1999年8月

8月1日(日)
●某畸人郷のメンバーの一部がジグソーハウスに集う。私は行くか否か迷ってたが、いろいろ煮詰まってた(煮詰まりかけてた←どっち?)から気分転換を兼ねていくことに。下車駅を間違えて少し往生。私は30分ぐらい居て、その後太秦の古本市場を回る。喫茶店で休憩したのち、私は某大学ミス研の飲み会があったために、白梅町で下ろしてもらう。
●飲み会。キーワードを並べようと思ったが、面倒なのでやめにする。一つ言えるのはいろいろあった。以上。別に深い意味はないですが。

8月2日(月)
●1時過ぎ解散。会長と一人贈ってじゃなくて、送って私はカエル(ゲコ)もとい帰る(しつこい)
●某ルートをたどって、知人が作った有栖川関係の同人誌が一冊私の手元に届く。さっと目を通してたらこの日のレポートが掲載されてました(笑)。「まさか司会は描いてねえだろうなあ」と思ってたら案の定描かれてました(笑)少し似てる……かも。しかし、マイクのことをばらさなくても(苦笑)ま、自分でもここで書いてたからいいとして。
●よく考えてみたら、ノストラダムスの予言の月が既に終わってるではないか。信じてた訳でもないが。まあ、予言なんてそんなモンだよね。っつーか、8月説9月説もあるようだけれども、どーなんだろ、実際。

8月3日(火)
●求職中なのであるが、アルバイト情報マガジンって中心は大阪なんだよね。大阪方面のバイトは腐るほどあるけれど、京都方面は限られる。う゛ー、不便。とりあえず家庭教師の登録片っ端からしておこうかな、なんて思ったりするが。
●一部で話題騒然(?)の『黒死館殺人事件』であるが、以前どこかで二回読んだと言う事を言ったけれども、正確に言えば二回読んでいない。1回と11分の7回である。11分の7というのは非常に細かいが、なんて事はない。全11章のうち7章でギブアップしたからである(笑)『黒死館殺人事件』は三大奇書の一つとか、アンチ・ミステリとかいろいろと称号がついて回ってるが、最大の魅力は月並みなことであるがペダントリーの奔流か。多分。三大奇書と言われるのは先述の『黒死館殺人事件』、『ドグラ・マグラ』、『虚無への供物』なのだが、前二者は「奇書」と言われるのがなんとなく理解は出来るが、『虚無への供物』が「奇書」になってる所以が今一理解できない。一度読んだが、読了後の感慨は「真っ当な探偵小説だな」である。何でこれがアンチなのか、奇書なのか首をひねらざるを得ない。もう一回読んだら前よりは『虚無への供物』のアンチたる所以が、少しは理解できるのかもしれんが。そう考えると江神さんって偉い(全然関係ない)

8月4日(水)
独り言の間の文章をしこしこと書いてるわけであるが、なかなか進まない。第三の波(新本格)関連なんだけれども、どーも論旨が一貫しない(いつものことか?)。タイトルは「新本格に至る病(仮題)」乞う御期待。「メフィスト考4」とどっちが早いか(笑)。ま、似非評論はともかく、小説書かないとなあ。二周年記念企画クイズ「見えない人(仮題)」原稿用紙一、二枚分書いた時点で止まってるし(笑)
●「メフィスト」購入。座談会で某大学ミス研所属者がメフィスト賞に送ってた事が発覚。作者が誰かは、私は知りません。少なくとも私ではないですが。鋭意調査中(結果発表は多分ない(笑)。)タイトルセンスから予測はついてますが……掲載されてるのは毎号楽しみな柄刀氏の「三月宇佐見のお茶会」のシリーズ、西澤氏のチョーモン委員もの、御手洗中編、綾辻氏の犯人当て(?)『盤上の敵』(北村薫)と『麦の海に沈む果実』(恩田陸)の完結編、京極氏の榎木津中編、はやみねしの短編、猫丸短編、ウロボロスなどなど。うひひ←何故笑う?
●購入した「メフィスト」の短編を数編読む。詳しい感想は「メフィスト考4」で書くとして、読んだ順に「伊園家の崩壊」(綾辻行人)★★★☆、「素人芸」(法月綸太郎)★★★、「探偵の匣」(柄刀一)★★★☆、というところか。

