くらしと協同の研究所
第15回総会 議案書

 

はじめに−くらしと協同をめぐる動きと研究所の役割

この1年間、くらしと協同をめぐってどのような動きがあったであろうか。政治の場では、「構造改革」を強力に推進してきた小泉内閣が去り、「美しい国」と「再チャレンジ」などを掲げる安部内閣へと変わった。この内閣は、経済における新自由主義的な政策の推進とともに、家族や地域、教育や文化などの非経済領域での保守的、国家主義的規制強化に意欲的である。教育基本法の「改正」に続いて、「憲法改正」の手続法が俎上にあがり、近い将来、「憲法改正」にも取り組む勢いである。こうした動きがくらしにどのような影響をもたらすか注目する必要があろう。
この間の自公政権の下での2つの内閣が政治課題として取り組んできたのは、第2次大戦後の政治・経済レジームの解体・再編である。そして一部は既に完了している。このことがくらしや協同の領域でどのような変化をもたらしているかを、いくつかのキーワードで確認しておこう。

経済では「いざなぎ景気」を超える戦後最長の景気回復によって、大企業が史上最高の収益をあげている一方で、家計への波及が遅れ、「実感なき景気回復」となっている。こうして富裕層と貧困層や一部の大都市と地方の間などでの「格差社会」が一層深刻化し、「ワーキングプア」も急増してきている。その結果、多重債務や自己破産が大きな社会問題となり、「サラ金」などの「グレーゾーン金利撤廃」問題も浮上してきたのである。

「労働ビッグバン」で目指される労働の場における究極の規制緩和は、残業規制を外し働く者の健康不安を募らせるだけでなく、「非正規社員」や「偽装請負」など不安定な働き方を増大させ、それは周り回って、くらしの場における「安全や安心」を脅かしてきている。不二家やパロマの不正や事故に象徴される企業の「社会的責任」の欠如は、経営トップのモラルハザードの酷さとともに、仕事の現場の崩れをも示している。

くらしの場である家族はますます縮小し、ついに「人口減少社会」に突入し、日本は「高齢化率世界一」となった。これは今の社会における若い世代のくらしにくさと関わっており、高齢化への対応とあわせて若い世代への社会的支援が喫緊の課題となっていることを物語っている。地域では中山間地域での「限界集落」が増え、また大都市での「孤独死」が増大している。都市でも農村でも人と人の結びつきが弱く、やせ細っている。そして都市でも農村でもこれまで地域の「安全や安心」を担ってきた各種の地域団体はこれまでのような役割が発揮できなくなっている。また地震や自然災害が多発している。地球温暖化の影響が懸念され、われわれのライフスタイルの見直しが一層切実な課題となってきている。

このように生活不安が空前の拡がりをみせるなか、生協や協同組合はどのような社会的役割を果たせるであろうか。また社会の側は生協に何を期待しているであろうか。くらしと協同の研究所はこうした生活と協同をとりまく環境の大きな変化の中で、生協の事業や活動のあり方の根元的な見直し、ミッションの再設定をこの間提起してきた。ここ2年間、総会シンポジウムなどで取り上げた共同購入の再評価や「第二の創業」の提起には、この研究所の危機意識とその打開への展望が込められていた。

折しも「生協法の改正」が進められている。この「改正」は国民生活の変化を反映するものではあるが、改めて生協ミッションのあり方と地域社会との関係性の有り様が問われている。こうしたなかで研究所は生協のミッション、生協の事業や活動などを、地域社会の側から見つめ直すという作業に取りかかっている。昨年来、各地を訪問し、生協の関係者だけではなく、行政や地域団体、住民の方々などからお話を聞き、地域社会の側から、生協や協同組合の事業・活動を照射する研究を始めている。この研究活動は、この間、生協や協同組合が新たに取り組んできた事業や活動を地域社会の側から評価し、位置づけ直すという試みである。
こうした研究所の活動はすぐに実を結ぶということにはならない。しかし、これは「第二の創業」の意味を明らかにし、そこでの事業や活動のあり方を進化させるために欠かすことのできないものである。そして研究者と協同組合の実践家がまさに協働して研究活動を行うこの研究所であればこそ行うことのできる研究課題であり、研究スタイルでもある。さまざまな困難も伴うが、「勇往邁進」の気持ちで、今年度の研究所活動をすすめたい。

 

 

(第1号議案) 
2006度 活動のまとめ、会計報告(案)

