2001年8月

8月1日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#1
7月31日山田風太郎逝去の話題は主なミステリ系サイトでちらほらと。改めて巨星落ちし事に思いを馳せる。
●所用で大阪某所→某ミス研の飲みの予定だったが先方の都合により大阪某所行きは流れる。個人的にはかなり助かったのであるが。いろんな意味で。飲みは特に変わったことは無し。暴れるのも居なかったし。

8月2日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#2
●ひがなのんびりした一日。久々に桂の古本市場などに寄るが、収穫ナッシング。
●と言うわけで、評価軸の話、第四回。
 着地点を見失いつつ(笑)、話を続ける。結局重要なのはきちんと物差しを使い分けることが出来るか否かと言うことだと思う。これが出来てない批評は話にならない。無論、中にはその作品が属するであろうジャンルの物差し以外で作品を測ると面白いことになる、と言うことはある。だが、それは反則技的なアクロバットである故に力量がないと失敗して目も当てられない。それが成功した例は、瀬戸川猛資の『夜明けの睡魔』で為されたホーガンの『星を継ぐもの』の評であろう。ハードSFをミステリとして論じ、うちの子にしてしまったその「奇想」には脱帽。
 私が批評文に求めるもの、というのは
・未読のものであれば読みたくなるもの。
・「奇想」
・取り上げられている作品を読んでるのであれば目から鱗が落ちる解釈があること。
・評者の独自の視点(=感想)
 の内の二つ以上。
 と偉ぶったところで続く。

8月3日(金)
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●『落ちる』読了。多岐川恭作品は長編の方が好みなのかも知れない。『魔婦の足跡』も読了。SFなのかサスペンスなのか。訳わからなさが良いかも。
●まだまだ続く、評価軸について、第五回。相変わらず着地点が見えないまま(笑)
 前回私が批評文に求めるポイントを列挙してみたが、翻って「お前はどうなんだ」とディスプレイの前でつっこんだ方も何名か居るだろう。それは置いておく(笑)。
 多分京極夏彦の言葉だったと思うが、優れた評論というのは小説同様スリリングであるというものがあった。これは名言で、実際優れた評論(≒批評)は読んでいてスリリングであり、逆にダメなものはとことんダメであって。と、少々論点がずれたので修正する。
 昨日挙げたポイントは優れた批評の条件ではなく、あくまで私が求めるポイントであり、絶対条件ではない。だが、確実に、自信をもって優れた批評の条件というのはあって最後の「評者独自の視点(=感想)があること」というのは、これがないと話にならない。尤も、この評者独自の視点がないものはすでに批評として機能しておらず、批評とは言えないのであるが。この代表例は郷原宏の一部の解説。前振り、作品の粗筋で終わっていて批評もクソもない。まあ、解説と一口に言っても作品論や解説者のエッセイと多種多様で一概にこの郷原宏の解説が悪いと言えないかも知れないが、少なくとも私はダメだと思う。
 というわけで、まだまだ続く。次回はもう二、三日後。

8月4日(土)
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●「ルパン3世 アルカトラズコネクション」★★★☆
 毎年恒例の真夏のルパン。今年は難攻不落の要塞アルカトラズ島を軸にマフィアと渡り合う。
 アクションは前回より面白かったけれども、やっぱなにかもの足らない。マフィア団の大ボスの意外な正体も予想の範疇だったし。私がすれてるだけなのか。
 とりあえず、来年も期待。
●『上と外(1)』、『上と外(2)』、『上と外(3)』、『上と外(4)』読了。残り二冊。
某ミス研OB、アレクセイさん、或るミス研の人と私四人で古本屋巡り。当初は徳島まで行く予定だったが、諸事情で大阪の古本屋に変更。それが幸いした。
 二、三件回った後ラーメンを食べて(結構旨かった)守口市迄行こうとしたとき、エンスト(車を押すという事を初体験。これはこれで貴重)。二、三度繰り返すのでガソリンスタンドに入り、某社の修理工場へ。結果、修理せねばならなくなり、守口市行きは中止。とりあえず梅田まで歩ける距離だったので(根性で?)古本屋を何軒か回る。新刊で駆ってなかったものを何冊か買い込んだが、めずらしめなのは
『探偵小説40年4』(江戸川乱歩推理文庫・絶版)240円
 あたり。
 途中アレクセイさんと別れ、残り三人で喫茶店により帰る。私は梅田古書倶楽部に寄るが、特に収穫なし。目の保養になったぐらいか。しかし、初めて入ったときの衝撃が薄れてしまってるのは何とも。

