2003年11月−12月

11月1日(土)3日(月)
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●某K氏と私、+1名で河原町方面にあるアスタルテ書房へ。噂通りの通好みの品揃え、レイアウトで眼福でした。で、私は自転車で行ったのだが、帰りの話。自転車をてれてれとこいでたのだが、ちょっと無駄な気合いを出して立ちこぎをしようとしたその瞬間、チェーンが外れた。最初、何が起こったかわからずに「あlfはwhうぇがlんfdlsんv・qlけwzxbksmdvんv!」とパニクったのだが(笑)、喜ぶべきか、悲しむべきか、自転車のチェーンが外れたのは自転車屋から10メートル離れたところ。一瞬、壊れろ電波送っただろ、てめぇらと思いつつ自転車屋に向かったのはここだけの話。おかげでスーパーで段ボールもらってくるの忘れてたよ。
●『アマチャ・ズルチャ』【bk1】読了。

11月4日(火)〜5日(水)
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●「デス・トラップ――死の罠」★★★☆
 結構人気が高いミステリ映画。以前関西ローカルで深夜放送されていたんだけれども、その時は吹き替えだったのでレンタル屋で借りました。個人的に洋ピン洋画は字幕ものじゃないと♪ と思ってるので。
 落ち目の劇作家の元に素晴らしい出来のシナリオが送られてきたことである。彼はこれを自分のものにしようと、シナリオを書いた劇作家志望者を呼びだして殺そうと計画するのだが……。と言う始まりからどんでん返しが連発される。本編をミステリ映画の最高峰に推す声が少なくないのも納得。「探偵スルース」と共に山口雅也の中編「解決ドミノ倒し」の発想の大元になった作品だが、特に中盤のひっくり返し方が秀逸。これは読めなかったし、結構ビックリした。
 いい感じで繰り返されるどんでん返しの数々だが、これら最後の幕切れのための伏線である事が判明する。ただ、この幕切れ、小説ではともかく映像では成立しないのでは? と思うんだがどうなんだろう(つまり、着想はともかく、着地はしてないと言うこと)。それは、下に於いて。反転させてね。
 幕切れでそれまで繰り広げられてきたドラマは実は作中作であると言うのが明かされるわけだが、いきなり画が変わってしまい、もしかすると、この意図が伝わらない人もいるんじゃないのかな。と言うか、劇という媒体ならかろうじて成立するかもしれないが、映画という媒体ではせっかくのアイデアも着地してないような……。別の見方をすると、時折現れる霊媒師の名義で最後クレジットが出るので、もしかすると、2人が死ぬことで漁夫の利を得た霊媒が結果入手したシナリオ「死の罠」を持ち込んで成功したラストシーンともとれるんだが。やっぱ、後者か?
●先日、ふと見た看板で非常に面白いものを発見。一部モザイクかけましたが。たぶん、酔っぱらいがいたずらしてこうなったんだろうが、このセンス大好き(笑)。元は、「アルバイト募集」

11月6日(木)〜7日(金)
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●「トリック」も既に放送4回を数えたが、今回のスキャットスリット美香子編は過去の作品に比べても遜色のない出来かも。まあ、細かいどころか「そんなわけはないだろ!(ビシッ)」とつっこみたくなるトリックはさておき(夜はともかく、昼は気づくだろ、をい)、ゴールデンタイムでも妥協しない数々の小ネタとか細かいミスディレクションとか初期以上の出来で円熟の域に達したかも。いやぁ、今後が楽しみです(実は、パート3はもう良いだろうと思ってた口なので)。
●『鉄路のオベリスト』『にぎやかな眠り』【bk1】『クレオパトラの夢』【bk1】読了。

11月8日(土)9日(日)
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●幾つかのサイトで触れられているが、新本格装丁の第一人者、辰巳四郎が亡くなられたようで。ご冥福をお祈りします。
 綾辻行人の《館》シリーズ、京極夏彦の京極堂シリーズ(あの表紙の妖怪の画、辰巳四郎自身が描いてたと知ったときはビックリした)をはじめとする辰巳四郎の装丁シリーズが打ち止めになってしまうのは哀しい。そう言えば昔、森村誠一の『悪魔の飽食』の角川文庫版新カバーが辰巳四郎っぽいオブジェを使ってたので装丁が誰か見てみたら、やっぱり辰巳四郎。当時は何故か辰巳四郎は講談社の新本格専属装丁家だと思ってたので結構ビックリした覚えがある。まあ、一番ビックリしたのはここで触れられている事実だったりするんだが。何冊か持ってるのに気づかなかったよ。そう言えば、創元版のクイーン《国名シリーズ》の新装版の装丁も辰巳四郎だったよね。
 綾辻行人のエッセイ集『アヤツジ・ユキト』に載ってるヨギ ガンジーっぽい笑顔が浮かぶ。シリーズの装丁を結構手がけていたので、今後どうなるのか、その辺心配かも。

