航海日誌第二話 PNG編

「送迎会直前の不吉な電話」

 前回では,参加の確約をとりつけ航空券までも手配してもらえるようになったが,出発1ヶ月を前にして早速乗船港の変更というトラブルに巻き込まれた家主.今回は出発3日前の送迎回の日の出来事である.


 日頃かわいがっている(?)我が後輩達が,たった1ヶ月弱の出張にも関わらず送迎会を開いてくれることになった.この日は愛娘も保育所を休ませ,かみさんと一緒に家族三人で参加することにした.食べ物や飲み物も揃い,さあそろそろ始めようと言った矢先,一本の電話が海洋科学技術センターから入った.

「山中君? たった今,PNGの日本領事館から電話が入って,PNG全土で治安悪化のために夜間外出禁止令がひかれたから,最悪の場合,出発日を変更するかもしれないから連絡の通じるところで待機してて.」ガチャ!

 いきなりの電話であった.確かに過去に人食い人種がいた国ではあるが,PNG政府の発表ではもう,人は食べていないことになってるし... 隣のインドネシアの軍事政権がPNGになだれ込んだと言うニュースも聞かないのに... 大変困った.実は私の旅程は福岡発ケアンズ行きで,ケアンズで東京から来る他の研究者と落ち合うはずだった.しかも,私のチケットは東大の先生が買ってくれたもののため,他の人とは違い格安チケットで日程の変更ができない.急いで,知り合いの今回一緒に参加する研究者に問い合わせると,「出発日が変更になったら取り合えず向こうに行って待っててくれる?」とのこと.ガビン〜〜.

 頭の中で南のトロピカルな背景で路頭に迷う自分の姿が目に浮かんだ.まさかとって食われることはないだろうが,僕にとってPNGは未知の国である.しかも,治安が悪化している...

 重い足どりで,送迎会の会場に向かうことになった.まさに召集令状を受け取った気分を体感した気がした.この後,送迎会が盛り上がったことは言うまでもない.

 結局,出発日まで何の連絡もなく,不安を抱えたまま出発.果たして,ケアンズでみんなと会えるだろうか? 以下次号へ.(チャンチャン)


 ちょっと見にくいですが,わかります?

「 当国政府は,最近の国内治安悪化に鑑み,平成8年11月8日から2ヶ月間にわたり全国レベルで,午後9時から翌朝午前5時までの間「夜間外出禁止令」を施行しております.」云々と書かれています.

 この張り紙がPNGの空港やホテルに張ってありました.わざわざ日本語の張り紙があるということは,結構日本人観光客が来るのね.

 ところで,罰金の1000キナは日本円にして80万円くらいだったかな.1キナはだいたい1オーストラリアドルです.1キナコインって世界一大きい中心に穴のあいたコインだそうです.ちなみに,日本銀行や東京銀行でも日本円をPNGのお金に両替できないらしく,この国のお金を持って帰っても全く価値がありません.念のため.


第三話 「受難の旅へのプロローグ」編

第四話 「ついに上陸!来いパプア君」編


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