8月5日(木)
●目が覚めて8時と思ってたら7時だった(笑)最近早い時間に目が覚める。良い傾向である。昼寝しなけりゃもっと良い傾向。
ここでさんざん文句たれた成果か否かは解らないが朝日新聞で「真夏の読書特集」を組んでいた。成果というのは時期的な問題だけれども。独り言の間で触れるか否か少し黙考中。
●引き続き「メフィスト」。「夜届く」(倉知淳)★★★、「虹北みすてり商店街 心霊写真」(はやみねかおる)★★☆、「転・送・密・室」(西澤保彦)★★★☆、「Pの密室」(島田荘司)★★★。読み切り短編はほとんど読んじゃったなあ。を、「有罪としての不在」の結果発表にふーまーさん以外の知ってる人の名前発見(笑)。後の読んでない残りは明日に。

8月6日(金)
●またまた「メフィスト」。「どちらかが魔女」(森博嗣)★★★、「山颪」(京極夏彦)★★★★の2編。読み切り短編は残り2編であるが、読むか否かは未定。
●ビデオに撮ってた「らせん」を見る。内容とは関係ないんだけれども、相原さん自分で調べなさすぎ(笑)。原作が内包する恐怖の正体(原作ネタバレ私が考えるに、ウイルスが蔓延するように「リング」の恐怖が蔓延する恐怖かなあ)や○○ー○は早い段階で出てきているが、以降どうやって引っ張っていくか楽しみである。次は貞子降臨
●『ハサミ男』読了。サイコ本格ミステリ?

8月7日(土)
「エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち」
 山口雅也と石川喬司の両氏が編纂した、恐らく日本で唯一のクイーン読本。「そのライヴァルたち」と言うところからも解るように、取り上げられているのはクイーンだけではない。EQの他にはドルリー・レーン、ネロ・ウルフ、フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿が取り上げられている。私が図書館で借りたのは版元が西部タイムズ。パシフィカと言うところから出てた「名探偵読本」の復刻版のようである。発行年月日は1987年5月。新本格の嚆矢『十角館の殺人』が出た年である。結構興味深い事実かもしれない。
 で、内容であるが乱歩松田道弘の新旧カー問答、オットー・ペンズラーのクイーン論、鮎川哲也と田中潤司両氏の対談など盛りだくさんである。山口雅也、栗本薫、田中潤司、故稲葉昭雄らの座談会で名探偵の未来について述べられているが(初版刊行の1979年当時は現在のような名探偵主導のミステリは絶滅寸前だった……らしい)今のミステリシーンを見てどう考えてるか、栗本女史に聞いてみたい気もする。
 カーのエッセイ「史上最大のゲーム」の抄訳など、評論はネタバレが怖いのでスーパー斜め読みしてしまったが、「幻影城」時代にこのような本を出したその情熱には頭が下がる。なんでも、この「エラリークイーンとそのライヴァルたち」の新版を作ってるようなので楽しみである。でも、座談会とかカットされそうな気がするなあ……
『D−ブリッジ・テープ』(沙藤一樹)★★★☆
 この作品の文章スタイルを見て不覚にも笑ってしまった。と言うのも、以前書いたこの作品で出てくる作家の文章スタイルに似てるのだ。まさかこんなタイプの作品はねえだろうとタカをくくってデタラメに書いたのに(笑)詩のような感じではないけれども、改行を意図的に使用して淡々と物語が進行する。
 ゴミの橋と化した横浜ベイブリッジ――通称D−ブリッジ――で発見されたカセットテープに録音されていた少年の半生。それはすざまじいものであった、というのが流れなんだけれども半端じゃない、と言うか。読んでて気分が悪くなってくるほどである。けれども、ナスティなホラーという観点から言えばもの足らない。
 この作者の作品はこれ一作のみだけれども、以降作品発表してるのか不明。今秋角川から新雑誌が創刊されるので、その新雑誌でこの作者の作品を読んでみたい気もする。他の方はどう思うか知らんけれども、この改行スタイル結構好きだぞ。私は。
●『黄金色の祈り』と『天啓の器』を図書館から借りてくる。