11月10日(月)〜12日(水)
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●『アスタロト 全2巻』(魔夜峰央/秋田文庫)★★★★
1巻【bk1】/2巻【bk1
 タイトルからも伺えるように、『パタリロ!』本編にも出てくる、アスタロトがピンで活躍する話。ん? アスタロトが『パタリロ』より先に生み出されたキャラだっけ? とりあえず、今回読んだ『アスタロト』は1991年から1994年までの間に「別冊プリンセス」に連載されてたものと(これが、3ヶ月に1回の発行のようだから、気が長い話で……)、「ひとみCCミステリー」に連載された外伝を収めたもの。実は、それとなく探してたので今回の文庫化集成は結構嬉しい。
 作者がギャグ体質なのか、所々ギャグが挿入されていて非常に楽しい。アスタロトとベールゼブブの対立から魔界の二分する大陰謀に発展してしまう正伝は、終わり方が尻切れトンボっぽくて残念。いや、これはこれで結構綺麗に閉じているのだが、綺麗に全て終わってめでたしめでたしと言うのを期待してたのでちょっと残念。が、外伝が滅法面白かった。魔界から人間界へ逃げ延びたアスタロトが(しょっちゅう問題を起こして逃げてる気も(笑))クトゥルーの邪神と対峙するクトゥルーもの。舞台がカクテルバー(簡単に言えば、男娼宿)というのは魔夜峰央らしい(笑)。よくできた作品で、魔夜峰央のストーリーテラーとしての才能が縦横無尽に発揮された作品と言える。
 番外編の「時の晶玉」はトリッキーな1編で、時間系SFが好きなら読んでおいて損はない1編。
●『妖怪博士』『ZOKU』【bk1】『怪奇探偵小説名作選9 氷川瓏集 睡蓮夫人』【bk1】読了。

11月13日(木)〜17日(月)
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●16、17の2日間開催された某ミス研の学園祭での推理撃、いや、推理劇。何故か採点を担当。そもそも原案だけだったはずなのに(笑)。2種類用意し、私が担当したのは喫茶店のマスターがダイイングメッセージを残す、と言うもの。要請としてはわかりやすくなおかつわかりにくく、シンプルにという或る意味無茶なものだったが、先方の要求をクリアするネタを提供はできた。この段階での目標正解率3割。ただ、シナリオを読んだ段階であまりにもわかりやすすぎないかな? と思って配る捜査資料にいろいろと小ネタミスリードを入れたものの、肝心なところを見落としていることに気づいてなかった。初日は、原案を担当した「割れたティーカップの謎」の正解率が7割を超え、正直
_| ̄|○
 もの。原因が小道具にあったことに気づき、小道具を差し替え、あからさまにヒントになる台詞をを1、2ヶ所削ってシンキングタイムの時観客が小道具を見れる状態にしたら正答率が2〜3割に激減。さらに、解答の中に意図通りの誤答があり、
意図通りの誤答キタ━━(゚∀゚)━━!!
 状態で私の中の収支はとんとん。2日目に後の方でお客さんの反応を見てたら解決編で「おお!」と言う反応があって結構嬉しかった。散々深読みしてきっかりとした解答を書いた間違いの次の解答を採点し、それが1行で正答を書いたものだった故にに思わず「うわ、こいつむかつく!」と叫んだのはここだけの話だが(笑)。
 もう片方は鬼のように難しく、採点基準を甘くしないと正解が出ない、と言うくらいのものだったが、解答編で客席から探偵役登場と言う趣向が凝らされており、その時の客の反応が最高だった。だってさ、後の方の客席から探偵が「お困りですか?」と言った瞬間、「ああん?」と言う顔で客が振り返るんだよ(笑)。会場の後の方で爆笑をこらえるのに必死。
 客の入りは予想を遙かに上回るもので、その辺ビックリ。なお、私が提供したネタはビジュアルトリックでノベライズは不可能なので、あしからず。
●先日、風呂の方から「ガシャン!」と言う音がしたので、見てみると、換気扇のふたが落ちた……。なんでやねん……。
●『被告A』【bk1】『魔女の死んだ家』【bk1】読了。

