第1号議案 2000年度の活動のまとめと決算(案)



当研究所は、多くの生協が経営と信頼の危機に直面しているなかで、生協運動が過去の成功体験や既成の枠にとらわれることなく、くらしや地域の現実を具体的に踏まえる中で、その使命を明確にし、協同組合としての「再生」をめざすことを提言してきました。

2000年度は、研究所の世代交代の中で、あらためてくらしと地域に根ざした協同のあり方をさぐるべく、川口新理事長のもとで3部門(くらし・地域・協同)体制をとり、活動をすすめてきました。また、2000年度方針の大きな柱であった研究所の将来方向の検討についても、研究委員会幹事会の要請で若手研究者を中心に調査・検討をすすめ、研究委員会、理事会に報告し、議論してきました。

具体的には、第8回総会記念シンポジウム、公開研究会(フォーラム)、生協学識理事監事研究交流会などに取り組むとともに、昨年相次いで刊行された生協研究の著作物の批判的吟味に着手しました。そして、これらの研究企画の成果を適宜『協う』で発信してきました。

また、会員要求に応える取り組みでは、医療生協調査や会員組織の中にある様々なプロジェクトなどへの講師・アドバイザーの派遣などもすすめました。こうした取り組みがおおむね好評を得た反面、研究会活動では継続的活動が進められているところとそうでないところの両面が出ています。

研究委員会や第9回総会記念シンポジウムの準備過程などでは、生協に基盤をおく研究所として、会員研究者と実践家が問題意識や情報などを交流し、ともに深めながら実践に生きる提言、問題提起に結実させる方向での活動を進めてきました。

研究所の将来方向の検討については、会員アンケートを実施し、当研究所を構成する多様な会員の意見、要求を集約することができました。また、研究委員会や理事会での議論と各会員との意見交流の中で、当研究所がもっている様々な側面、問題についても深められました。そこには、生協運動をとりまく危機的状況や、会員生協の経営困難・財政事情なども色濃く反映しており、そのことは研究所事務局体制の縮小となっても現れました。

来年度は、2000年度とそれまでの成果の積み上げを踏まえつつ、くらし、地域と生協運動の現実との接点で、より実践的な提言や問題解決につながる調査研究活動を、さらに工夫し強めることが求められています。また、研究所のあり方についても、2000年度の検討結果を踏まえて率直な議論を行い、共有化していくことが必要となっています。

1.公開研究会(フォーラム)

研究委員、理事を中心に、ひろく会員や会員外の研究者、実践家の参加も得て開催しました。その成果については『協う』で発信するとともに、ワーキングペーパーなどにもまとめ、請求のあった会員に提供しました。

1)テーマ:「生協危機の認識と改革の論理」〈9/29-30〉(第1回研究委員会・職員論研究会合同企画として)

2)テーマ:「協同組合研究の新動向-市民社会論とコ−ポレ−ト・ガバナンス論」〈12/16〉

・生協研究の3冊の近著(『現代生協改革の展望』『生協は21世紀に生き残れるのか』『協同組合のコ−ポレ−ト・ガバナンス』)を素材に執筆者、討論者によるパネル討論形式で進めました。

3)テーマ「サ−ドセクタ−論の最近の動向と非営利協同研究の課題」〈2001.3/17〉(非営利協同研究会と研究委員会の共催企画として)

2.研究会

継続的に研究会活動が進められたところと、継続や開始をめざしながらもその実をあげられていない問題の両側面がでました。研究委員会と研究会活動の位置づけや関係の見直しも必要になっています。

1)生協職員論研究会(戸木田嘉久座長)は、月1回の定例研究会で京都や全国の事例をもとにした継続的な研究がすすめられました。

2)協同組合史研究会(井上英之座長代理)は、歴史資料集第4号「『解放』の『消費組合虎之巻』」第5号「『田原和郎と洛友消費組合』−戦前・京都の消費組合」を発行しました。