8月8日(日)
●「週刊小説」の上半期ベストテンの結果が出てたので「週刊小説」を買う。国内は1位『永遠の仔』(天童荒太)、2位『柔らかな頬』(桐野夏生)、3位『バトル・ロワイアル』(高見広春)、4位『最悪』(奥田英朗)、5位『文福茶釜』(黒川博行)、6位『法月綸太郎の新冒険』(法月綸太郎)、7位『私が彼を殺した』(東野圭吾)、同7位『撃つ薔薇 AD2023涼子』(大沢在昌)、9位『涙流れるままに』(島田荘司)、10位『千里眼』(松田圭祐)。海外は古典はカーの『グラン・ギニョール』のみ。11位以下にはレオ・ブルースの『三人の名探偵のための事件』なんかが入っている。しかし、3位の『バトル・ロワイアル』は選考委員のメンツ丸つぶれですな。
 総評であるが、国内海外ともに文字数足らなすぎでは? と思うほどである。頑張ってまとめてるけれども、苦労したろうなあ。海外物の総評で池上冬樹氏が興味深いことを述べている。「(略)それほど新人の作品に魅力がないということだろうか。それとも翻訳出版の隆盛が作品水準の低下を招いたことを読者が知り、評価の定まったベテランや過去の名作に積極的に手を伸ばした結果と見るべきなのか」と言う一文であるが、この企画に投票した方はさておき、一般読者なんて昔から評価の定まったもの優先じゃないのかなあ。しかし、古典翻訳ラッシュはいつまで続くのかなあ。とりあえず気になるのは早めに入手しとかないといつ絶版になるかわからんしなあ(笑)
 とりあえず海外は古典優勢、文庫優勢ということか。

8月9日(月)
「夏の読書特集(8/5付けの朝日新聞より)」
 のコメントは17日以降にUPします。
●帰省準備。

8月10日(火)〜8月17日(火)
●8/10寝る前に「週刊小説」掲載の短編を読む。
「真夏の誘拐者」(折原一)★★★
 今秋早川から『暗闇の教室』が出るらしい。で、本作は誘拐ものであるが、作者らしくストレートな誘拐ものではない。叙述トリックを楽しみにしてたら肩すかしを喰うが、割とコンパクトにまとまった佳作、というところか。
「書くと癒される」(大原まり子)★★☆
 作者の自伝的短編か? 連作のうちの一作のようなので、連作に組み込まれた際の効果を上げるための作品なのかなあ。「オタクの犯罪シリーズ」と銘打たれてるのでこのシリーズが本になったら通しで読んでみたい気きがする。
「ロープさん」(渡辺容子)★★★★
 デビュー作の『左手に告げるなかれ』は、冒頭の一章がまさにエンターテイメントの基本! と喝采したくなるような作品だったが、以降の展開が凡庸すぎた故に内容の記憶は薄い。しかし、この作品はなかなか良かった。不況の中リストラにされた知人が旦那を殺したのではないかといぶかしんでいたけれど、結局くんだんの旦那はいきてた。けれど……と言った展開で、最後の締め方は結構日常サスペンス系の常套な気もしないではないが見事騙されました。
「七合目」(戸梶圭太)
 『闇の楽園』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した人、かな? この作品は結構笑える。夫婦で富士山登山をして七合目まで登ると、そこには富士山という場所には似つかわしくなさ過ぎる格好をした男性が居た。そして彼はいきなり髭を剃り始めた……というもの。いきなりラジオ体操を始めたり歯を磨き始めたりとその場面の異様さに笑みがこぼれるほど。男性の行動に意味をつけようとする奥さんの理論もまた笑えるし。終幕で男が蕎麦を外国人の顔に投げつける風景も笑える。
「女探偵の夏休み」(若竹七海)★★★
 私の記憶が確かなら、葉村晶って『プレゼント』(中公文庫)に出てくる女性じゃなかったけ? この作品では同居人につきあってリゾートホテルに赴くわけであるが主人公は葉村晶ではなく同居人である。古風なリゾートホテルが内包する不気味さ、荘厳さが結構上手く出てる気がする。一年前の事件の真相とホテルの伝統がシンクロしてるところは短編には勿体ない気もするが。