11月18日(火)〜20日(木)
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●諸々所用が一応片づいたので、久しぶりにのんびりする予定。もう年末か……。
●『帝都探偵物語C さらば美しき魔女』【bk1】読了。

11月21日(金)
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●「トリック」、スリット美香子編に続いて先日解決編が放送された死なない老人ホーム編は、既に方々で言及されてるけれども、レベル高い。まさかここまでハイレベルなものになると思ってなかったから、結構嬉しい。このまま最終回まで突っ走って欲しいものだが。
●あれ、ミステリ系更新されてますリンクがストップしてる……。そろそろアンテナ導入しようかな……。

11月22日(土)24日(月)
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●つうわけで、22日は山口雅也講演会でした。
 事前に用意した質問に山口雅也が答える、と言う形式。山口雅也のあまりにも巧みすぎる話術に引き込まれる。ネットオークションの話とか、「エラリー・クイーン劇場」の話、ミステリの映像化に際して《垂里冴子》シリーズが映像化されたときの話を引き合いに出したり。質問を出すたびに「1時間しゃべれますよ」等と司会者(インタビュアー)や、時間がおしていた為に指示を出していた総合司会などがいじられてたり(笑)。実に達者な話しぶり。この辺は来年でる某ミス研の会誌に……載るのか?
 客席には意外な方もおられて、色々とビックリ。1人、髪型が若干変わっただけで全然印象が変わっている人がいてコンマ数秒認識できなかったり(笑)。後、開始前に関ミス連まで会うことはないだろうと思ってた人が居て、何故か一瞬、素で逃げました(笑)。その人は貸していた漫画の返却を兼ねて、立命で或る撮影をするために来ていたようだけれども。
 と言うわけで、色々とお疲れさまでした。
●『聖遺の天使』【bk1】『ヨットクラブ』【bk1】読了

11月25日(火)〜26日(水)
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本格ベストの発売は、12月1日らしい。うーん、一番早いベスト10と言うことで、結構楽しみです(たぶん、1位は『○○の○○に○を○う○○○○○』と思うが、どうなんだろう。
●『折鶴』『家守』【bk1】『好きよ』【bk1】読了。

11月27日(木)〜28日(金)
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●『爺さんと僕の事件帖1 机の中の秘密』(しかくの/角川書店)【bk1】★★★☆
『爺さんと僕の事件帖2 最後の一葉』(しかくの/角川書店)【bk1】★★★☆
『越境する本格ミステリ』でも紹介されていた、所謂《日常の謎》系統のミステリ。昔「ダ・ヴィンチ」でミステリ漫画特集があったときも紹介されてました。とりあえず、読む機会を得たので読んでみました。
 主な舞台は小学校で、主要キャラは小学生のガキども。加えて安楽椅子探偵型のお爺さん。先に《日常の謎》系統のミステリと書いたけれども、主人公が変な人に殺されかけるし、人が死ぬ話はあるしでホントに《日常の謎》系なのか? と思う(笑)。画と内容がマッチして手非常に面白いんだけれども。
 印象深いのは、1巻収録のテスト問題流出事件(或る機械が出た時点で扱ったことがある私には見え見えだったが)と2巻収録の1人の少女の死が起こした波紋を描く話。2巻の掉尾を飾るお爺さんの過去の話は一瞬「んぁ!?」と思ったけれども、最終的なひっくり返しで爆笑。
 と言うわけで、機会があれば3、4巻も読みます。で、3、4巻もこんな感じなの?
●『千年の黙』【bk1】『青銅の魔人』読了。