8月5日(日)
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●「悪魔が棲む家 2001」★☆
 多分、以前にも「悪魔が棲む家」という映画は作られたのであろう。(確か←数は忘れた)14人もの美少女が惨殺されるというホラー映画。スプラッタっぽかったので借りてみた。三つのエピソードに分かれているが、各話に繋がりは無し。水泳部の合宿の夜に部員が次々と殺される「Episode1」は正統派惨殺もの。だが、スプラッタと言うにはほど遠く、しかも、各殺しもイマイチ。しかも、携帯の電波は通じるのに警察呼ばないのは何故か。「Episode2」は女子校の寮、クリスマスに起こる殺人劇。舌を抜くという猟奇性は買う。だが、逃げまどう被害者が寮の住民のはずなのに袋小路に迷い込んだり屋上に逃げたり、外に出られないのは謎。というより寧ろ脚本がいい加減では? と思う。「Episode3」は夏休みの旅行で遊びに行ったメンバーの祖母の家での悲劇。「Episode1」同様、携帯通じるんだから警察呼べよ、とつっこみが。せっかくの大ネタが生きてない。
 こんなええかんげんなもの作るからホラー映画がバカにされるんだよなあ、と憤ってみたり。ただ、先にも述べたが、「2001」とサブタイトルが付いてるところを見ると正編があるはず(?)。借りることが出来たら、そっちは見てみようかと……。思う。多分。
●『上と外(5)』、『上と外(6)』読了。(6)の終幕は思わず(べたな展開で予想の範疇だったが)泣いてしまった。しかも、マクドで(笑)。近くには夏休みの中坊と思われる軍団も。怪しい男と思われたかも(爆)。
 しかし、この<グリーン・マイル形式>は結構いろんな可能性を秘めていると思う。例えば、犯人当ての公募をするとかさ。雑誌連載でやるよりも読者がついて盛り上がると思うんだけれども。あと、リレー小説ね。

8月6日(月)
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●『ワンダーランドin大青山』読了。ユーモアファンタジーでしょ、これ。
●所用で外出したついでにコミックショックを二、三件回る。結果
『過去からの狙撃者』(鷲尾三郎/カッパノベルス・絶版)100円
『男は寒い夢を見る』(多岐川恭/光文社文庫・絶版)200円
 入手。鷲尾三郎が珍しめ。多岐川恭収集一歩前進。
●本格ものが異様に恋しくなったので関ミス連で大枚はたいた『私のすべては一人の男』に手をつける。評価が両極端なので楽しみなのであるが、今では人体改変テーマは既にSFとして機能してない……。その辺は読了後に。

8月7日(火)
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●所用で京都駅まで。用を済ました後にアバンティのブックセンターに寄るとコミックショック主催の古本市が。ちらちら見てると某古本屋夫妻に遭遇。
●評価軸の話、再開。6回目か。
 ところで、作家評価というものがあると思う。この作家はお気に入りだ、この作家は気にくわんとか。この作家評価というのは或る意味食わせ物と思う。何故なら、その作家の作品を全部読んでの発言か否かという問題があるのだ。例えば、作家のキャリアが長いと著作の量が膨大になり、ちょっとやそっとでは読みこなしきれないということもあるであろう。こういう作家が好きか嫌いかというのはどの程度読んでおけば言えるのか、という問題になる。
 好きだ、というのは一冊読んで気に入れば言える、という人もいるだろうし、二、三冊という人も居るであろう。これはあまり問題にはならないと思う。問題は嫌いだ、ダメだという場合。全部読まなければそう言う判断を下してはいけない、という人も居るであろう。どっちかというと、私の場合「は全部読まなければ……」という立場に近い。近い、というのは著作が10〜20冊ぐらいならば全部読まなければ判断してはいけないというから。それを越えたら代表作全部読みきってから、という所。短編一編読んで判断するなんてもってのほか。読んでないのに判断するのは論外として。無論、言うまでもなく作品評価は一冊読んだだけでもOK、というか言うまでもないわな。
 というわけで、続く。