●というわけで(どういうわけやっちゅうに)しばらく実家に寄生するために帰省。
●長崎古本ツアー敢行。さほど収穫はなかったが、夢屋の主人とホラーに関するetc談義が出来たことが最大の収穫かも。
●「誘拐」★★★☆
 レンタルビデオに並んだ際に気になってたもの。警察サスペンス版『大誘拐』といったところか。身代金受け渡しを実況中継させる理由が秀逸、かも。誘拐事件の裏に潜んでいた二十六年前の悲劇が現出するとき世界は変わる。迫力はあったものの、なんというか、少しばかり冗長だった気もするが、結構二重丸(どっちや)
●「らせん」前半二十分寝てた故に見れず。しかし、女の子が貞子に変身すんのはもービックリ。お化け屋敷的な怖さやなあ。しかし、科捜研の所長、めっちゃ妖しすぎ(笑)
●何かと忙しく小説は書けず。二周年記念短編書き上げる予定だったのに(泣)
●行き帰りと共にラッシュ時を外した成果もあり列車内の混雑無し。
●アバンティでコミックショック主宰の古本市があったので見てくるが収穫無し

8月18日(水)
●えー、今回の「メフィスト考4」は休止させていただきます。12月頭発売の「メフィスト」で「メフィスト考4」やります。いや、ただ単に書くのが面倒になったからなんですが(あかんやん)
某大学ミス研企画の打ち合わせらしきもの。私は今年はオブザーバー的なところで指示するだけでしょう。多分。書類関係、パンフ関係はほとんどやらないつもりですが。とかいって、結局はやったりするんだろうねえ。
●自転車の後輪のひさしの部分が折れてるので、よくお巡りさんに呼び止められる(苦笑)この日四条通りを自転車で爆走してたら、久々に呼び止められる。防犯登録の照会が済めば解放されるのであるが、そのお巡りさんと話していると、このお巡りさん古本屋好きであることが判明(笑)奈良の245の事を喋り出すし。しかし、よくよく考えてみれば奈良の古本屋ってもうかなり行ってない気がするのであるが、気のせいであろうか。

8月20日(金)
●某掲示板で、小学生の時の同級生と同じ名前の人の書き込み発見。同名異人かなあ。姓名ともにそう珍しいものではないし。もしかしたら、書評検索でこのページにたどり着いたりして(笑)確認しようにも、問題の人のメールアドレスわかんないしなあ。心当たりのある人、メール下さい(って見てねえよ)。
●図書館に借りた本を返しに行く。ついでに調べものをするが、かなり落胆。もっと劇的なものと思ってたのに、びょーきかよ(ぶつぶつ)
●ビデオに撮ってた「らせん」。貞子によって蘇った死んだはずの息子。しかし、彼はそんなに長く生きられないと貞子は言う。貞子の呪いが詰まったディスクを渡せば助かる術を教えると言うが……。ここらへん、原作に近いかな。でも、原作では世界の終焉が見えるのに対し、ドラマでは世界の終焉は見えてこない。最終回でどのように落とすのであろうか。次回は貞子と全面対決なのか?
Mystery Library別館『オランダ靴の謎』の項でも書いたことなのであるが、翻訳物の読みやすさについて。当該箇所を読んでない人の為に問題の箇所を再録すると、「しかし、読み返す前はクイーンなどの古典翻訳は(過去に何冊か読んでるにも関わらず)読みづらいと言う印象があったのであるが、見事なまでにその印象は覆されてしまった。一昔前は「創元版のクイーンの国名シリーズはちょっとなあ」なんて思ってたりもした。まあ異様なまでに句点が多いのは気にはなったが、読んでる内に気にならなくなった。結論を言うと読みやすい、ということなのである。名前を覚えるのが……と言う以外はハッキリ言って読みにくいものではなく、かつ面白いので一度はクイーンは読んでみるといいかもしれない。しかし、読みづらいと言う印象があったという事は実際に読みづらかった本があるはずであるが、肝心の本の名前が思い出せない。うーん、なんだったけ」と言うところなのであるが、内容もさることながら読みやすさに驚いた。以前に某大学ミス研の例会で「クイーンの翻訳は早川創元どっちが読みやすいか」という議論をやったことがあるが、当時は早川がいいと言うことで落ち着いた。でも、今は「どっちも読みやすさと言う点では変わらないのでは?」に変化。あとは訳者との相性であろうか。同じ本で版元が違う場合、他に問題になるのはあとは本の装丁とかだな。
 で、読みにくかった本と言うのがやっぱり思い出せない。『僧正殺人事件』(ヴァン・ダイン/創元推理文庫)は犯人を初めから知らされてた故に苦痛ではあったが(んじゃあ読むなよ)読みにくかった、という印象ではないしなあ。問題の本を読み返せば思い出すのであろうが、多分ほとんどの本を読み返さないだろうからわからないだろうなあ(笑)
 というわけで、読みにくそうだからと言う理由で古典翻訳を敬遠してる人も、この機会に(どの機会だ?)、たまには古典翻訳を読んでみては如何であろうか。きっとおもろい発見があるはずやでえ(誰や、お前)