11月29日(土)30日(日)
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●『ひみつの花園』(杜野亜希/白泉社)【bk1】★★★☆
 八尾の猫さんの所で存在を知って、面白そうだったので読んでみました。巻数表示がなかったので全1巻とおもってたら、続き物の第1作だったというオチがついたのはここだけの話だが(正確には、続編が出来そうな終わり方。この方面に詳しい人に聞いたところ、雑誌では既に続編が載ってるらしい)。
 花屋さんを舞台にした連作ミステリと言うことで花に関する蘊蓄を期待して読んだが、その辺はクリアしていると思う。だが、ミステリ的なところより寧ろ、キャラクターに目がいってしまうんだけれども。渋い系のおっさん(見た目はおっさんに見えないが)に、18なのに小学生にしか見えない女性のキャラクターの組み合わせは狙ってるだろ(笑)としか言いようがない。
 とはいえ、ミステリ的なところは結構しっかりやっててくれるので割と安心して読むことが出来た。物語的なものが主導で、どっちかといえばミステリ的なところは添え物っぽいけれども。
 と言うわけで、以降読むかどうかは別として、割と楽しめる1冊ではあると思います。
●『妖女のねむり』【bk1】『きみとぼくの壊れた世界』【bk1】『乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル』【bk1】読了

12月1日(月)〜2日(火)
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●「本格ベスト」、もう出てるようですね。藤原編集室編集本が海外編トップ10の内5作を締めると言うのとか、歌野晶午が1位と言う情報がネットで流れてるけれど、他どうだったんでしょうか。気になるところ。明日あたり店頭確認するか。
●『アヒルと鴨のコインロッカー』【bk1】『スリーウェイ・ワルツ』【bk1】読了。

12月3日(水)〜4日(木)
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●さて、「2004 本格ミステリベスト10」【bk1】も届いて一読したので、この辺の話でも。1位がアレだったことは既に色んなところで書かれているとおり。自分も投じておいてなんだが、皆さん他に投じるものなかったんかいな? と言うくらい投じたほとんどの人が1位に挙げてました。それだけカタルシスが大きかったんでしょう(かくいう私も層ですが)。総合1位と言うのは割と簡単に予想ついたけれども、2位に倍近い差をつけるとは思わなかった。あと、『赫い月照』が10位以内に入ってるのは結構ビックリ。入れる人少ないだろうな、と思ってた故に。
 実は、締め切り前の段階で私の下に投票している人を揶揄して「例年私のコメントの次に頭の悪い揶揄を書き飛ばしてる人がいますが云々」と書こうかと思ってたけれども、さすがにこういう場所で書くのはまずいかな、と思ったので自主却下。普通に書いてたら入れるスペースもないよね、と言う話なのだが(逆に言えばスペースが余ってたらやらかしたかも(笑))。
 と言うわけで、この辺の話題をしばらく続けます(笑)。
●『猪苗代マジック』【bk1】『結末のない事件』【bk1

12月5日(金)〜6日(土)
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●半年に一度のお楽しみとなった『パタリロ西遊記!』の最新刊。買ってきて一読して。うう、今回はギャグが少ない……。ギャグが楽しみだったのに……。クトゥルーものの要素も入ってきて、以降どのような展開になっていくのか、予断は許せない。ま、こういう無茶なハイブリッドが魔夜峰央作品の魅力なんだけれどもさ。
●「本格ベスト」の話は明日以降で。
●『古墳殺人事件』【bk1】『魔』【bk1】『黒娘』【bk1】読了。

12月7日(日)〜9日(火)
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●と言うわけで、「本格ミステリ・ベスト10」の話。トップ10迄の結果が入選作が本投票と読者投票でほとんど変わらない、と言う市川尚吾さんの指摘は興味深い。差し替わっているのは『「アリス・ミラー城」殺人事件』と『OZの迷宮』くらいなもので、両者はしかも、どちらとも本投票と読者投票ではトップ20に名を連ねている。この辺の鑑みると、本投票が読者側を無視した、マニアックな、或いは内輪受けなものになってはいないと言うことがわかる。まあ、読者投票の母胎が本投票より少ないと言うのがネックなのだが。本投票読者投票共に『葉桜の季節に君を想うということ』大人気と言うのは嬉しい。
 毎年楽しみにしている復刊総括や漫画、映像ミステリ紹介も充実。ライトノベルミステリ紹介の中で興味アリな作品があったのでいずれ読みます。
 来年の作家さんの予定で楽しみなのは加賀美雅之の2作目とか、いよいよ出るか『暗黒館の殺人』、飛鳥部勝則の新作とか。来年度もなかなか面白いのが読めそうで待ち遠しい。
 こんなところでしょうか。
●『毒薬の輪舞』『悪魔の紋章』【bk1】『クライマーズ・ハイ』【bk1】読了。

