2002年4月

4月1日(月)
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●MYSCON参加始末。3日分の展示が済んだので、ここにつっこんでおります。
●18切符の残り分を売り飛ばしに行く。ついでに漫画板『柳生十兵衛死す』を三巻まとめ買いして電車の中で一気読み。というか、全然別の話なんですが……(笑)。

4月2日(火)
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●「トリック2」★★★
 映画化も決定した売れない貧乳マジシャンと新進気鋭の物理学者の冒険譚。正編に比べ、続編では上田のあほっぷりが増幅され、多少興ざめな面が。ギャグに消化されている、とわかっててもである。
 前作終了後前半部分を超えるものでなければパート2造っても意味無いよね、と思ってたが、その辺は悠々クリア、とは言わないまでも結構頑張ってたと思う。
 今回は後半に収穫があり、「天罰編」と「ゾーン編」がフェイバリット。「ゾーン編」のズラ関係は大爆笑。
 映画は見に行くかって? 聞くまでもないようですが。

4月3日(水)
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●『名探偵Z 不可能推理』を読んでいるのであるが、アホすぎ(笑)。

4月4日(木)
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●『名探偵Z 不可能推理』読了。破天荒さがなんというか……(笑)。
●3日間に渡ってお送りしたMYSCONレポート、如何でしたでしょうか。結構な分量になり、書いた本人がビックリ(笑)。アレでも全てを書き尽くした気がしない。一応ここに全てつっこんであります。
 なお、一部で好評の山風特集収録の会誌ですが、追悼企画の際ふっていただいたときに申し上げたとおり、在庫無し、増刷予定無しなのでご興味のある方は某ミス研ページの管理者に脅迫メールを(笑)。HTML化されるかもしれません。
●えー、一部で波紋を呼んでしまったMYSCONの西澤保彦インタビューの記述ですが、私の場合、単に印象に残った、と言う以上の意図はありません。はい。そう言う意味では、かなりはた迷惑なことをしてしまった感じで申し訳ない。ただ、その辺の内幕を見ると(ヘルプを頼まれたくだりなど)、別に問題はないような。スムーズに事が運ばれている(インタビューに支障全くなし。西澤さんもビールが飲めた)ので、一参加者的には全然問題ない、はず(少なくとも私には全くない)。出しゃばりなんて、そんなことないし。
 余談だけど、みのるさんのレポート読んでると、「笑う大捜査線」見たかったかも。うう、残念。

4月5日(金)
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●『イヴの時代』読了。なんかもの足らない。
●某所で一冊本をまわされる。月曜18時までに送付できるか!(ってせなあかんけれども)。
「錦通信」閉鎖。昼間、「ミステリ系更新されてますリンク」で見たときサーバーの不調と思ってたんですが、方々で張られてるリンクを確認して……。正直、言葉が出ない。4年10ヶ月、お疲れさまでした、としか言い様がない。

4月6日(土)
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●某ルート(と言っても、某ミス研関係です)で一足先に入手した『双月城の惨劇』読了。クラシックミステリの新訳と言われても違和感無い傑作。
●気分転換に自転車を走らせ、「密室本」を一冊購入。タイトルも恥ずかしいのに、このイラストは……(笑)。購入したのは『霧の00密室』。《本格ミステリコレクション》の鮎哲の巻が出たのも確認。いずれ買うが、予想通り幻想関係が結構な割合を占めている。

4月7日(日)、8日(月)
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●長男去って次は次男、か? さて。
●『われ笑う、ゆえにわれあり』(土屋賢二/文春文庫)★★★☆
 結構人気があるエッセイストで、例えば、ミステリ書評系サイトの雄の一つなまもの!の書評で『哲学者 かくわらえり』にオススメマークが着いていたり、森博嗣が何処かで挙げていたりと(うろ覚え)している。
 本書は何度か薦められた事があったが、先日本屋に於いて本書の目の前で勧められ、懐具合も多少暖かかったので購入。余談だが、人に本を薦めるのは文章よりも本屋で「これ!」と言うのが一番良いかもしれない。
 ともすると哲学入門書を読んでるような気がする文体だが、この文体がひねくれまくった内容とマッチしていること。笑いながら(苦笑しながら?)読めた。なるほど。本書を(正確には土屋賢二のエッセイを)薦める人が少なくない理由がよくわかった。
 本書に限らず土屋賢二のエッセイは抗鬱剤として有効かも、と思った私はかなり病んでるよな(笑)。一番良いのは『パタリロ!』だと思ってるけれども(ヲイ)。