8月21日(土)
●今後は短編集、アンソロジーの収録作はいったんここで触れる。後に総評をつけて(無いときもある)Mystery Library別館へ格納。
『異形コレクション(12)GOD』(井上雅彦監修/廣済堂文庫)収録作を電車の中でいくつか読む。
「その夏のイフゲニア」(安土萌)「冷凍みかん」(恩田陸)「神様助けて」(笹山量子)「遊神女」(横田順彌)「神犬」(TOMO)読了
●某畸人郷例会の前に古本屋を回る。当初の目論見ではどーやら3、4人来るはずだったらしいのであるが、結局集合時間に来た人は私ともう一人だけ。二人で回る。12、3軒回る。収穫は二冊。二つとも新刊で出た当初気にになってたが買わなかったもの。
●某畸人郷の例会(某の意味がない(笑))。いつもより何人か少ない。約一年ぶりに来た人もいたりする。新しい人が二人やってくる。二人ともネットがらみの人。
 昔の小説全集(詳しい叢書名失念)の推理小説の巻を持ってきた人が居たので見せてもらう。二冊あって、一冊は長編三つ収録。『八墓村』、『孤島の鬼』ともう一編(失念)入ってるの。もう一冊は短編を幾編か収録。鮎川哲也の「五つの時計」や高木彬光、夢野久作、小酒井不木、木々高太郎らの短編を数多く収録。隣でパラパラ見てるのを横からちらりとのぞき込んでびっくり。鮎川哲也の若かりしころの写真が! その本は4、50年前に出た本であるが、時というのはここまで人の容貌を変化させるものなのかと唖然。
 20時過ぎて二次会に赴く。あまり呑まないつもりがなんだかんだ言って呑まされる(笑)しかも、コップに入ったビールをこぼしてしまい粗相(苦笑)23時頃店を出て阪急の急行に乗る。

8月23日(月)
●99年はミステリ作家が境界線上ぎりぎりの作品を出す年だなあ。ミステリ作家っていっても天童荒太と東野圭吾の両氏だけれども。前者は『永遠の仔』(幻冬舎)、後者は『白夜行』(集英社)。境界線というのはミステリか否かということ。何を以てミステリ作家か否かと判別するかは人それぞれであろうが、デビュー作がそれを決めるというのは言い過ぎか。例えば、近年ミステリ作品を連発してる山田正紀はSF作家と呼ばれることが(いまだに)多いだろうし、『グランドミステリー』(角川書店)の奥泉光は芥川賞受賞故に純文学作家と呼ばれることが多いのでは無かろうか。
 で、天童荒太と東野圭吾はデビュー作は前者はサイコサスペンス、後者は本格ミステリ。いずれも「(広義の)ミステリー」の一言でくくれる作品である。それ故に、二人はミステリー作家と呼ばれることが多いであろう(というか、それしか呼びようがない気もするが)。『永遠の仔』を読んで時に思ったのが「天童荒太と言う作家はこれからはいわゆる「ミステリー」と言うことを意識しない作品を書いていき、ミステリー以外に流れちゃうのかな」と言うことである。例えば、『恋文』(新潮文庫)で直木賞を受賞し、普通小説に流れた連城三紀彦みたいな(しかし、聞くところによると、近年の作品は或る意味ミステリーらしい。近年どころか、一貫して(広義の)ミステリーに拘ってると言う話しも聞く)。
 この件の続きは後日