8月8日(水)
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●昨夜の更新後『私のすべては一人の男』読了。可もなく不可もなく。
●本日10万アクセス突破。皆様、日頃のご愛顧誠にありがとうございます。
 10万アクセス記念企画は考えてはありますが(というかバレバレ?)、詳しくは来週の土曜以降ということで。しかし、またキリ番報告無かったなあ……。ま、いいけれども。

8月9日(木)
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●つーわけで、評価軸について第7回。そろそろ終わらせたいかも(笑)。
 結局今まで並べてきたことは「当たり前」の事だけなんだよね(苦笑)。なんだかんだえらそーに書いてきたけれども。でも、何度も繰り返してるがこの「当たり前」な事に留意してない「もの」がいくつあることか。「読書人」を気取るつもりはなくても、周りはそう思わないことに気付いてない人も居ないではない。それは致し方ないことかも知れないけれども。結局の所、周りの評価と自己評価が完全に一致するのはまれなのであるから。
 この「評価軸について」の文章を書いてる最中いくつか「俺のことか?」という問い合わせがあったが、最初の方で書いたとおり一般的なことであり、特定の個人を想定して書いたものではない。書き終えて、或いは聞かれて思い浮かんだのは秘密だが(笑)。もし特定の個人を想定してたら具体例出すし。結局の所、「評価軸について」の文章は自分の中での整理つけ、という意味合いが強いと思う。尤も、結構自分のこと棚に上げまくりな気がするところがちらほらあるけどさ(笑)。つっついてはいけません。しかも、論が二転三転どころかぶれまくってるしよ(苦笑)。
 と、結局着地しなく、しかもあやふやなままになったがここで評価軸の話は一旦終了。再開未定。
●『天帝妖弧』読了。やっぱ乙一は奇譚作家といった方がしっくりくると思う。
●朝起きて枕を干して外出してたら大雨。そのときコンビニにいたのであるが、土砂降りを目の前にして
(TT)
↑こんな顔してたと思う。ちきしょう。日頃の行いが(以下略)。
●明日より一週間実家に帰省するので更新はないです。多分。無いとも言いきれないけれども。メールはチェックできませんが、掲示板はチェックしてる……はず。

8月10日(金)〜8月17日(金)
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8月10日(金)
●帰省。新幹線→特急というルートで。
●『吸血の家』再読完了。
8月11日(土)
●古本屋で
『みれんな刑事』(多岐川恭/報知新聞社・絶版)100円
『ふところの牝』(多岐川恭/光文社文庫・絶版)100円
 購入。『みれんな刑事』がうれしい。
8月12日(日)
●『完本 妖星伝』があまりにも長い、合わない、他に読む本があるの三重苦(?)なので続きは次回帰省時に読むことにする。他にもっと長いの平気で読んでるだろう、というつっこみは却下。もしかしたら、半村良の作品も波長が合わないのかもしれない。代わりに『リミット』を読み始めるが、細かい、本筋とは関係ないところでつっこみを入れてたりする自分が……。
●というわけで、『リミット』読了。ドラマ化されてたと思うが、ビデオ化されてたっけ?
8月13日(月)
●『牡羊座の凶運』読了。シンジケート、精神病院、ホモ社会。T・コウ名義は或る種の異世界での事件を扱っているが、毎回巧いなと感じたりもする。
8月14日(火)
●『断鎖《Escape》』読了。壮大なる大河小説のプロローグという感じ。
8月15日(水)
●『戻り川心中』の再読完了。何度読んでもいいわ、これ。
●親戚が来訪。子供連れだったが、その子供が元気だ事……。元気すぎ(泣)。
8月16日(木)
●『人狼城の恐怖 第1部ドイツ編』再読完了。続いて第二部へ。
8月17日(金)
●京都へ戻る。
●『人狼城の恐怖 第2部フランス編』、『人狼城の恐怖 第3部探偵編』読了。
●上記の記述を見ていただければ解るように、特に変わったこともなく、簡単な読書メモがほとんど。
●というわけで、更新再開。帰省中に見た某所の掲示板の記述は大爆笑もの。こういうのだと、庇い甲斐がないよなあ、アホやなあと思ったり。だからといって今更何をするつもりは当面無いけれども(当面?)。しかし、世の中には相手にダメージを与えたと勘違いしてほくそ笑んでるアホが居る、ということで。というか、来ないなら異様に嬉しい。この辺、解る人だけ解ってください。