4月9日(火)
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●『四月は霧の00密室』読了。なんだかなー、と言う所。ミステリ的なところは良くできてると思うが。
●あう、昨日のNHK深夜番組(アルカトラズ関係)ビデオに撮り忘れたよ……。

4月10日(水)
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●或る意味先方の手違いゆえ、京都←→梅田間を2往復もする羽目に。事前に確かめなかった私も悪いんだけれども。
●そのかいあってか(皮肉)、『忍者月影抄』『世界は密室できている』読了。後者のばかばかしさは一級品、かも。舞城節が楽しめる一冊。前者は純粋に楽しめた。
●昨日たまたまテレビをつけてたら、「アングリー・ゼブン!」というやらせ番組をやってて、前提がわかってても「もう少し巧くやれよ」と思うのが。DV(ドメスティック・バイオレンス)関係なんだけれども。嫁さんへの暴力が酷い、と言う前提だったはずが、嫁さん、かなり善戦していました。旦那さんに負けてません(口論だけだけれども)。というか、暴力本当にふるわれてるんですか? と真剣に思ったり(というか、勢いで手が出るかも、と思うくらい嫁さんの攻撃(口撃?)が凄い)。普通、何も出来ずに嵐が過ぎ去るのを怯えて待つだけじゃないのか?(DV被害者にはこのタイプ――何も出来ず怯えるタイプ――が多い)。番組スタッフの説得班が動くんだけれども、普通、赤の他人にちょいちょい説得されただけで(ホンノ数時間)本心から改心出来ねえよ。DV加害者は(文献や報告をいくつか読んだ範囲であるが)表面上は改心しても内面を改心しない場合が少なくない。しかも、旦那さん、ヤクザ眼鏡に坊主という、ヤクザ寸前の顔だし(笑)(←本筋とはあまり関係ない)。
 一応続く、となってるけれども、続きを見る気はしません。全く、この場組、つっこみ所の総合商社です。

4月11日(木)、12日(金)
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●この間は『宇宙調査艦《ギガンテス》』『美貌の帳』読了。
「政宗九の視点」Presents ネットミステリ者が選ぶ「本格ミステリ大賞」、結構頭を悩ませています。はい。自分の中の本格観を根本的に問い直す良い機会かも。

4月13日(土)
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●『嘘つきパズル』読了。作者のサイトのノリが楽しめる一冊。
●つらつらと私の本格に対する認識を書いてみる。多分、いくら書いても全て書ききれないと思うが。思いつくままに。
「本格」とは何か。
「本格」という言葉そのものの辞書的意味は「根本の格式、法則、また、本来そうあるべき方式に従っていること」である。無論、ミステリの一ジャンルとしての「本格」の意味にはほど遠いが、割と本質を突いていると思える所がある。「根本の格式」と言う所だ。ポオの「モルグ街の殺人」を嚆矢とする本格ミステリであるが、ミステリそのものの歴史を考えると「本格」そのものがミステリの基本と言うことを言わざるを得ない。だが、紆余曲折を経た後、今では「本格」はミステリの基本ではなく、ミステリの一ジャンルとなった(これは、私が考える現時点の「本格」のポジションである)。それは、ミステリという語彙のすそ野が広がった結果であろう。尤も、私はそのことに関しては全く悲観していない(あくまで、2002年4月中旬の時点であるが)。
 さて、一口に「本格」と言ってもさらに内部ジャンルというか枝分かれしていてややこしい。EQの《国名シリーズ》の様なフーダニットにディクスン・カーの様な密室やトリック、バークリーのようにミステリの形式へ挑んだものと欧米のミステリ黄金時代を軽く見渡ししただけで様々なものがある。《第三の波》に迄至ると叙述トリックを駆使したものやSF設定を縦横無尽に駆使したものと収拾がつかない。クイーンの『Yの悲劇』やヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』、綾辻行人の館シリーズとか等に至る館ものの系譜も忘れてはならないであろう。軽く見ただけであるが、これだけでも「本格」というのはミステリの一ジャンルでありながら恐ろしくそのすそ野が広いものである、と言うことははっきりしているであろう。と言うわけで続きます。

4月14日(日)
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●昨日の続きは明日以降に。というか、収集つかなさそうなので無かったことにするかも(笑)
●しかし、本ってなかなか処分できませんねえ……。はあ。

