第2号議案 2002年度方針と予算(案)

 

 

昨年度は、当研究所の今後のあり方について、2000年度に続いて検討、議論を行いました。理事会では、総会議決にもとづいて理事会小委員会を設けて検討しました。そして、小委員会から出された答申をもとに、さらに理事会および研究委員会で論議を行い、最終的に理事会としてとりまとめを行いました。本総会には、その内容をふまえて規約改正案を提案しています。

今年度はそうした経過を踏まえて、研究体勢の整備と再編、残された課題の検討をすすめるとともに、研究所のあり方論議の過程をとおして出された、当研究所の研究課題についての提案や議論を具体化し、推進することが継続事業とあわせて重要な課題となっています。

一つは、主に研究委員会論議を通して出された、当研究所の研究活動についての総括と今後の研究にかかわる内容です。

今年度末は、当研究所の創立10年の節目にあたります。「転換期の生活協同組合」の発刊(1986年)にも象徴されているように当研究所は、その前史から現代日本の生協運動への問題提起を積極的に行ってきました。そして、研究所設立以降は、総会記念シンポジウムを機軸に、くらしと地域の変化とその中で生協・協同組合運動が直面する時々の問題に注目して研究活動をすすめ、積極的な発信を行ってきました。研究所はこうした蓄積にたって、変化し続けるくらしと地域社会の中での協同組合運動の実際とその発展方向について、今後も理論的に探求していくことが求められており、10年を節目として更なる研究をすすめることが課題となっています。

いま一つは、主に理事会からだされている課題・テーマにもとづく研究の推進です。

これについては、個々の研究課題・テーマの緊急性や必要性、具体化の成熟度合(研究目的、期待される研究成果、研究方法、研究体勢・費用など)などを踏まえながら、順次取り組みをつよめていくことが必要です。年度事業として課題とするものと、更に準備期間を要するものとに区別してすすめるようにします。

具体的には、次の5つの柱ですすめます。

 

Ø      研究会および団体会員の要請に応える研究プロジェクト活動をすすめ、生協運動、協同組合運動の直面する課題の解明をすすめます。

Ø      シンポジウム、フォーラムなど、開かれた企画への会員およびその構成員の参加をひろげ、研究発信ならびに研究者と実践家の研究交流を促進します。

Ø      研究委員会は、引き続き研究総括をすすめながら、くらしと地域の変容と協同の戦略、生協運動の現段階とその展開方向についての議論と研究推進の具体化をすすめ、新たな研究成果の発信を準備します。

Ø      引き続き『協う』を定期情報発信の柱として位置づけながら、ホームページなど他の媒体の活用とあわせて研究情報の発信を強めます。

Ø      上記の柱にそくした研究体勢の整備と再編を行います。また、団体会員の会費の見直し作業をすすめます。

 

当研究所の大きな特徴は、会員、すなわち研究者を含む個人会員と団体会員とそのメンバー(組合員、役職員などの構成員)の積極的参加で成り立っていることですが、そのベースには、大学等に籍を置く研究者のボランタリーな参画で支えられていることがあります。1年をかけて検討をすすめてきた研究所のあり方検討の中で明らかになったことは、こうしたボランタリーベースで参加している研究者と生協運動の実践者の協同を実際の研究活動をとおしてすすめること、そのために団体会員が実質的に責任をはたしていくことでした。

当研究所の研究活動が社会的(人々のくらしや地域社会)にも意味を持ち、かつ生協・協同組合運動の直面する課題の解決やその正しい発展に資するものであることが、こうした側面からも求められています。そして、研究活動を強めるためには会員の研究活動の場への主体的で積極的な参加・参画が必須の要件です。会員の皆さんの積極的な参画で方針を、より豊かにしていきましょう。

 

 

1.          研究会と受託研究プロジェクト、など

 

    これまでの常設(及び地域)研究会は、プロジェクト方式の研究会として、毎年、テーマと期間・アウトプットの形式などを確認してすすめます。

    団体会員の要請にもとづく受託研究プロジェクトを推進します。

    理事、研究委員、会員から新たに出されてきた研究課題・テーマについては、本年度方針で具体化できるものと、さらに研究目的とニーズ、期待される研究成果、体勢等の準備や予備調査を要するものに分けてすすめます。

    予算化にあたっては、研究会は交通費、調査費、講演記録等をベースにし、出版等に際しては別途、可能な範囲で予算化します。

  

(1)研究会

@     生協職員論(継続)

      ・テーマ:長期不況下での生協職員像とその役割働きがい源泉と変容(仮)

            ・メンバー:戸木田嘉久研究委員(座長)ほか8名

            ・期間:~2003年4月、生協職員論の探求(第2弾、仮称)の刊行

A     協同組合史(継続)

・テーマ: 戦前京都の家庭消費組合、学生消費組合

・メンバー:井上英之所長(座長代理)ほか8名

・期間:~2003年4月、歴史資料集通巻第7号、第8号として刊行

B     生協と福祉(継続)

・テーマ:福祉における「生協らしさ」--ニーズ対応、サービス水準、地域ネット

     ワークの視点から

・メンバー:上掛利博研究委員会幹事(座長)ほか4名

・期間:2001年11月~2002年4月、報告書

C     ひろしま地域研究会(継続)

・テーマ:地域のくらしから協同・協同組合を考える

・メンバー:吉富・鈴木・岡村・田中(世話人)

・期間:~2002年4月、報告書

D     生協組織・事業の変化と生協の地域コミュニティにおける役割(新設)

・テーマ:構造転換期における生協組織・事業の変化と生協の地域コミュニティに

     おける役割

・メンバー:田中秀樹研究委員(代表)ほか8名

・期間:2002年6月~2004年6月、報告書作成、単行本化は別途検討

E     近畿の生協事業連帯(新設)