3)生協と福祉研究会(上掛利博座長)は、福祉プロジェクトを再編して、地域福祉や生協での福祉活動の調査研究をすすめ、『協う』でもその成果を発信しました。

4)くらし研究会は年度途中で休止になっており、再開には至っていません。テーマの絞り込みや研究のすすめ方などが課題になっています。

5)地域研究会や中小企業と協同組合、健康医療、等は体制が整わずスタートさせることができませんでした。

6)生鮮流通研究会は、研究者と会員要望のすり合わせを引き続きすすめています。

7)各地研究会は、広島で継続的に進められていますが、高知、愛媛では体制が整わず休止状態にあります。

8)若手研究者のネットワークづくりを進めました。さらにテーマ交流など工夫が必要です。

3.プロジェクト

生協の現状分析のための基本データ・資料の収集を行いました。訪問調査は姫路医療生協調査(受託)、生協と福祉研究会などで実施しました。

4.シンポジウム・公開研究会・講座等

以下の内容で開催しました。

1)第8回総会記念記シンポジウム〈7月16日〉

2)生協学識理事・監事研究交流会〈4月21日〉(座長:上掛利博研究委員会幹事、京都生協理事)

初めての企画でしたが、生協が直面している問題や学識役員の果たしている役割、位置づけの生協ごとの違いなども交流でき、参加者の問題意識も深まりました。テーマを絞った交流などが、今後のつなぎ方への提起行われました。

3)海外事情・講師講演会

イアン・マクファーソン氏の来洛を受けて、講演会「レイドローから学ぶ、生協21世紀への展望」〈10月14日〉を開催しました。

5.自主研究と研究委託

自主研究援助は、「広島県の生協運動の歴史的研究」、「ポスト大店法時代の商業、まちづくりと住民生活」、「環境問題アンケート調査と出前講座に関する研究」の3件でした。

6.調査・研究受託

姫路医療生協中期計画策定にむけての問題提起を行うために同生協への訪問調査を実施するとともに、その結果の報告会〈2001.3/29〉を行いました。

7. 講師・アドバイザーなどの紹介

1)京都生協ヴィジョン委員会のアドバイザー(委員)と講師…井上、上掛、岡田、若林、増田の各研究委員会幹事

2)コープしが福祉プロジェクトのアドバイザー(委員)…上掛研究委員会幹事

3)さいたまコープ組織改革委員会のアドバイザー…若林研究委員会幹事

8.情報提供、刊行

1)『協う』(若林編集長)は、研究者、生協組合員、事務局などで編集体制を二部制(昼の部、夜の部)にし、隔月発行を着実にすすめました。(一方、研究所事務局体制が縮小され、それとの関係での対応が必要になっています)

2)刊行物は、第8回総会記念シンポジウム報告書、『協う』合本(第2号)、歴史資料集2冊、などです。

3)研究所ホームページは、定期更新を確実に行うとともに、より見やすい画面に改善しました。

9.共同研究、交流・提携など

1)「トップフォーラム」(事務局コープながの、11生協2団体)に協力しました。

2)生協総研をはじめとする生協関連研究所との交流しました。

3)CRI(協同組合総合研究所、神奈川県横浜市)の「生協組合員論」研究、等に協力してきました。

10.運営、体勢など

1)2000年度方針にもとづく研究所の将来方向の検討をすすめました。

2)理事会は、改選時期にあたっています。研究委員会は別表(当日配布)のとおりです。

3)事務局派遣について京都生協から削減の申し入れがあり、研究委員会幹事会との協議と理事会への報告を経て、年度途中に1名減の2名体勢になりました。その経過の中で、減員を補うための事務局派遣を、近隣の会員生協に要請してきました。大学院生事務局は4名体勢です。

11.総会、理事会、研究委員会

1)第8回総会 7月16日(日)

2)理事会、常任理事会

3)研究委員会、同幹事会

12.会員状況

1)団体会員動向

・2000年度は、脱退が次の1団体あり、38団体(正会員30、賛助会員8)となりました。(2000年3月20日現在)

大阪府立大学生協(単協事情)

2)個人会員動向

・2000年度の加入9人、脱退12人で、227名(正会員214人、賛助会員13人)です。(2000年3月20日現在)




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