる。以前「そうではなく、自分から飛び込んでいるだけでは?」と内心「歯を食いしばって一歩前に出やがれ!」と思うようなことを言われたことがある。言った奴の顔と名前は生涯忘れることはないであろう。まあ、それも1/4、いや、1/8(基準は聞かないように)ぐらいは当たってるんだけれどもさ(笑)。それはさておき、体質故にもう諦めの境地に入っていて、矢でも鉄砲でも何でも持って来やがれ、な心境。だからといって無闇にトラブルに遭遇するのだけは避けたい。幸い、トラブル感知機能には事欠かず(この機能が付いているのに気付いたのはここ二、三年だ)、トラブルの匂いを嗅ぎつけたら事前に逃げ道を作っておくか、それかトラブルの芽を先に摘んでおく(例え煙たがれようが)事にしている。
 と言うことを思っていたのであるが、vsヒットマン事件簿とか恐怖の体験(この人、過去に元婚約者に嵌められた経験あり)とか読んでると「まだまだ自分は幸福やな」と思ったりもする。多分、私が遭遇したものは、この人らが遭遇したものに比べればまだまだましな方だと思う。その辺の感覚は相対的なもので一概には言えないかもしれんが。
 と、何でこんな事を書いたかというと、深い意味はない(笑)。一週間前ぐらいに書こうかな、と思ってたんだが。
●今月の講談社文庫は豪華。恩田陸の『三月は深き紅の淵を』(未読ならば是非)、市川さん解説の二階堂黎人『人狼城の恐怖 第二部フランス編』、小野不由美十二国記の短編集、山口雅也『ミステリー倶楽部へ行こう』文庫増補改訂版など。そして真打ち(?)は有栖川有栖「ハードロックラバーズ・オンリー」が収録された!『自選ショート・ミステリー』だ。「ハードロックラバーズ・オンリー」は有栖川短編のみならず、短編小説という広い枠組みの中でかなり気に入ってる作品。江神ものの短編集にしか入らないだろうとずっと思ってた故に感慨もひとしお。未読ならば是非これだけでも立ち読みを。

7月14日(土)
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●「二階堂黎人VS新本格推理作家 おおいにマンガを語る」(メディアファクトリー)★★★
 《第三の波》をマンガによる世代論で切ってみようと言う試み。対談本である。
 マンガによるミステリ作家論という着眼点は良いが、対談という形式も災いしているのであろうか、論点が少々ぼやけているのが残念。恐らく対談内容を全部収録してないからであろう。
 各対談面白く読んだが、これをSFもしくはホラー作家でやったらどうなるかと言うのが目下の興味の行き所かも知れない。
●某所の新連載用の資料として上記の本を読んだが、マンガと《第三の波》の関連性は(多分)世代論だけではないと思う。その辺についてはまたいずれ。

7月15日(日)
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●『本格ミステリ01』読了。
●色々と疲れていたのか、いつも通り一旦目を覚ました後昼過ぎまで熟睡。寝過ぎ。体中痛い(泣)。
「たろたま」と言うサイトを発見。こーゆー人、好きです。気っ風がいいというか、何というか。近年まれにみる珍しい人だな……と一瞬思ったが、知ってる人何人か混ぜてシャッフルしたらこの人やなあ。誰と誰とかは口が裂けてもいえんが。
●食料の買い出し。よく腹が空いているときに食料の買い物に行くな、と言われるが腹がふくれてるときも同様と思う。お陰で何も買う気が起きず、難儀した。二、三日分の食料を買い込む予定が明日の昼の分までしか買わず。
●なんか、ミステリ系のサイトに見えないので(笑)(ここまでの記述で唯一なのが『本格ミステリ01』読了というのもなんとも)、ミステリの話題も少々。以前古典についての文章に対する反応を書いたが((1)(2)(3)(4))、この古典という言葉は今後変わっていくであろう。「古典」と言うものが指し示すものが、だが。
 と書いたところで続く.....か?