4月15日(月)
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●『ルール』読了。平和ボケした日本人が忘れてはいけないものが描かれていると思う。
●私の本格に対する認識について。13日から続きます。
 私が考える「本格」を構成する為の必要要素は何か。とりあえず、私が「本格」に分類されるものに求めるものを書いてみる。順不同。別に、求めている順番ではない。
・謎。謎なき作品は基本的に本格ではない。ごくまれにいきなり謎が現れ、そしてバタバタと解決される本格作品もあるが、これは例外(謎自体が謎という感じの奴ね)。とにかく謎。余談だが、ホラーでミステリに於ける「謎」に照応するのは「闇」なのではないかと思う。
・伏線。これは言うまでもないでしょう。個人的に好きな伏線は『斜め屋敷の犯罪』のアレだったり、『エジプト十字架の謎』のソレだったり。考えてみるとインパクトのある伏線というのは意外と少ないような気がするが、その辺はどうでも良いです。ま、私が言うまでもない基本と言うことで。
・ロジック。ロジック無きミステリは読んでてもの足らない。余談だが、一言でロジックと言っても様々なタイプがあると思う。クイーン風のもの、チェスタトン風のもの(この場合、俗に言う逆説と言うのね)、意外と言われないアントニイ・バークリー風のもの。大まかに分けると三タイプあると思う。尤も、今の三つに属さないタイプは十把一絡げに一まとめなので、正確には四タイプ。クイーンとバークリーの間にあるのがカーなのかもしれない、と思ってたりとこの分類はかなりいい加減なのかもしれない。
・トリック。果たしてトリックは必要条件なのか。個人的にはトリックは本格に於いて必要な条件ではない。トリックはあるにこしたことはないが、無くても本格は成立する。個人的には有る方が好きなんだけれども。なお、私はトリックは二種類あると思っている。謎を作る装置としてのそれと、「悪戯」に振るルビとしてのものである。前者は説明不要と思うので、後者について。ここで言う「悪戯」とは辞書的な意味ではなく、本筋以外で読者をあっと言わせてやろうとして仕掛ける作者の稚気のこと。私の場合、往々にして叙述トリックを指すことが多いかも知れない。それ故、「本筋以外で〜」というのは正確ではないかも。なんというか……。大体は「悪戯」も本筋に直結してるわな。
 ところで、「個人的にはトリックは本格に於いて必要な条件ではない」と書いたが、それは、本格以外でもトリックは様々な場所(=ジャンル)に於いて使用されているからである。ホラーであったり、SFであったり、山田風太郎の忍法帖であったり。それ故に、私の中では「トリックがある=その作品が本格である」という図式は存在しない。
・プロット。というか、正確に言えば構図の綺麗さ。主に構図の綺麗さを求めるのは長編作品より寧ろ短編が最後に有機的に繋がる作品、所謂中島河太郎命名するところの<連鎖式>作品に於いて。最近の作品では斎藤肇の『たったひとつの』や北森鴻の『共犯マジック』で非常に綺麗な構図を堪能した。
 無論、言うまでもないが、本格も小説なので筋が面白いに越したことはない。というか、いくらトリックが超絶に良くても筋が面白くなかったらあまり評価しない気がする。この辺の敷居というか、ハードルは他に比べて低いかも知れないけれども。
 ――以上が私が本格に対して期待しているところ、求めているところかな。細々としたところは抜けてるけれども(設定の奇抜さとか)。ま、この辺は――各要素の細々したところはさておき――本格読み共通のものだと思う。文章及びキャラクターはあまり求めていない。特に後者は、無論、上手いにこしたことはないと思うが、それだけを取り上げてギャアギャア言うのはアホだと思う。例えば、文章ではなく画の上手さになるけれども、『ドラゴン・ボール』の最後の五巻くらい、画こそは洗練されてるけれども、画が洗練されてるからすっごいいい、と言う人はいないでしょう(あの辺の話は、アレはアレで好きと言う人は居てもね)。初期の、多少無骨ではあるけれども内容が面白い方が読んでて楽しいでしょ? 文章に関してもソレと一緒と思う。
 と言う所で続きます。