8月24日(火)
●昨日の続き。
 ところで、「純文学」の正体ってなんなんだろう。以前知人との話で、その知人は「純文学とは人の心のドロドロとしたもの、心理の奥底を描いたもの」という答えが出ていて、「今ではエンターテイメントがそういうもの(人間心理の事ね)を描いているから純文学の立場が無いじゃないか」とも言っていた。私はいわゆる「純文学」と呼ばれるものを読んだことがないので、あくまで感触なのであるが、『永遠の仔』や『白夜行』は純文学とエンターテイメントの境界線上ぎりぎりの作品だと思う。と、結局始めに戻ったな。境界線上ならいいのであるが、この二人、特に天童荒太は以降はエンターテイメントを逸脱してエンターテイメントの向こう側(つまらない作品のことではない。念のため)に行っちゃうんじゃないのか? エンターテイメントの向こう側というのを私は「純文学」であると思っているのであるが、如何せん「純文学」と言うのを読んだことがないので「エンターテイメントの向こう側」というのがハッキリと「これだ、こういうもんだよ」と言えない。そもそも、「純文学」なんてものは存在しないのかもしないのであるが。もしかしたら、ミステリーの要素が無い『永遠の仔』や『白夜行』が純文学の正体なのかもしれない。
 しかし、ジャンルというのは或る意味魔物だねえ。

8月26日(木)
●バイトの面接に行く。話しを聞いてみると仕事は時給制ではなく、歩合制のようである。この時点で求人の広告に偽りありで、結構胡散臭げ。説明してくれた人もどことなく胡散臭いし(それは全然関係ない)。一応「やらせてもらいます」とは言ったものの、帰る途中も「どーしよー」と考えっぱなし。一応、採用の合否は週末に連絡するらしいが、どうするべきか。採用されても断るべきか。うーん、どーしまひょ。登録の際に書かされた書類がクレジットカードを兼ねてたことを知り、どことなく危なげな雰囲気を感じた私は(考えすぎ)「私、こう言った類のものは作らないことにしてるので……」といって破棄してもらう。ていうか、書かせる前に説明しろよ、と思うが。あ、この段階で不採用決定か(笑)

8月27日(金)
●ビデオにとってた「らせん」。ついに始まった貞子との全面対決。あっさり終わったように見えるけれども。ところで、現実世界に物理的影響を及ぼす夢は「エルム街の悪夢」の焼き直し。貞子よ、あんたはフレディの血族か?(笑)残すところ後わずか。どのように着地させるか楽しみな反面不安だなあ。しかし、相も変わらず科捜研の所長妖しすぎと思ってたら、しっかり攻撃されとるし(笑)。黒幕ちゃうんか? でも、なんだか貞子ってRPGの大ボスみたいやなあ。
『異形コレクション(12)GOD』(井上雅彦監修/廣済堂文庫)続き。
「神佑」(小中千昭)「茜村」(倉阪鬼一郎)「シャッテンビルト伯爵」(小沢章友)、、「白の果ての扉」(竹本健治)「献身」(久美沙織)読了。
●「ほんとにあった怖い話」★★★
 ビデオにとっといて後で見よ、と思ってたがついつい見入ってしまう。怪奇実話をドラマに仕立て上げたものであるが今一捻りが足らないっつーか、今まで見たような話っつーか。それなりに見れたのではあるが、今一心に残らない。「社内怪報」のラストシーンはありきたりと言えばありきたりで「都市伝説では?」なんて思うほど。しかし、ここ最近怪奇特集がつまらないと思うのは私だけか。今年は「あなたの知らない世界」日テレ系列でやらなかったし。子供の時に見た怪奇特集の怖さを思い出させてくれる番組、ないかなあ。