7月16日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#16
●『サイト』読了。倉阪鬼一郎の本領発揮と言うところか。
●現時点のトップページのアクセス数が9万7千ちょい。今のペースだとお盆かその前あたりに10万アクセス突破しそうですな。記念企画は、さすがにせねばならんだろうが、全く案無し(笑)。8月下旬にオフしますか。第二回「嵐の館」オフでも。日程に関しては、4周年記念も兼ねて9月8日にすると言うのも良いかも。さて、どうなるかは神のみぞ知る(をい)。
●誕生日会は月一回ですか。では、私の分は来月に繰り越しでも可(笑)>私信
 ちなみに、ここを読んでる方はご存じでしょうけれども、今月の26日が私の誕生日。「だから?」って言うな(半泣き)

7月17日(火)
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●嘘のようなホントの話シリーズ(シリーズ?)。この間のなめたガキの続きというか、書き漏れ。
 いらん事言ってしばかれてたのが居たが、問題はしばいてた方。鞄をおもむろに開け、中からとりだしたのは……スリッパ(……)。それでしばいてた(笑)。時折「つっこみ専用にハリセンかスリッパ欲しいよな」と冗談で言うことはあるけれども、常備して使うのが居るとは(笑)。
●相変わらず「ここってミステリ系のサイトだったよね?」とつっこまれそうな日誌やな。

7月18日(水)
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●昨晩は『硝子細工のマトリョーシカ』読了。良くできたパズラー。本格ファンなら読んどけ。日付変わって『怪奇探偵小説傑作選4 城昌幸集 みすてりぃ』ようやく読了。ショートショートの先駆者としてもう少し読まれても良いと思う。
●たまにはミステリ関係の話題を。季刊島田荘司のバックナンバーを読んでたら日本ミステリー大賞授賞式風景が。記事自体は面白く、写真もある。問題はその写真。二枚目の写真には内田康夫、北方謙三、大沢有昌、赤川次郎が写っている。小さいとよくわからないのだが、クリックしてでかい写真を出してみると「あ、赤川次郎の腹が!」とか、「内田康夫、薄!」とかよくわかる。北方謙三は……。見てのお楽しみ。やばいよ、これ(笑)。……というか、これってミステリネタか?
●ネタがないので、上半期に読んだ本の中で印象に残った5冊を挙げてみる。
『ゴールデン・フリース』(ソウヤー)
『マスグレイヴの館の島』(柄刀一)
『氷柱/おやじに捧げる葬送曲』(多岐川恭)
『怪奇探偵小説傑作選1 岡本綺堂集 青蛙堂奇談』(日下三蔵編)
『ミステリ・オペラ』(山田正紀)
 挙げたのは読了順。しかし、今年の新作が『ミステリ・オペラ』だけと言うのも何とも。上半期ベスト、と言うわけではないが、なんか今年は上半期で読んだ分では、新作に関しては不作っぽい。無論、挙げなかったのでも『冥都七事件』とか『スティームタイガーの死走』、『未完成』や『三人のゴーストハンター』など2001年上半期の収穫と言うべきのはあるのだが……。なんなんでしょ。
 簡単にコメントを付しておくと、『ゴールデン・フリース』はミステリ読み必読の倒叙SF。『マスグレイヴの館の島』は昨年の読み残しであるが、ミステリ的な大仕掛けが凄い。『氷柱/おやじに捧げる葬送曲』は多岐川恭長編の中では(多分)最強のカップリング。『青蛙堂奇談』は綺堂初体験だったが、その巧さに感動した。ホラーとはなんぞや? と考える人必読。そうでなくてもよんどけ。『ミステリ・オペラ』は、もしかしたら《第三の波》を終演に導くブラックホールの如きアンチ・ミステリなのか? 探偵小説という形式でしか語り得ない物語は印象に残る。『ミステリ・オペラ』は数々の評者の言葉を引くまでもなく、山田正紀ミステリの一つの到達点。
●おお、なんかミステリ系サイトらしいぞ(笑)。