8月18日(土)
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●某畸人郷例会。大阪へ赴く前に古本屋に何軒か寄る。資料一冊以外はこれと言った収穫無し。
 集まり状況といえば、少なし。SFは現時点でSFとして、一部であるが、テクノロジーの発展により機能してない気がする、と言った話やオフレコの話や。二次会では久々の人に積年の疑問(大げさ)をぶつけたり、書いてる長編の設定の話をすると妙に期待されたり(正直面食らったりして)、某作品の評価についたり。久々に遅くまで話し込んだりする。
●行き帰りで『鬼の探偵小説』読了。妖怪とミステリが一編を除き融合しきってない気もする。

8月19日(日)
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●『人狼城の恐怖 第4部完結編』再読完了。そのうち「館ミステリ試論」の続き書くかも。
●所用で某所に赴く。色々思い出したりして。多分、これでもう大丈夫なんだろうと思う。何かと思うことがあるが、差し障りがあるので割愛。近い内に何軒か電話をかけなければならないだろう。愚痴なんか聞いてくれたお礼いわなあかんしな。
●と、感傷的になっているので本日の更新はここまでとする。

8月20日(月)
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●最近よく夢を見るが、内容をあまり覚えてなかったりする。最近は夢で大声出していて、しかも、現実でも大声出してたようで自分の声で目を覚ましたり(笑)。
●ネタもないので、何かネタを考えてたりするが、纏まらない……。

8月21日(火)
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●『[完本]黒衣伝説』読了。小説なのかあんちょこなのか何とも言えない構成だが、久しぶりに怖いものを読んだ気がする。いろんな意味で。(作中の)現実と虚構の境界があやふやになっていくところがミソか。『暗い宿』も読了。こんなもんでしょう。
●台風ですねえ。皆様お気をつけて。
 高校生の時まで九州の片田舎にいたのであるが、九州は台風がよく来る。よく来るものの沖縄や鹿児島見たいに死ぬほど来るわけではなかったけれども本州よりは遭遇率は高い。……と、何が言いたいのかな(笑)。とにかく久しぶりの台風、ということで。しかし、NHKってなんでこう無駄に台風関連ばっかやるかなあ。いや、全く無駄とは言わないけれども、なんか、台風関連長い割には有益な情報少なかったし。これは先日の明石での事故の時もそうだった気がするが。

8月22日(水)
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●『ドミノ』読了。一気読み。タイトル通りのドミノ小説(?)。
●台風などのせいで仕事がない故に読書が進む。先日図書館より借りてきた本をチマチマと読んでいるのであるが、この本、昨年出た本にも関わらず7、8年前の、しかも人気がある本のように汚い。私の前に借りた人のマナーが悪いから、なのだが。ページが折れてるところはしょうがないとしても、食べ物のカスで汚れてるのはどうか(しかも、ところどころ)、とか、赤ペンでチェックしてるのはどうよ、とか。尤も、借りた人の子供の悪戯という可能性も捨てきれないけれども。もう少し気持ちよく読みたいところ。
★今日のオススメ「ハードロック・ラバーズ・オンリー」(有栖川有栖)
 久しぶりの「今日のオススメ」。今回取り上げるのは有栖川有栖の掌編「ハードロック・ラバーズ・オンリー」だ。この掌編は結構思い出深いものがあり、この掌編一編のために掲載紙を買おうと思ったほどだ。尤も、掲載紙を立ち読みしたときには金が無く、金が出来たときには次の号が出てた。それ故、この掌編を再び読むのは江神ものの短編集が出たときであろうと思っていた(この「ハードロック・ラバーズ・オンリー」は江神ものの一編)。講談社文庫の日本推理作家協会編『自選ショート・ミステリー』に収録されるとは。
 有栖川有栖が街角で再会した女性。声をかけたが去られてしまう。それは何故か。有栖川有栖とその女性が出会った場所がキーとなる。
 この掌編は或る意味オススメの言葉は不要。ただ黙って読め、というだけで良いかも。

