2006年10月−12月

10月1日(日)〜13日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#a1_13
●「からくり事件帖」★★★
 山田風太郎の名作のひとつ、『警視庁草紙』をNHKの金曜時代劇の枠で連続ドラマ化したもの。全9回の放送で、原作からチョイスした重要エピソードをこの枠ぎりぎりの範囲で映像化している訳なんだけれども、いくつかこんなんならば無理しなくても……なんてエピソードも。まあ、Vシネマならともかく、公共の電波ではハメ撮り写真の撮影風景なんざ流せないでしょうけれども。
 この映像化で笑えるのは、千羽兵四郎という、主人公格の一人の黒頭巾姿。どうみてもバイ○ン○ンで締まらないことこの上ない。逆に感動したのは、原作のエピローグにあたる行軍シーン。粛々としたものになっており、他に不満が多々あれどもこれだけで許せてしまうものが。
 しかし、NHKだからすぐにでも再放送するだろうと思ってだけれども、なかなかやらなかったので本放送時に録画してなかったのを激しく後悔したものです。まあ、見れて良かった。
●『証拠は眠る』【bk1】『復讐する化石』【bk1】『ローリング邸の殺人』【bk1】『ウロボロスの純正音律』【bk1】『邪魅の雫』【bk1】『翼とざして』【bk1】『毒杯の囀り』【bk1】『ボトルネック』【bk1】読了。

10月14日(土)〜20日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#a14_20
●鳴り物入りで連載が開始された田中啓文『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』(集英社文庫)を原作とした漫画「わらばな」(つうか、この根性のなさそうなタイトルは何だ)があっさりと打ち切りに。原作は読んだけれども漫画は読んでない(そもそもまだ単行本になってすらいない。単行本にならない可能性も?)と言う人はもしかすると疑問に思うかも知れない。原作は面白いのに、なんで? と。
 打ち切りの理由――漫画版の不人気――は簡単。漫画担当(もしかしてこれは編集者の責任か?)が「翻訳」に失敗したから。原作がの持ち味を思いっきり崩しているわ、画と原作の相性が異様に悪いわで打ち切りにならない方がおかしい。寧ろ大人気で原作を消化してしまい、漫画オリジナルのエピソードが続いた日には自分の鑑賞眼が信じられなくなります。
 連載1回目を読んだとき、このエピソード(原作第1話)を50ページも使って漫画にして大丈夫か? と危ぶんだのだが(漫画、それも連載ならば主人公竜二と梅寿の出会いのエピソードはちゃっちゃと流すべき――正確に言うならば、20、30ページでさっさと終わらせる――でしょう。そして本編にさっさと入る)、案の定というか。以降も前後編でやるならまだしも3話も4話も使ってのんびりと消化しやがって原作の面白さを見事なまでに殺している。ここまで来ると才能かも。漫画化したのは文庫版の表紙の絵を書いた人でもあるんだけれども、画と原作が全く噛み合ってない。あまりにもお上品な画に加えてお上品に変換されたストーリー。少なくとも漫画家を担当した人に原作に対する愛はないでしょう。この辺せがわまさきによる山風忍法帖の漫画化と対照的だ。
 映像関連のミステリを紹介したムック『越境する本格ミステリ』(扶桑社)で映像化の失敗の原因として小説と映像の文法の違いを理解していない人が作るから、と言うのを挙げていた気もするが、まさにそんな感じ。
 原作である『ハナシがちがう!』(この文庫化に伴う改題もなんかチョット……と思うんだが。単行本版のタイトルは『笑酔亭梅寿謎解噺』)が面白いだけに、漫画だけ読んだ人に原作も面白くないかったるいものである、と勘違いされてしまったのではないのかと思えるだけに非常に残念である。
●『ヴェサリウスの柩』【bk1】『情けは人の死を招く』【bk1】『マンアライヴ』【bk1】読了。