12月10日(水)〜11日(木)
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●ふた足くらい遅れたけれども、「このミス」【bk1】の話。
「このミス」「本格ベスト」2冠達成とか、伊坂横山ベストテンに2作たたき込むとかいろいろあるけれども、各ジャンルバラバラと程良く混ざってて今年は健全だな(笑)。と言うより、各方面元気だったんだな、とわかる。未読の中で気になるのは冒険小説系の『ワイルド・ソウル』『太平洋の薔薇』の2作。
 しかし、なにより一番驚いたのは、こちらにあるように、《晶文社ミステリ》の4タテ。ベスト20に1作くらいは入るだろう、と思ってたけれども5作入って4作は続けてランクインと言うのは快挙と言うべきだろう。裏を返せば、今年の海外ミステリは全体的に不調気味だったと言うことなのか?(いや、《晶文社ミステリ》の作品が駄目というわけではないんだけれども。どちらかと言えばいささかマニアックだし)。
 そういえば、長屋の座談によると今年から投票者へマニアックなものは避けてください、と言うのを付した書状があったらしいが、マニアックなラインナップだから面白くて如何にも「このミス!」というランキングになるんじゃないのかな……。まあ、海外に限ってはあまり効果はなかった気もするが(笑)。
 とまあ、こんな所でしょうか。
●『陰陽師九郎判官』【bk1】読了。

12月12日(金)〜13日(土)
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●都筑道夫がお亡くなりになったようで。ミステリ史を鳥瞰するまでもなく国産ミステリ史に於いて重要な役割を担った人だったわけで。代表シリーズ《退職刑事》シリーズや《なめくじ長屋》シリーズなど読んでないし、代表作に挙げられる『三重露出』『猫の舌に釘を打て』とかあまり合わなかったんで良い読者ではないよな>自分
 なにはともあれ、ご冥福をお祈りします。代表的なシリーズくらいは押さえようとは思いますが、いつになるやら……。とりあえず光文社の選集でしょうか。
●『接近』【bk1】読了。

12月14日(日)〜15日(月)
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●先月末に出た鬼束ちひろ、「私とワルツを」について。
 ご存じ「TRICK」のパート3のエンディングテーマ。CW曲は「Rebel Luck」でアルバム『Sugar High』からのカット。これはこれでなかなか名曲です(余談だが、『Sugar High』収録曲で最も気に入ってるのは「Castle imitation」だったりする)。
「TRICK」のエンディングの画像と曲のコントラストは見事で、一見の価値はあり。この「私とワルツを」はタイトルからして鬼束ちひろらしい曲で、その独特の暗さは特筆に値する。特に、後半の
 
悲鳴こえを上げて 名前を呼んで
一度だけでも それが最後でも
 
 のインパクトは結構ある。鬼束ちひろの詩にはインパクトがあるものが少なくないが、これはその中でも上位に来るかも。
 ようやくというか、本来の調子の曲が出てきた気がする(いや、最近丸くなった曲が少なくなかったし)。とはいえ、この曲が昔作った曲からの蔵出しである可能性は否定できないのだが。
●知人が有栖川有栖カレンダーを作成したらしく、宣伝を頼まれました。詳しくはこちらから
●『衣裳戸棚の女』【bk1】読了。

12月16日(火)〜17日(水)
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●『J'sミステリーズKING&QUEEN 海外作家篇』(相川司、青山栄編/荒池出版)【bk1】★★★
 国産ミステリのガイドブックとしてはほぼ最強、というべき『J’sミステリーズ KING&QUEEN』の続編或いは姉妹編と言うべきもの。
 国内編に比べて各作家の解題が充実していないのは寂しい。量的には2/3くらいに減っている。さらに、クリスティやクイーンはあるのにチェスタトンが漏れているとか、ロイ・ヴィカーズ入れなくて良いの? となんか作家選定も物足りなさ感じる。とはいえ、バリンジャーやリチャード・ニーリイを本格に入れてたり(ここでバリンジャーのフルネームがビル・サンボン・バリンジャーと知った)結構無茶をやってたりして、その辺楽はしい。ミステリ映画の対談で「名探偵登場」に触れてなかったのは寂しかったが。
 古本相場の話で『殺す者と殺される者』が実はカバー無しバージョンもあるとか、フラナガンの『アデスタを吹く冷たい風』の初版美本が未だに価値があるとか、結構面白い情報も。
 国内作家編に比べて充実しているとは言い難いが(逆に国内作家編が充実しすぎたっだと言う話もあるが)、読んでみようかな、と思う作家が何人か増えたことは確か。物足りなさをさっ引くと、割とよくできたものではなかろうか(最大の敗因(?)は、オールマイティなものを目指して手を広げてるところなのであろうが)。とはいえ、索引がないのはちょっと減点ものである(国内作家編はある)。
●『有翼騎士団』『黒の貴婦人』【bk1】読了。