8月23日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#23
●『根津愛(代理)探偵事務所』読了。割と良くできたパズラー集。
●ようやく「メフィスト」購入。しかし、今回は1400円というのも高過ぎ。いつもの厚さならともかく、今回の厚さなら(以下略)。それとも、売れてないのか? と思いつつ『ウロボロスの純正音律』の今回分読了。

8月24日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#24
●「メフィスト」の読み切りの内「都市伝説パズル」(法月綸太郎)★★★☆、「おもいでの行方」(西澤保彦)★★★☆、「My Fair Rainy Day」(高田崇史)★★★☆読了。連載分の『十三の黒い椅子』も読了。これは本の形で読むべきやったかも。
●京都府某所でお仕事。意外な人が居たりしてサプライズ(だからなんだ)。
 仕事後書店に寄り角川文庫の新刊を見る。様々なところで今月の角川文庫のミステリ全て値段が「520円」となってたが、さすがにそれはなかった。文庫オリジナルのアンソロジー二冊を購入する。今月の角川文庫は「本格ミステリ・コレクション」と銘打ってハードカバー叢書「新本格ミステリー」を結構文庫化している。その中でオススメを挙げておくと
『十三番目の陪審員』(芦辺拓)
・陪審を真っ向から扱った本格ミステリ。陪審関係に興味がある人もだが、ミステリファンはよんどけ。これがダメなら芦辺作品はほとんど合わないだろうと言うぐらいの作品と思う。
『この闇と光』(服部まゆみ)
・傑作。これ以上言うことはない、かも。幻想とミステリのハイブリッドに成功した希有な例。
夜想曲ノクターン』(依井貴裕)/『バベル消滅』(飛鳥部勝則)
・この二冊はセットで読むといいかも。詳細は略。
 といったところ。

8月25日(土)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#25
●大阪府某所で歩行者誘導。台風効果か涼しくなってきているので多少は凌ぎやすかった(でも暑く、死にそうだった)。コンビニで肉まんの準備が始まり、秋の気配を背後に感じるこの頃。要するに、多少暑いが秋の気配も感じる、ということ。
 子供会のお祭りなのか、子供が御輿を担いではっぴを着て行列を為すという光景が見られた。お、元気がいいねえ、と思いつつ(この時10人祭の「ダンシング夏祭り」が心の中に流れたのは内緒)、誘導。長いので二手に分けて通そうと思い、後半の子供らに「チョット待ってね」と言う仕草をする。やんちゃな子供もいるわけで、はしゃぐはしゃぐ。幸いにその被害(笑)はなかったが、親御さんの一言に傷つく。「おじちゃんが通って良いよって言ったら通ろうね」。その場には私ともう一人居たのだが、もう一人は女性。おじちゃんって私ですか(泣)。まだ四捨五入二十歳なのにぃ(←四捨五入?)。ちゃぶ台が欲しかった(泣)。そういえば、別口で「おじちゃんありがとう」と抜かすガキも居たな。思わず目から光線がでるところだったわ。世の中のルール教えたかったです(←大人げない)
●しかし、最近芸能界逮捕ラッシュですね。
●上記の文章を書いてたら地震が。本が5、6冊落ちただけで大した被害はなかったが。揺れが長く、結構ビックリしたりしたが。
●ミステリの話題無いな(笑)。明日少し書きます。気が向けば。