7月19日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#19
●『悪魔が来りて笛を吹く』マンガ版購入。影丸穣也の金田一って、やっぱ変。感想は明日以降。
●今日はネタ無し。

7月20日(金)
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●本日で日誌二周年目。月日が経つのも早いものですねえ。
●『悪魔が来りて笛を吹く』(原作:横溝正史、画:影丸穣也)★★★☆
 感想は明日以降。

7月21日(土)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#21
●夜。コンビニに買い物に行って帰宅し、「向かいの人、結構新聞溜まってるけれども(一週間分ぐらい)すでに死んでて異臭が漂ってきたら嫌だなあ」と思いつつ部屋にはいると電話が。「××○△□です」という怪しげな会社のオペレーターのお姉さま。いつもならば適当に遊んで差し上げて、向こうに「いけそうだな」と思わせたあげく「結構です」と地獄へ突き落とすようなことをするのを旨としてるが(鬼)、今日は「こちらの者から何か説明が……」と言った時点で「何も聞いてないし、結構です」と言って切る。切った後で「あ、もうしばらく遊んだればよかった(笑)」と思ったのであるが。
 ……。ごめんなさい、オチはないです。
●暑さでゲル化促進中。もういい加減にしてくれよ、と逆切れしたり(誰にだよ)。
「たろたま」好評の様子。調子に乗って(?)もう一個紹介。「POPI」と言うページ。ごくたまに女性に幻想を持ってる男性が存在するが、このページを見ると幻想クラッシュ請け合い。というか、「たろたま」の時点でそーだろ、というつっこみもあろうが。
●というわけで、ミステリ系サイトじゃなくなってきてます。誰か止めてくれ。

7月22日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#22
●『悪魔が来りて笛を吹く』(原作:横溝正史、画:影丸穣也)★★★☆
 影丸穣也による横溝作品漫画化作品の文庫化第二弾。第一弾(?)は『八墓村』であるが、品切れなのか? 閑話休題。
 横溝作品の漫画化と言えばJETが一番有名だが、影丸穣也による横溝作品の漫画化作品は金田一耕助がチョット……。いや、或る意味作者の意図通りなんだけれども、なんか、あまりにも野暮ったすぎるというか……。金田一耕助はJETと影丸穣也の中間ぐらいがが一番良いかも。そして、影丸穣也の金田一作品の最大の弱点は雰囲気。原作の雰囲気があまりでていない。そう言う意味ではJETの方が良い。って、影丸穣也の漫画化作品けなしてるやん(笑)。これは原作が良いだけに、結構残念。
 結果としてはあまり薦められない、かな?

7月23日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#23
●『ΑΩ』読了。誰の言葉か忘れたが、「ウルトラマンミーツ電波」と言う比喩は巧いと思った。小林泰三の代表作の一つと言っても良いかも。2002年版の「このSFが読みたい」では上位間違いなし。
●作品の評価軸に関して少々考えてみたが、その話は明日以降に。

7月24日(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#24
●今月の電気代みて目の玉飛び出そうに。予想以上に高く、撃沈アルヨ(誰だ、お前)。髪が伸びてきたので散髪にいき、更に散財。
●と言うわけで、評価軸の話。
 本を読んでる人って意識するにせよ意識しないにせよ本を「評価」しているであろう。それは+評価か−評価かはその本によるんだろうけれども。『少女の空間』に収録されている「対談 山田正紀×西澤保彦」の一節を読んで考えたこと。余談だが、「山田正紀×西澤保彦」と書いた所で別の解釈が浮かんだ私はかなり脳みそとろけてます(笑)。
「人間が描けてない」というステレオタイプの、今ではギャグにしかなり得ないような批評が本格ミステリに為されていた時代があった。司会の大森望が西澤山田両氏に「いつからされなくなったか?」と言う趣旨の質問をし、それに対して山田正紀は

 すごく語弊があるけれど、「なんだ、この小説は」と思うときに、どうしてだめなのかを自分で検証して、こうだからこうだと理論づけるのが苦手な人がいるわけ。そうすると、「文章が下手」とか「人間が描けてない」と言うのが一番直観的にわかりやすい。その意味じゃ、そう言う批評は批評の機能を自ら捨ててる気がしますね。
 と応えている。これは結構興味深いどころか、色々と考えさせられる。続きは明日以降。