12月18日(木)〜19日(金)
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結構楽しみなラインナップかも。都筑道夫はパズラー系や前衛系はあまり合わないが、アクション系は合うことは判明しているので、読むことにしよう。ラインナップはアクション系ではないが、たぶん、怪奇小説系も合うと思う。都筑道夫もポツポツと読んでいこうかな……(追悼とか、そう言う意味ではないんだけれども)。
●もう一発。天城一の短編集(商業出版、単著)が出るらしい。ああ、本当にそう言う時代が来るなんて(笑)。いや、前に「この復刊のムーブメントが続けば商業出版で天城一が出るかも知れない」と書いた事あるけれども、ホントに出ると思ってなかったから。
●『ウッドストック行最終バス』【bk1】読了。

12月20日(土)〜22日(月)
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●「トリック」★★★★
 大人気ドラマの第三弾。個人的には映画でこのシリーズは終わったと思ってたので、実はオフラインで第3弾はやるだけ無駄、過去の栄光(?)を汚すものでしかない……と開始前に散々けちょんけちょんに言ってたのだが、ところがどっこい、予想を遙かに上回る出来の作品だった。それに気がついたのは「スリット美香子編」で。第1シリーズ前半のテンションでミステリ的にも面白く、続く「人が死なない老人ホーム編」はパート1から通しての最高傑作と言うべきものになっている。最終回はシリーズの原点と言うべき黒門島に舞台が移り、或る意味ハッピーエンドと言うべきものになっている。
 たぶん、この調子ならば第4弾もあるだろうし、期待も出来るかも知れない。
●関ミス連の話は明日以降に。大谷ミス研の方、お疲れさまでした。
●『水上音楽堂の冒険』『白い兎が逃げる』【bk1】読了。

12月23日(火)
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●と言うわけで、関ミス連の話。
 場所は大谷大学。実は、折り畳み傘がそろそろおくたばりあそばしそうなので、北大路ビブレで傘を買ってから昼食をとって会場入りしようと予定より1時間早く部屋を出る。とりあえずいい感じのが合ったので即購入(余談だが、この傘、ボタン一つで折り畳みも出来るという優れものだ)。昼食をマクドでとり(中華風の奴を食べたのだが、量が少なくて(泣))、会場へ。キャンパスの入り口付近で案内にミス研の方が立っておられたので案内を願う。
 会場入り口付近で某ミス研の人間とその御友人がいたので挨拶。とりあえず会場に入る。会場内では某ミス研メンバーとうだうだと話す。
 会場の建物で注文していた
「別冊シャレードVol74 天城一特集9」(甲影会)
「別冊シャレードVol76 天城一特集10」(甲影会)
 を受け取る。天城一特集はこれで終わりのようだ。天城一特集9をぱらぱらと眺めると、これ以上出す意志はなさそうである。長編出るかな? と期待してたのになぁ。あと、斎藤肇特集と泡坂妻夫特集も戴く。
 開始時間間際になっても来ると言ってた人間が来なかったので電話してみると……寝てました(笑)。もう1人と「寝てたりして(笑)」と冗談で言ってたらホントに寝てたとは。やっぱり期待を裏切らない人でした。
 講演会は質疑応答。しかし、冒頭の質問に《本格ミステリ・マスターズ》の新刊いつ出るの? と言う質問があって鬼だな(笑)、と思ったり。結構普通に喋ってました。
 で、オークション。今回は2、3冊しか買うものないなぁ、と出品されたものを軽く見て思ってたが、結構買ってしまった。2冊ほど勢いづいてうっかり買ったのもあったり、見落としてたのもあったりと結局6冊購入。この中で珍し目のものは
『不思議の国の犯罪者たち』(山田正紀/文藝春秋・絶版)
『美しい蠍たち』(山田正紀/徳間ノベルス・絶版)
『パッチワーク・ガール』(ラリー・ニーヴン/東京創元社・絶版)
 あたり。特に『パッチワーク・ガール』は蝸牛の歩み寄り遅い「SFミステリ補完計画」用に欲しかったので結構嬉しかった。しかも、ただでもらえるというものだったのでうれしさ倍増。1000円から2000円は出す気でいたし、《イラスレイティッドSF》の叢書から出ていたから挿し絵付きと言うもの。まともな古書相場っていくらくらいなのかな(調べたら千円前後でした)。なお、オークションで使った額は300円前後(笑)。10円とか、100円でばっかりおとしてたし。そういえば、カーの『眠れるスフィンクス』が出た際、ちょっと欲しいかな? と思ったので100円→200円→500円と値を上げていったら、上げた値段+10円と言うのを3度にわたってやられたのはチトむかついた(笑)。最終的には710円で私が降りた。実は、500円超えた時点で買う気は失せてたのだが、後は意地というか(笑)。710円の時点でもう少し釣り上げてやろうか、と思ったが
 終了後、知人と3人で食事。なんだかんだ話し込んで最後はケツが痛かった(笑)。しかし、「○×さんはあれやこれやで一生分の古本運使い果たしたよね(笑)」と言うのをそのままチクられて焦りました(笑)。
 と、こんな所です。
●『毒草/摩耶の場合』読了