8月26日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#26
●『作家小説』読了。「或る意味」ホラーですな。
●予告通りミステリの話。正確には違うかもしれないが。
 島田荘司といえばミステリ界のカリスマで、島田荘司作品群の中にはミステリファン必読と言っても過言ではないのは片手では数え切れないぐらいある。また、『本格ミステリー宣言』及び『本格ミステリー宣言U ハイブリッドヴィーナス論』では非常にスリリングな提唱をし、また、『奇想の源流』では面白い対談もあった。対談といえば綾辻行人との共著『本格ミステリー館』もあった。常にミステリファンの期待にさらされていると言えるかも知れない。
 そう言う島田荘司だから『秋吉事件』でノンフィクションの方面にイッちゃった時は落胆したものだ。そして、「メフィスト」に御手洗ものを発表再開したりしたときは嬉しかった。でも、その嬉しさも段々と薄れていった。そう。同人誌アンソロジーに短編を寄せはじめてから。最初はどーしてこんなことするんかなあ、という程度に留まったが、段々「アホちゃうか?」とすら それは言い過ぎにしても、とにかく、違和感を覚えたのは確かだ。だが、その違和感はこの時点では明らかにならず、意識すらしていなかった。余談だが、その違和感が最高潮になったのは『御手洗潔攻略本』や『石岡和己攻略本』がでたときであるが。前者はまだ耐えられたが、後者は泣きそうになった。
 で、本題(長!)。
 昨年『御手洗パロディ・サイト事件』がでたことは記憶に新しく、二、三日前に『パロサイ・ホテル』という続編がでた。前者は島田荘司著という体裁だったが、実のところは「編・著」というのが正しく、掲載されてるパスティーシュはプロアマ両方載っていた。各作品は内容は思っていた以上に面白く(柄刀一の「シリウスの涙」は傑作だった)、完全に島田荘司オリジナルに見える点を除けば「こんなもんだろうな」と思ってた。尤も、その点をうだうだ言った気もするが。やはり、この、実質はアンソロジーなのに島田荘司の著書のように見せかける「トリック」には色々「問題」があったようで島田荘司のファンサイトWS刊島田荘司の掲示板にファンの憤りがあり、島田荘司本人による弁明があった(ここの6342番)。簡単に要約すると「編・著」ではなくオリジナルの刊行物として世に出した理由はそうでないと売れないから、ということ。というのも、どうも発行元である南雲堂が経営的に傾いてるようで、その救済措置だったらしい。つまり、南雲堂を救う目的であったと言うこと。その救う目的という心意気はいいが、それならなんで島田荘司のオリジナル、例えば御手洗ものの新作を出さないのか、という疑問が残る。御手洗ものの新作長編ならば、下世話な話、『御手洗パロディ・サイト事件』よりも売れたと思う。
 長くなりそうなので、続く。

8月27日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#27
●『夢魔』読了。今週のe-NOVELSの週刊書評も『夢魔』だった。シンクロニシティでしょうか?(笑)
●『御手洗パロディ・サイト事件』を巡る文章の続きは明日にでも。

8月28日(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#28
●というわけで、26日の続き。
 やはり、版元サイトでも「編著」にしたほうが良いという意見が出てたようで。だが、出てしまったものはしょうがないし、個人的にはそれなりに楽しめたのでまあ良いかな、と最近まで思ってた。でもね、新装版の『御手洗パロディ・サイト事件』が相変わらず島田荘司個人の著作の形で出たのはどうかと思う。なるほど、最初「編著」ではなく「著」の形にした理由は(完全に納得はしてないけれども)わかった。でも、一回読者も「騙され」れば二回目以降は島田荘司個人の著作でないのは解るんじゃないのか? と思う。しかも『パロサイ・ホテル』はサブタイトルが「御手洗パロディ・サイト事件2」である。少なくとも、『御手洗パロディ・サイト事件』で「ダメージを負った」人は買わないでしょう。尤も、パロディ・サイト事件のパート3からは「著」ではなく「編著」とする意向らしけれども。なんだかなあ、としか言い様がない。
 なんだかんだ言っても、こういう、在野の人間起用という趣向自体は間違っていないと思うし、商業ベースに載せてそれなりに売れるのであれば、もっともっとやっても良いかもしれない。だけれども、島田荘司個人の著作として刊行するからには、もう少し島田荘司の「我」があっても良かったのではないのか、と思う。例えば、それまでの作品の中に伏線を見出して(或いは仕込んで)まとめ上げるとか。そう言う趣向があれば「編著」と言うのがなくても誰も文句は言わなかったと思う。それか、メイキングを載せるとか。
 というわけで、これで終わり。