・テーマ:近畿の生協事業連帯(仮)

・メンバー:斎藤雅通立命館大学経営学部教授(予定)ほか( )名

     ・期間:2002年9月~2003年6月(仮)、報告書

F     生協職員の研修・教育システム(※新設の方向で推進)

     ・2001年度からの継続課題ですが、会員生協からは引き続き、人材育成、組織文化

      と風土改革などをキーワードに問題提起がありますので、2002年度では研究テー

      マと期待される研究成果の抽出、研究体勢の確立を中心に具体化をすすめます。

     ・まず会員生協の問題意識の交流から始めます。

 

(2)受託研究プロジェクト

@     姫路医療生協調査(継続)

・テーマ:複合体経営と組織運営、あぼし診療所活動

・メンバー:井上英之所長(代表)ほか13名

      ・期間:2001年10月~2002年10月、報告書、報告会

 

(3)具体化を検討していくテーマ

 

    以下は、理事、研究委員、会員から出されたテーマです。具体化している事業計画と

   多く重なるものもありますが、フォーラムなど多様な形での具体化も念頭にいれて、

   研究ニーズ、研究目的と期待される研究成果等を検討・調査します。

 

@     消費者、組合員意識とくらしに関わる調査研究

      ・IT時代における協同のあり方、若い世代のくらしのニーズ・価値観、安全・安心

       と消費者意識、など

A     生協経営・運営に関わるテーマ

・生協店舗研究、経営理念とマネジメント、コーポレイトガバナンス、アカウンタ

 ビリティー、機関運営、各生協の中期計画の交流、時代変化の中での組合員参加

 のあり方、など

B     地域社会と生協運動に関わるテーマ

      ・共益と公益、21世紀の社会システム、住み続けられる地域社会づくり、生協と医

療・福祉との連携、組合員活動と地域づくり・まちづくりへの参加、社会的運動

(平和・消費者運動、環境など)と生協の役割、高齢者のくらしと生協の商品供

給、福祉活動、など

 

 

2.          公開企画、セミナー、講座等

 

以下のものを開催します。

 

(1)総会記念シンポジウム(継続)

    引き続き、年間最大に企画として、くらしと協同、生協運動に関わる問題について取り上げます。

    日常の研究活動との結合を追求します。

 

(2)研究フォーラム(継続)

    生協関係者、研究委員、ゲストスピーカー等からの報告をもとに、研究・討論、研究者と実践者の交流ができる、開かれた企画としていきます。

    テーマは、くらしと協同、生協運動に関わる問題とともに、必要に応じて緊急テーマも取り上げます。

 

(3)セミナー等

@     第2回学識理事監事交流会(継続)

      ・一昨年に続いて、2回目を開催します。

 

A     第5回女性トップセミナー(継続)

      ・「呼びかけ人会」を中心に、第5回を開催を準備します。

 

(4)講座

   ・久保建夫主任研究員を中心に、ゆるやかな学習講座を開設します。

@     経済思想史サロン(新設)

      ・話し手:尾崎芳治氏(研究所監事、京都大学名誉教授、現名城大学)を中心に

A     京都のくらしを考える(新設)

      ・京都を代表する伝統芸能、工芸などの職人とその家業に焦点をあてて、彼らが支

       えてきた生活の質とあわせて協同を考える機会にします。

 

 

3.          講師派遣、ほか

 

(1)講師・アドバイザーなどの派遣要請についての相談、窓口機能を果たします。

 

(2)自主研究についての助成を行います。

 

 

4.          情報発信・出版、など

 

(1)『協う』を、研究所と会員をつなぐ情報発信の柱として位置づけ、引き続き編集の充実に

   努めます。

 

(2)ホームページを改善し、会員と研究所とつなぐ媒体として充実させます。

 

(3)研究成果、諸企画の報告などを、ワーキングペーパー、出版物として会員内外に発信し

   ます。

 

 

5.交流・提携

 

生協総研をはじめ、生協・協同組合関連の研究所、地域の多様な研究機関などとの交流と必要な協力をすすめます。

 

6.運営

 

(1)理事会

@    研究所会費の見直し検討をすすめます。

 

(2)企画委員会

@     研究者と実践者の協力で研究活動を具体化、推進する場としていきます。

A     開催頻度などは、第1回委員会で確認します。

 

(3)研究委員会

@     研究委員会要綱の見直しを行います。

A     研究委員会では、くらしと地域、協同に関わる研究テーマ、研究戦略についての論議、交流を行い、今後の研究や出版につなげます。

B     研究委員会運営委員会(仮称)では、研究委員会の企画をはじめ、引き続き諸研究企画の具体化をはかり、企画委員会での具体化や事務局の日常活動の推進につなげます。

 

(4)2002年度の理事会、研究委員会基本日程と主な内容

   

   ※他団体、学会等で大きな日程が重なる場合など、調整・変更する場合があります。

 

(理事会)

第1回  6月22日(土) 理事長、常任理事の選出、

第2回  9月28日(土) 

第3回 12月21日(土) 

第4回  4月26日(土) 総会議案

第5回  6月21日(土) 総会議案

 

(常任理事会)

理事会から理事会までの間、必要に応じて開催します。

 

(企画委員会)

第1回  7月27日(土)午後  (以降は、後日確認)

第●回  4月12日(土) 次年度方針原案

 

 

(研究委員会)

第1回  9月28日(土) 

第2回 12月21日(土) 

第3回  1月13日(月・祝)

第4回  3月21日(金・祝) 

     

◇幹事会は基本として毎月第3金曜18:30~(日程調整が必要な場合は前後週の金曜日)

 

 

次回の総会・シンポジウム(予定)  2003年6月21日~22日

以上