12月24日(水)〜26日(金)
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●2003年最後の更新になります。
 今年はe-NOVELSの企画に参加させて戴いたり、「本格ベスト」の投票に引き続き参加させて戴いたりと色々ありました。
 読む方と言えば、相変わらず脈絡なかったり(笑)、積読は減ってなかったりで例年通りか。とはいえ、割と消化できた気も。その中では赤城毅作品が収穫。あまり高評価は聞かないけれど、たぶん、それは読んでる人が少ないからだと思う。《帝都探偵物語》のシリーズや『魔大陸の鷹 全3巻』は所謂探偵小説ファンなら読み落とせないものかと。そういや、復刊系はあまり読めなかったな……(買って積んではいる)。逆に、翻訳物は割と読んでるな。そう言えば、《昭和ミステリ秘宝》や《本格ミステリコレクション》の続刊はどうなるんだろう。あと、《怪奇探偵小説名作選》も(2ちゃんの復刊スレではまだ予定はありそうだったし)。
 とりあえず、『別冊シャレード』の天城一、山沢晴雄関係は目標数消化したし(来年も続行予定)、蝸牛の速度より遅い速度で「SFミステリ補完計画」進行中。来年はもう少しスピード上げよう。
 と言うわけで、来年も宜しくお願いいたします。例年通り、私家版ミステリベストやりますのでお楽しみに(?)
●『錦絵殺人事件』【bk1】『失はれる物語』【bk1】読了。

12月27日(土)〜31日(水)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0311_12.html#b27_31
●「模倣犯」★★★
 大ベストセラーになった宮部みゆきの同題小説の映画化。
 酷い酷いとの酷評ばかりだったのだが、思ったより良くできていた。ただし、映画としてではなく豪華キャストのテレビドラマとして。前から邦画の欠点の1つはテレビドラマと同じ目線で作ってることではないのか? と思ってたけれども、この映画版「模倣犯」はその典型。地上波放送でみたから「思ったより良くできていた」なんて感想になったのだが、1800円出して劇場でみてたら怒ってたかも(笑)。  原作とは結末が変わってる気がするが、その辺はどうでもいい。小説版の最大の山場であるワイドショーに於けるピースの崩壊がどう描かれるか楽しみにしてたのに、なんかあっさりしてて物足りない。ま、しょうがないかな。
 あの分量をアレだけの時間に圧縮したその手腕はとりあえず評価できる……かな。というか、やっぱ、原作の分量を考えると、連続ドラマで映像化と言うのがベストだったような気もするが。
●『夢・出逢い・魔性』【bk1】『薔薇の名前』【bk1】『犬神家の一族』【bk1】『シャム双子の謎』【bk1】読了。


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