4月16日(火)
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●『修羅維新牢』読了。結末はなんというか……。
●一年もしない内に「あんた誰?」っつうくらいに変わる人もいれば、二、三年経っても全然変わらない人もいる。その辺は人はそれぞれだが、何年か前と比べ、私を昔を知る人から見てどれくらい変わったのであろうか。ふとそう思わせる出来事があった。その出来事のせいか否かはわからないが、妙に機嫌良かったり。
●本格についての諸々は明日以降に。

4月17日(水)
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●『桜闇』読了。《建築探偵》シリーズのキャラファン向けだが、思ったより悪くはない。
●『殺す・集める・読む 推理小説特殊講義』(高山宏/創元ライブラリ)★★★☆
 新刊で出てすぐ買って本日読了。ずーっと読み進めてた……と言うわけではなく、途中放りだしたブランクが長かった故。いや、面白くなかったというわけではなく、気分の問題で。それぞれスリリングなミステリ論で、結構参考になる部分も多々あった。
 様々なミステリの論点が示されていて興味深い。表題となった「殺す・集める・読む」に於けるホームズ論、「テキストの勝利」と題されたブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』のミステリ的読解等々。個人的には最後に配された「法水が殺す」と題された小栗虫太郎『黒死館殺人事件』論が好き、かも。
 各編の論点やその掘り下げ方もさることながら、配列もいい。この辺は本書の企画を持ち込んだフリー編集者、藤原義也の手腕によるものであろうか。編集者の苦心が如実に現れているのも珍しい。
 帯に刷られた「この本は、君が解く事件」と言うフレーズは名文句。良いですね。
●と言うわけで、本格に関する私の認識、或いは私的「本格」論第三回。
 前回「本格」に対して私が期待するもの、考える構成要素をずらずらっと並べたわけであるが、一個重要なものを挙げてないのを既にお気づきの方もおられると思う。フェアプレイである。
「本格」が欧米で発生及び発達し、日本に輸入されて独自の発展を遂げたというのは言うまでもないことであるが、一説によると、未だに「本格」が書かれ、そして読まれて居るのは日本とイギリスだけらしい。この二国に共通するものがある。武士道≒騎士道である。思うに、武士道と騎士道って結構似てるんじゃないかなあ……と思うが如何なものか。この点に注目すると何故日本とイギリスで「本格」が読まれ、書かれるかすっぱり納得できるんじゃないかな、と思ったり。
 で、本題。フェアプレイというのは先にも述べたように武士道とか騎士道精神に直結する。寧ろ、そこから来ているのであろうと思う。だが、「本格」に於けるフェアプレイは由来はともかく、実作になると、乱暴な言い方だが「いい加減なもの」と言わざるを得ない。そもそも作者対読者の盤面の闘いは仁義無き闘いと言わざるを得ない。レッドへリングをばらまいたり、ミスディレクションを噛ましたり。読者は読者で犯人の名前を直感で当てただけでいい気になったりするし(笑)。たいがいさ加減というのは読者も作者も変わりない。
 と言うような感慨を持ってるのでことさら挙げなかっただけの話。それ故に、結構その辺――フェアか否か――というのは読み手としてはいい加減かも。最低限、地の文で嘘は書かない、あたりがきちんと守られていればOK、と言う立場。多少卑怯な手を使ってでも騙してね だったり。フェアか否かを突き詰めていったら綾辻行人の「どんどん橋、落ちた」や高木彬光の「妖婦の宿」はアンフェアの極み、と言う人もでてくるだろう。そもそも何を以てフェアとするか、という泥沼に陥るし。
 最低限守って欲しいな、と思うのはヴァン・ダインの二十則の最初のもの「一。謎を解くにあたって、読者は探偵と平等の機会を持たねばならない。すべての手がかりは、明白に記述されていなくてはならない」くらいか。
 と言うわけで、続く。着地点こそは決まってるものの、どう展開するか全く決まってない有様。間があくかも知れません。

4月18日(木)
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●『アイルランドの薔薇』読了。「嵐の山荘」状態に持ち込む手腕が良い。
●「殺人狂時代」★★★★
 都筑道夫の『なめくじに聞いてみろ』の映画化作品。原作は父親の「飢えた遺産」精算の為に出羽の山奥から上京するが、映画版ではその辺とは無縁。大学講師である桔梗伸二はいきなり「人口調節調査会」から狙われ、次々と襲い来る殺し屋を撃破し、核心に迫る。
 最初の殺し屋撃退は「あんたはドリフのコントか!」と言うくらい笑える。以降の展開は、原作とつかず離れずと微妙な関係を保ち、緊迫感を持続させる。殺し屋達の親玉との対決、何故彼が狙われたか、と言うのが判明するところは圧巻。
 今ではなかなか見ることは難しいが、見る機会に恵まれるならば必見。特に原作読んだ人は。全くもう、日下さんには感謝です。