8月28日(土)
「ウルトラマンガイア」★★★★☆
 とうとう最終回である。日誌なんかで触れてはいませんでしたが、これは毎週見てました。はい。<異形コレクション>でいくつか作品を発表されている小中千昭氏がシリーズ構成に関わってる、かつ、三十分だし、昔は(再放送で)よくみてたし、童心に帰ってみよっかあてなコンセプトで。よくよく考えて見れば、リアルタイムでウルトラマン見たのは「ウルトラマン80」以来かも。しかも「ウルトラマン80」見てたのはほんのガキの頃で、おぼろげにしか記憶にないし(笑)いや、見たって事しか覚えてねえや
 ★四つ半というのは全編通しての評価。見ていて新鮮だったのは
1:ウルトラ兄弟からの脱却(「ティガ」「ダイナ」もウルトラ兄弟関係なし)
2:人類は守るべきか否かというミステリで言う「後期クイーン問題」を特撮に持ち込んだ点
3:二人のウルトラマンの反発、決闘(前半部分)
4:アルケミースターズという天才少年軍団の存在
5:必ず怪獣が爆発して死ぬこと(笑)しかも必ず頭から(爆笑)
 あたりかなあ。3は二人のウルトラマンという事でウルトラ兄弟からの脱却にしては少々中途半端な気もするが。まあ、気にはならない。それどころか反発という点で新鮮。ヒーローは協力しなければならないの鉄則の打破か。2は中盤でなおざりになった気がしてすこーし残念。もすこし掘り下げて欲しかったかも。
 全51話の中では中盤の二人のウルトラマンの決闘と最終回を含む最後の5話が印象深い。映像的にも話的にも。特に最終回を含む最後の5話の映像は、現在のテクノロジーが結集して凄いものが出来ていた。きちんと理解できる年齢で、かつリアルタイムで見れたことは非常に幸運だったかも。
 しかし、最大の不満が全編通しての最大の敵役である「根元的破滅招来体」の正体がなおざりにされてた点か。あと、最終回が少々やっつけ仕事みたいになってたのが残念。もう一話欲しかったかもしれない。それまでの4回が地球防衛隊(?)であるXIGの本部基地壊滅とか、(仲間内だけではなく人類に)ウルトラマンの正体がばれたりとか、敵役としての天使、世界を闇に閉ざすイナゴで盛り上がり盛り上がり調子だったのに。
 最終回は不満が多いが、大河ストーリーとしては全体的に良くできていたと思う。
『異形コレクション(12)GOD』(井上雅彦監修/廣済堂文庫)アンソロジー、短編集はちまちま読むのがいいかも。「冥きより」(速瀬れい)読了

8月29日(日)
●某畸人郷のメンバーを中心に岡山へ古本漁り(笑)に行く。岡山では某短大ミス研の顧問以下某短大ミス研メンバーが居るはずだったのであるが、顧問の方は諸事情で来られず、ミス研の方二名と岡山で合流。もう一人、某大学ミス研OBの知人の方も岡山で合流。計10名で岡山の古本屋を回ることになる。
 まずは大阪駅に至るまで。私は6時過ぎに起床。メールを読み出し、テキストファイルの印刷。6時40分ぐらいに部屋を出て、阪急西院駅に行く。そこから阪急で梅田まで。梅田から大阪駅まで。大阪駅の待ち合わせ場所に着いたのが8時半。
 メンバー揃ったところで出発。9時発の新快速姫路行き乗車。
 万歩書店を回る。一件目でひっじょうに面白い出来事が。
 棚がうねるほど立ち並ぶ中本を探しつつ歩くと、知人に似たよーな人が居る。「人違いだよなあ」と思いつつ凝視すると、もう一人知ってる人に似たよーなひとが居る。まさかね、と思い呼びかけると案の定本人でした(笑)なんでも、創元の合宿が岡山で行われてたらしく、そのついでに万歩書店を回ってたとか。世の中狭い(それは違う)
 以降これと言ったハプニングもなく、順調にいく。途中迷ったこともあったけれど、それはご愛敬。
 しかし、今回はあんまり買わない予定で行ったはずなのに、ずっと探してたり、新刊で出てた際買いそびれてたのがあったりでこりゃもう嫌がらせかよ(笑)ってな状態。高ければあきらめもつくが、中途半端に安いし(笑)
 結局私が家にたどり着いたのは日付が変わった頃。
 うー、憑かれたもとい疲れた。
『異形コレクション(12)GOD』(井上雅彦監修/廣済堂文庫)大阪に向かう電車の中で。
「奇蹟」(篠田真由美)「下水道」(北原尚彦)「大黒を探せ!」(大場惑)「DOG」(竹河聖)読了

8月30日(月)
『異形コレクション(12)GOD』(井上雅彦監修/廣済堂文庫)徒然に。
「バビロンの雨」(早見祐司)「ドギィダディ」(牧野修)「怪獣ジギウス」(田中啓文)「Day And Night Do Not Love Each Other」(マーティ・エモンド)読了

8月31日(火)
『異形コレクション(12)GOD』(井上雅彦監修/廣済堂文庫)読了。
「初恋」(田中哲弥)「ゼウスがくれた」(山下定)「生け贄」(ひかわ玲子)「ちいさな祠」(加門七海)「夢見る天国」(井上雅彦)「サラ金から参りました」(菊地秀行)
●新刊が続々出てるが、気軽に買えない(泣)


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