7月25日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#25
●『石ノ目』読了。本書を読んで思ったが、乙一は奇譚作家と言うべきなのかも知れない。
●昨日の続き。評価軸に関して。山田正紀の言葉の引用に「小説が下手」と言うのも付け加えたいと思う。さらに、「そう言う批評は批評の機能を自ら捨ててる気がしますね」と言う言葉には、批評家はともかく、一般読者に関しては自分はモノを見る眼がない、アホですよんと宣言してるものじゃないのか? というのも。いや、しょっちゅう言ってる人は、だが。たまにいます。毎度毎度そーゆーこと言う人。どこまでが一般読者で、どこまでが一般読者か、と言う線引きはさておき。
 私の場合、大体楽しんで読みます。どっか面白いところ探そう、面白いはずだと思って。そして、ここの文章を書くときは、例え面白くなくても(そういう事はほとんどないけれども)、「文章が下手」とか「人間が描けてない」、「小説が下手」と言う言葉は使わないようにしている。まあ、雑談レベルではごくたまに使うときはあるけれども。そして、けなし文でも文章を読んだ未読の人が該当の本を読む気をなくすような事にならないように注意している。たまにいます。未読の人の興を削ぐようなけなし文を書く人。
 というわけで、まだもう少し続きます。

7月26日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#26
●『赤死病の館の殺人』読了。
●一日中眠くて寝てばっかりだった気がする。懐かしの人に再会する夢を見て「元気にしてるかなあ」と思うことしばし。……こんな誕生日、イヤかも(泣)。なお、プレゼントは24時間365日受付中(笑)。
●と言うわけで、疲れ気味なので評価軸に関しての話は本日お休み。

7月27日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#27
●ちくま文庫の《怪奇探偵小説傑作選》や扶桑社文庫の《昭和ミステリ秘宝》、出版芸術社の《名探偵登場》や『悪霊の群』、山田風太郎未収録傑作選、光文社文庫の《山田風太郎ミステリー傑作選》等々「もう、何が復刊されても驚くことはねえ。と言うより、並大抵のことで驚いてる場合じゃねえよなあ」と思ってたが……。いやあ、ねえ。「小林文庫の新ゲストブック」への日下三蔵さんの書き込みを見て思わずあっと驚くタメ五郎。素でびびった。河出文庫で本格ミステリコレクションが出るらしいが、このラインナップがまあ。9月刊行開始で、毎月配本。9月に飛鳥高、10月に岡田鯱彦、11月に楠田匡介、12月に鮎川哲也、来年1月に島久平、2月に鷲尾三郎という布陣。いやはや。ホント飛んでもない時代ですね。個人的には鮎川哲也は天城一にして欲しかったところ(「別冊シャレード」の天城一特集最新刊と被ったため差し替えたらしい。ということは、天城一は何と差し替えたのか?)。

7月28日(土)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#28
●今日は(も?)特にネタ無し。評価軸に関しては明日以降に。っつーか、しんどい。
●先日「Mystery Laboratory」内の「書評データベース」にこの「嵐の館」の加わりました。よろしゅう。というか、蒼々たる顔触れの中に入っててもええんかいな、と思ったりするが。
●そういえば、「UNCHARTED SPACE」「多岐川恭著作リスト」が。創元の選集の最終配本『落ちる』でリストがなかったのが非常に不満だったので「いっそ作るか?」とも思ってたが……。いやはや、ここまで出来なかったから大助かりというか、脱帽です。しかし、こんなにあるのね。多岐川恭の著作って。全作品読破にはまだまだ道のりが遠い……っつーか、遠すぎ。ライフワークになるかも。