4月19日(金)
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●眠い……。故に、諸々は明日以降(えー加減やなあ>自分)

4月20日(土)
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●『暗黒童話』読了。いつもと違う?
●私の「本格」に関する認識、或いは私的本格論第四回。今回は道具立て。
 本格ミステリは様式美の世界である、というのはよく言われることであるが、果たして本格ミステリの様式を具えていればその作品は本格ミステリたり得るのか、という疑問が浮き上がってくる。結論を言えば、必要条件であるが、十分条件ではない。
 その作品が本格ミステリであるならば、その作品はおのずから本格ミステリの様式を具えているであろう。だが、ごくまれにであるが、様式こそは本格ミステリのそれであるが結局本格ミステリを大きくはみ出すのもある(だから形式は必要条件であるが十分条件ではない)。例えば舞城王太郎作品だったり、清涼院流水の『コズミック』だったり。この辺は形式に対する歪んだ愛情故のものだったりすると思うんだけれども。
 本格ミステリの様式性については笠井潔の『探偵小説論序説』に於いても触れられているが、もっとかみ砕いた、否、本格ミステリの様式に関する一撃と言うべきエッセイがある。先日新潮文庫より増補再刊された『大密室』の貫井徳郎のエッセイだ。あの一言には非常にしびれました。だって、本格派の作家が「本格は面白くないものである」と言う趣旨の発言をしているんだから。尤も、この発言は皮肉がこもったものであり、全面的に真に受けるのはいないと思うけれども。ここでもやはり、本格ミステリは様式の世界であるという事は書かれている(この貫井エッセイは笠井潔の評論『ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つか?』ででも言及されている)。
 要するに、今回何が言いたかったのかというと、本格ミステリに於いて様式は必要条件であるが十分条件ではないと言う、冒頭に掲げたものである。引き上げられないくらい泥沼に足をつっこんだ気がするが気にせず続く。

4月21日(日)
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●『妖説忠臣蔵』読了。異様なムードは一級品。
●本格に関するエトセトラは明日以降に。

4月22日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#22
●『人間動物園』読了。誘拐ものの傑作。
政宗九さんの所経由で知ったんだけれども、谺健二=こだま兼嗣(アニメ版『名探偵コナン』の監督)ではないそうだ。ずーっと同一人物と思ってた人は少なくはないであろう。
●しかし、今日の昼の暑さは、何?

4月23日(火)
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●『スリー・アゲーツ』読了。良くも悪くも真っ当なスパイ小説だと思う。『小説 スパイラル―推理の絆― 鋼鉄番長の密室』も読了。すっげえ笑えます。
●本格に関するエトセトラはもうちょいまってね。

4月24日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#24
●少し間があいたが、再開。本格に関する私の認識、或いは私的「本格」論第五回
 結局の所、今まで述べてきたことは抽象的なことであり、具体的なものではない。第二回で期待する要素こそ挙げたが、それらが全部揃っていれば「本格」かといえば、そうとは限らない。SFにも当て嵌まるものがあるだろうし、ホラーですら当て嵌まるものが出て来るであろう。それらはミステリとのハイブリッドか、といえばそうである場合もあるし、そうでない場合もある。となると、「本格」とは何かという前に「SFとは?」「ホラーとは?」と言うことになりかねない。その辺の問題は興味あるところであるが(特に後者)、今回は考えない。
 例えば、小林泰三はSF・ホラーのジャンルに分類される作家であろうが、彼の作品中で使われているテクニックは「本格」のそれに近いものや、そのものもあったりする。だが、小林泰三を「本格」の書き手であるという論者は皆無だ(少なくとも私が知る範囲では)。このことからも伺えるように、要素を兼ね備えた作品でも「本格」と呼ばれないことがある。
 多分、「本格」にとって一番大事な要素というか、「本格」と呼ばれる(或いは分類される)に重要なことは「本格」の形式を兼ね備えているかと言うことであろう。
 その形式は、笠井潔が言うところの「謎−解明」に他ならない。謎が提出され、それが何者かによって解明される。謎を解明するのはミステリに於いては「名探偵」の役割りとされるが、私にとってそれは誰がやっても構わない。つまり、重要ではない。名探偵による絵解きであろうが、通りすがりのおっさんによる解明であろうが、犯人の独白であろうが、極端な話猿であろうが全然構わない。
「謎−解明」は「本格」にとって重要な要素というか骨組みではあるが、それは、必ずしも「本格」だけのものではない。最終的に重要になってくるのは「如何にして解かれるか」と言うことだと思う。
 更なる泥沼に腰まで浸かった所で続く。