10月21日(土)〜27日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#a21_27
●本は出版されても売れなければ増刷しないし、増刷されなければ売れてしまった時点で品切れとなる。最近知ったのだが、徳間文庫から刊行された《山田風太郎妖異小説コレクション》第1期全4巻、軒並み版元品切れの様子。また、バークリーの『地下室の殺人』も版元品切れなようだ(まだ買ってなかったのにorz)。調べればまだまだ出てきそうだが、面倒なのでヤメにする。本というのは出版されたその時点で品切れへのカウントダウンが始まっている、というごく当たり前のことに気づいてむせび泣く今日この頃。
●この間の田中啓文の『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』の漫画について。じゃあ、だれが漫画化したらおまえは満足だったのか? と思われる方もおられるであろう。私は魔夜峰央を挙げたい。この人もきれい系の画なんだけれども(少女漫画の人だから当たり前と言えば当たり前)、案外巧くいったんじゃないのかな、と思う。と言うのも、この人落語やミステリに対する造形はなかなかのもので『パタリロ!』にはくすぐりは当然として落語やミステリを下敷きにしたエピソードが多数あるのだ(落語に関してはこのサイトを参照)。が、この人が漫画にした場合、一つ欠点があって、あまりにも咀嚼能力が並はずれている故に原作ではなく原案になっちゃう、と言うこと。恐らくは各キャラクターを『パタリロ!』のレギュラー陣に置き換えるであろうし、タイトルも『パタリロ落語捕物帖』に変わったりしたりして(笑)。でも、結構マッチしそうなので(想像したら結構楽しい)、もし機会とスケジュールさえ合えばやってほしいかも(その際は白泉社の少女漫画誌に連載、になるのでしょうが)。
●『シャドウ』【bk1】『the TEAM』【bk1】『レベリオン 放課後の殺戮者』【bk1】『レベリオン 弑殺校庭園』【bk1】『レベリオン 炎を背負う少年たち 』【bk1】『レベリオン 彼女のいない教室』【bk1】『レベリオン 楽園に紅き翼の詩を』【bk1】『ダークネス』【bk1】読了。

10月28日(土)11月3日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#a28_3
●ついこの間知ったのだが、田中芳樹の『銀河英雄伝説』が創元より来春刊行開始されるらしい。この機会に名作と呼ばれるこの作品を読むのもいいかも、と思ったり。まあ、思うだけで終わりそうな気がしないでもないのだが(笑)。
bk1で始まった新サービス。んー、これってそんなに需要あるのかなぁ。パラフィン紙ならば考えるんだけれども。
●『停まった足音』【bk1】『12番目のカード』【bk1】『QED〜ventus〜御霊将門』【bk1】『ポケットは犯罪のために』【bk1】『宿命は待つことができる』【bk1】読了。

11月4日(土)〜10日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#a4_10
こちらを読んでマシスンの『奇術師の密室』を魔夜峰央の画に変換して読んだ、と言う旨の記述があってチョット笑った。案外ミステリって魔夜画との相性は悪くないと思うので、ぜひともどこか漫画家を検討してもらいたいかも(とはいえ、今の状況――何本もの連載を抱えている――では無理か)。
●『凶鳥の如き忌むもの』【bk1】『牡牛の柔らかな肉』『ノルマルク戦記(1)』【bk1】『ノルマルク戦記(2)』【bk1】『ノルマルク戦記(3)』【bk1】『ノルマルク戦記(4)』【bk1】『ノルマルク戦記(5)』【bk1】『ノルマルク戦記(6)』【bk1】読了。

11月11日(土)〜24日(金)
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●『論理の蜘蛛の巣の中で』(巽昌章/講談社)【bk1】★★★★☆
「メフィスト」に長年に渡って連載された時評をまとめたもの。連載が長期に渡った故に、もう少し厚くなると思ってたら思っていた以上に薄かったので驚いた。が、中身は特濃。毎回濃い時評を書き続けて多ものを一気に読むとその濃度に疲れてしまうところも。雑誌を流し読みする際に同時に軽く読んでいたのであるが、こうして通読するとなんとまあ濃いものを書いていたのかと感嘆する。考えてみれば、本書収録の一部は本格ミステリ大賞の評論部門の候補にも挙がったことがあるのだ。
 なにはともあれ、ミステリファンなら必読の1冊であろう。
●『ノルマルク戦記(7)』【bk1】『レンテンローズ』【bk1】『GOSICKV』【bk1】『天使の殺人』【bk1】『無防備都市』【bk1】『地獄のカレンダー』『歴史街道殺人事件』『ブラック・エンジェル』【bk1】読了。