7月29日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#29
●『ネコノメノヨウニ…』読了。「神を飼う村」が収録されなかったのは悲しい。読みたかったのに(泣)。
●っつー訳で、評価軸の話。
 未読の人が読む気をなくすようなけなし批評ってネタばれに匹敵する悪批評だと思う。面白いけなし批評というか、良いけなし批評(矛盾?)は未読の人が読む気になるの。ま、それはけなし批評に限らないと思うけれども。だが、けなし批評を書こうという人は是非ともそこに留意して欲しいものだ。出来ないなら書くな、みたいな。というのは前回の続き。
 作品を評価する上で、大事なのは評価の物差しだと思う。きちんと区分した上で評価できるか、というのが重要と思う。それがきちんとできる人の批評は読んでて面白い。といいうより、批評する上での基本だと思うけれども。例えば、ミステリを普通の小説として評価する批評。いや、ミステリも小説の一ジャンルであるからにはその批評の仕方が100%間違いだとは思わないが、ミステリにはミステリに見合った批評の仕方があるわけで。それこそ「人間が描けて」なくても「謎」や「ロジック」が描けてればいい、見たいな。これは極端な話だが、紋切り型の批評(人間が描けてない云々)がまかり通らなくなって久しく(というか、リアルタイムでその手の批評というか中傷は「このミス」での某G原以外見たことないかも。笠井潔が怒った座談会は無知な親父のちゃぶ台返しにしか見えなかったし。ちゃぶ台返しではなく返し損なって怪我したみたいな?)、今ではある程度(商業誌では)きちんとしたものが読める。
 と、少々話がずれてきているので軌道修正する。つまり、作品の評価の基本にあるのはその人がきちんとした物差しで作品評価を行えるか否かということだ、ということ。純文学の物差しでミステリを測っても(100%間違いではない場合もあるけれども)きちんと評価できないし、逆にミステリの物差しでSFやホラーを測っても同様。
 と言うわけで、もう少し続く。と言うより、着地点がどこだったか忘れてるんですけれども←バカ

7月30日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#30
●評価軸の話は本日はお休み。明日完結の予定(多分)。
『妖異金瓶梅』を読まれたようですが、これに匹敵するものと言えば、ミステリ的な意味では確実に『明治断頭台』だと思います>樋口さん というか、これを読むともう並大抵の事では驚けなくなるので或る意味オススメできませんが(大げさすぎ)。今なら光文社文庫の《山田風太郎ミステリー傑作選》が無難にオススメかも。多分この叢書にはいるだろうけれども、『青春探偵団』もオススメ。あとは、光文社文庫の『山田風太郎ミステリー傑作選@ 眼中の悪魔』は超絶オススメ、と言う所です。傑作短編「眼中の悪魔」、「虚像淫楽」、「厨子家の悪霊」が読める上に怪作『誰にも出来る殺人』も収録。というより、この《山田風太郎ミステリー傑作選》叢書は全冊オススメかも(全部出てないけれども)。山田風太郎ミステリ最高傑作とも言われる『太陽黒点』は巧いとは思うけれども、今の見地から見ると秀作レベル。しかし、これらの傑作をこれからサラで読めるとは羨ましい。

7月31日(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0107.html#31
●山田風太郎逝去。昨日山田風太郎の話題が出たのは或る意味運命か。山田風太郎の小説はいろんな意味で示唆や暗示に富み、いろんな意味で重要なものばかりでした。そういうしちめんどくさい事を考えなくても無条件に楽しめる、そういう貴重な小説の書き手。まだ未読の山風作品が沢山有る身はまだまだ幸せなのであろう。もう二度と新作を読むことは出来ないのであるから。
 これで戦後のミステリ界を知る人間の数がもう片手で数えるぐらいにしか居なくなったような感じである。だからなんだ、というつっこみもあるであろうが、何となく寂しいのもまた事実。
 と、下世話な所に走ると既刊分はさっさと買っておかないと、死んだ作家に冷たい出版社はすぐ品切れ絶版になるしなあ。本格的に未購入山風作品の収集に走らないと。特にちくまや廣済堂あたり。
●っつーわけで、評価軸に関してはもう二、三日延びます。


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