4月25日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#25
●『少年探偵王』読了。
●しかし、「ごくせん」は笑えるねえ。べたべたな展開ではあるが、笑えてしょうがない。

4月26日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#26
●本格に関する私の認識、或いは私的「本格」論第六回。かなりどうしよもないところまで来たので、強引に纏めに入る。
 今までの所、私が述べてきたのは「要素」であり、私の中での「定義」ではない。それは、最初に「つらつらと私の本格に対する認識を書いてみる」と宣言したことからも伺えると思う。では、私は「本格」をどう定義するかと言えば、方程式だと思う。「本格」=「方程式の解」という図式が私の中にはある。つまり、「本格」とは「謎」という方程式に代入した伏線がもたらす解、と言うこと。今まで挙げてきた「要素」は記号だったり、数だったり。そして、密室とかアリバイ、顔のない死体は方程式を解くパターン(二次方程式や三次方程式とかΣとかに相当する)。方程式は解答よりも寧ろ解答を導き出すプロセスが重要になる。それは、「本格」に分類される作品でも同様であろう。
 結局このことが言いたいが為に延々と引っ張ってきたわけであるが、これを満たしているからと言って私がその作品を「本格」と認識するかと言えばそうとは限らないだろうし、その逆も然り。全く以て困った奴である。しかし、ここまで鬱陶しく、しんどいものとは思っても見なかったよ(笑)。
●ところで、「ビジネスジャンプ」連載の漫画版『柳生十兵衛死す』はますます飛んでもないことになってきていて面白くなってきている。山風が生きていたらどんな反応したか、考えると楽しい。問答無用の面白さ、と言う忍法帖のスピリットを完全に薬籠中のものにしていると思う。しかし、あの人物らを登場させますか……。

4月27日(土)、4月28日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#27_28
●この間は『龍の黙示録』『剣鬼と遊女』読了。
●あ゛ー、気分悪い。いや、お仕事ですんげぇやな奴がてんこ盛りだった故に。何が「おれは通る!」だよ。お前なんか事故に巻き込まれて死んでしまえ! とのどを通り越して前歯の寸前まで出かかったよ。仕事の合間にコミケに出店している<師匠(笑)>からどれを買うのかメールが届いて、休憩時間でもないのに返信したのは内緒。買ってもらったのは甲影会発行の「別冊シャレード」二冊。受け取りがいつになるかは不明であるが。とりあえず、天城特集は確保できた模様。そろそろ「山沢晴雄特集」と「天城一特集」の未読分全部片づけないとなあ……。

4月29日(月)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#29
★今日のオススメ:「ロシア館の謎」(二階堂黎人)
 今回取り上げるのは蘭子シリーズの一編「ロシア館の謎」。戦時中シベリア平原で起きたと思われる屋敷の焼失事件をアームチェアディテクティヴで蘭子が解き明かす。
 本編の初出は伝説のアンソロジーとも言える『奇想の復活』。ここに書かれた作品は数多く、綾辻行人の「どんどん橋、落ちた」や有栖川有栖「人喰いの滝」、麻耶雄嵩の「水難」等々。今となっては『奇想の復活』に寄稿された短編のほとんどはその作家の短編集で読めるが、当時のインパクトは凄かったんだろうなあ。
 この作品はとにかくトリックそのものに集約される。もう一個サブプロットはあるけれども、ほとんど添え物。巨大な館が一瞬にして消え失せるその方法は、度肝を抜かれるであろう。逆に言えば、トリックがわかればしんどいかも知れないのであるが。
 この作品は『ユリ迷宮』(講談社文庫)に収録。一読する価値がある。
●かなり間があいた「今日のオススメ」、再開。今後は月二、三回のペースで継続する予定。あくまでも「予定」だけれども。

4月30日(火)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0204.html#30
●『劫尽童女』読了。超能力SFスリラー……と言い切れないところにこの作品の本質があるのかも知れない。
●しかし、眠いなあ……。


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