11月25日(土)〜12月8日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#b25_8
●と言うわけで、某大学で行われた講師戸川安宣の関ミス連に行って参りました。
 私の知る限り、関西の大学で編集関係の人を呼んだのは今回が最初かも。花園が鼎談として日下三蔵を呼んだことはあったけれども、どちらかというと評論家(正確には編纂家?)だし。こういう切り口は良いと思う(後で後輩に聞いたら、最初は冗談みたいなアイデアだったらしいw)。
 話の内容自体は質疑応答を含め、興味深いものが少なくなく、「ミステリーズ!」の何十周年記念特別座談と重複する箇所はありはしたものの、アリでしょう。近年希に見る面白さだったのではないでしょうか。
 オークションでは1冊評論関係を落とす。それにしてもオークションで何冊も買っていた頃が懐かしい。余談だが、この日、非常に面白く頼もしいことが判明。いや、後輩に魔夜好きがいる、と言うのが判っただけなのだが。魔夜峰央の『パタリロ』はミステリファン必読のギャグマンガです。はい。
●『黄昏という名の劇場』『ソフトタッチ・オペレーション』【bk1】 『シャーロック・ホームズのSF大冒険(下)』【bk1】 読了。

12月9日(土)〜22日(金)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#c9_22
●「このミス」「本ミス」「文春」のランクが出揃ったけれども、なんとなく「おお!」という感は今一つ無い。いや、一個あったか。「このミス」効果か、『あなたに不利な証拠として』が新装版で新たなカバー付きで出ていたのが驚いた。ポケミスなのに結構無茶しますね。まあ、それだけ売ろうとプッシュしているのでしょうが。 「このミス」をはじめとする年間ランキングは毎年文句言いつつも買っているが、やはり、年鑑としての役割や豊富なデータは毎年さすが言うべきであろう。これがいつまで続くかは判らないけれども、会社が存続している限り続けてほしいもんだけれども。しかし、「このミス」って宝島社の書籍はアンケート外になってるけれども、これってやっぱ自社で別にプッシュするからであって公平性云々ではないよね。やっぱり。
 余談だが、「このミス」の某評論家のコメントに爆笑。あんた、文芸評論家の肩書きで方々に喧嘩売っておきながら、時間と金の節約のためにシリーズものは4作までしか読まないなんで公言してどうすんだ。まあ、方法としてはアリとしても、公言することではないでしょうが。やはり、この人はアホですね、と改めて思う(ネタとしてもも程度が低すぎる)。
●方々で話題の小説家のミステリーズ・ルーム。一応覆面、ということになっている。その正体の候補として福井晴敏が挙がってたけれども、個人的には北森鴻じゃないのかな、と予測している。正解だったら誰かなんかくださいw
●『シャーロック・ホームズのSF大冒険(下)』【bk1】『海上タクシー<ガル3号>備忘録』【bk1】『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』『犬坊里美の大冒険』【bk1】『カオスコープ』【bk1】『EDGE1』【bk1】 読了。

12月23日(土)〜28日(木)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#c23_27
●ミステリ読み必読のヴァンパイア漫画、『ヴァンパイア十字界』(スクエアエニックス)、いよいよ完結のようだ。連載をたまに拾い読みした限りではそろそろ折り返しかな、と思ってたのでこの急転直下ぶりは少々驚いたり。来年の完結巻刊行まで連載を読むかどうかは迷い中だけれども。
●2006年の更新はこれで最後。皆様良いお年を。そういえば、恒例の(?)某板某スレの来年のご予定はいつ発表なのかなぁ。
●『イヴの夜』【bk1】『信長あるいは戴冠せるアンドロギュノス』【bk1】『It(1)』【bk1】 読了。

12月29日(金)〜31日(日)
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/arasiyama/diary0610_12.html#c29_31
●とりあえず、来年も復刊盛りだくさんなようで。楽しみですね、と最後の更新の後に書いてみる。
●『It(2)〜(4)』読了。


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