8月29日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#29
●「ファイナル・デスティネーション」★★★☆
 修学旅行の目的地はパリ。飛行機に乗るが、一人の少年が騒いだ為に7人の人間が飛行機に乗れなくなる。そして、その飛行機は爆発し、乗客乗員全員死亡。少年が騒いだのは、飛行機が落ちる夢を見たためであった。生存した7人は、一人、また一人死んでいく。
 生存者が死ぬ、と言う趣向だが、作中名指しはしてないものの犯人はずばり、死に神(いや、マジで)。この作品は如何にして死に神から逃れるか、と言うことが主眼に。「犠牲者」の順番を繋ぐミッシングリンクは感動もの。巧い、かも。如何にして逃げ切るか、というのや、「犠牲者」の殺し方もなかなか巧い(ドミノ倒しに「仕掛け」が炸裂する)。ラストの救いようのなさ(というのか?)も良し。
 これは拾いもの。バカホラー好きに結構オススメかも。
●勤務報告のために梅田まで。新刊で買ってなかったのを古本屋で購入したりする。しかし、双葉文庫の日本推理作家協会賞全集が姿を消したのは焦った。まだ置いていたところで評論を一冊購入。

8月30日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#30
●就寝前に『刑事くずれ/ヒッピー殺し』読了。残すは最終作のみ。
●大阪府某所にて。大型店舗が優待セールをやるというので大幅な増員要請があり、元々休みにしていた私にも声がかかってきた。昨日「●●、明日入れるよな!」という有無を言わせぬ勢いに押されたのだが(笑)。ネームプレートを紛失し、再発行してもらったという弱みもあったりして(爆)。
 場所は何回か行った場所なので問題なかったが、通常より早く始まるために早めに家を出たが、時間を読み誤り30分予定より早く到着。ま、送れるよりは良いけれども。ポジションは車両の駐車規制。そのポジションに(話してみると)南方や満州に行っていた方がいたが、話を聞きそびれる。機会があれば、聞いてみようと思いつつ職務に励む。なお、その爺さんは他社の方なんだけれどもな(笑)。
 車両駐車規制と言っても、短時間は見逃せと言う指示が出てたので駐車しようとする車両があると近づき、「どれぐらい停められますか?」と尋ねる。大概の方は普通に応対してくれるが、たまにごねるのもいて。その中でも極めつけは耳が遠いふりをして無視したじじい。「待て、ボケ老人」と叫ぼうかと一瞬考える(←そんなもんで切れるな、カルシウム不足か?>自分)。尤も、小さく「ざけんな」とつぶやいたに留めたが。マジでむかついた。中には同乗者待ちの方もいたのであるが、その中で非常に陽気なおばさまがいて、ジュースを奢っていただいた。世の中捨てたものではない(単純な奴、と思ったの歯を食いしばって一歩前に出ろ)。
 ポジション替えがあり、次のポジションの説明の最後に「そこは、羊を数えていれば良いくらい暇だから」と言われたので「寝てしまいますよ」とつっこんだのは言うまでもない。
 なんだかんだ言って楽で、いい具合に雲ってたので暑くもなく「ああ、今日は良い一日だった」と思ってたが、そうは問屋が下ろさなかった。雨である。天気予報では晴れだったので傘の用意してなかったので濡れてしまう(泣)。日頃のおk
●と言うことを考えつつ(嘘)『ペット・ショップ・R』の読了予定(残り50数ページ)。

8月31日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0108.html#31
●「アンブレイカブル」★★★☆
「シックス・センス」のコンビが放つサスペンス。
 列車事故で生き残った男デヴィッド。生存者一名という大惨事にもかかわらず、彼は全くの無傷で事故から生還する。列車事故以降、イライジャという奇妙な男がつきまとうようになる。彼は生まれたときに四肢骨折という重傷を負っていた。しかも母親の胎内である。先天的に体が弱いイライジャは、デヴィッドの秘密を見い出す。
「シックス・センス」のような仕掛けを期待していたのでその点では期待はずれだが、全体的な、ストーリーの面という意味では引けを取らないと思う。デヴィッドの家庭内の不和、息子との交流と絡ませることで飽きさせない造りになっている。怪我をしない、不死身の男と言う意味での「アンブレイカブル」と思うが、このタイトル、意訳した方が作品イメージと合うような気がする。例えば、「不死身の男」とかさ。「シックス・センス」同様の期待をこの「アンブレイカブル」の語感は抱かせる。
 なんだかんだ言ってもだれずに見ることが出来たので面白かったのは確かだな。
●ビデオと本を返却するついでに絶賛の声しか聞こえないバークリイの『最上階の殺人』を探すが、ない。どうも刷り部数が異様に少なかったようである。ネット書店で買うことにするか。
●『ペット・ショップ・R』読了。全集に入るまで単行本化されなかったのも納得。


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