 

1.全体のまとめ

2006年7月1〜2日に開催した第14回総会記念シンポジウムは、『市民生協第2の創業へ!―現場からの問題提起に私たちはどう応えるのか?―』をテーマに開催しました。実行委員による生協調査を踏まえて、現場の胎動―問題提起から「第2の創業へ」の課題を参加者とともに議論し、考え合う企画とすることができました。参加者も、ここ数年で最高となった一昨年にならぶものとなりました。また、第15回の総会記念シンポジウムにむけての地域調査もスタートしました。
ミニシンポジウムやワークショップは、「生活協同組合の共済事業」や「ヨーロッパと日本における社会政策と社会的企業」など、生協法の改定に関わる共済事業の課題や生協を含めた非営利・協同組織と社会政策のあり方について深める機会を設けました。グローバリゼーションと規制緩和、構造改革路線のもとで、社会経済政策が協同組合や非営利組織に与える影響に引き続き注目することが重要です。
セミナーや交流企画は、研究委員・会員の参画・協力と会員生協の位置づけも得て、一つひとつ企画を成功裏に開催することができました。
研究会は、2つの特別研究会と9つの自主研究会で、くらしと協同の事業にかかわる様々な課題、関心をテーマとして調査、研究活動をすすめました。特別研究会では、生協の組合員組織と活動研究会が最終報告書(※)をまとめることができました。自主研究会では、えひめ・くらしと協同の研究会が、医療生協と購買生協の職員意識調査の結果(報告書)をとりまとめました。そのほかの研究会は調査研究を継続的にすすめています。
今年度は受託調査として、「第5回医療生協職員意識調査」にとりくみました。当研究所の研究委員と日生協医療部会教育委員会の実践家による共同研究で、本年3月に同報告書をとりまとめることができました。調査結果の報告は医療部会の教育責任者会議や単協代表者会議で報告し活発な質疑が行われました。研究所では、えひめ・くらしと協同の研究会での職員調査の結果とあわせて、第3回研究委員会で報告し論議しました。
『協う』は、創刊100号を記念してリニューアル・増ページを行いました。会員・研究委員の寄稿、編集委員による取材、研究所の諸企画との連携企画などで、くらし・地域と協同、生協などめぐる動きや論稿のほか、アップデートなテーマもとりあげて編集をすすめました。今後、さらなる普及活動を強めることが求められます。

以上の取り組みの具体的な内容は、次のとおりです。

 

2.研究会

(1) 特別研究会 

@「生協の組合員組織と活動研究会」

座長:井上英之氏(大阪音楽大学)、ほか12名

・ 大規模生協における組合員組織とその活動、生協事業と組合員の関わり、などの視点から、組合員活動のもつ意味や可能性、生協運営上の課題を明らかにすることを目的に2005年7月にスタートしました。

・ メンバーが組合員、職員、研究者で構成されていることを踏まえて、組合員、職員の調査分析力の向上をはかることも研究会目的の1つとして位置付けました。

〈組合員・職員の参加生協名〉
おおさかパルコープ、京都生協、ならコープ、めいきん生協

・今年度は、研究会を5回、ワーキンググループを10回開催し、各参加メンバーのテーマにもとづく調査研究をすすめました。研究成果は6月にまとめる予定です。

〈研究会の開催とテーマ〉
第6回(5/20) 調査方法・対象の決定 
第7回(7/22) 調査方法・対象の決定
第8回(10/14)研究テーマと調査設計についての報告と意見交流
第9回(1/13)
第10回(3/24)
第11回(5/12)
〈ワーキンググループの開催〉
6/24、7/7、9/1(広報担当交流会)、9/2、9/30、10/28、12/2、12/23、2/17、2/28

A「くらしの調査」プレプロジェクト

座長:玉置了氏(近畿大学)、ほか8名

(ア) 今年度は、くらし調査事業を2007年度本格スタートさせるための準備プロジェクト(プレプロジェクト)として、組合員のライフスタイルについての予備調査を中心にすすめました。プレプロジェクトは、研究委員(1名)と京都生協職員など(8名)で構成しました。

(イ)調査活動としては、個々の組合員の消費行動を購買・環境意識・対人関係などの側面から実態を明らかにすることを目的に、利用データの分析、アンケート・組合員インタビュープランの作成などを行いました。

〈開催日〉
10/6、10/19、11/7、11/28、12/22、1/16、2/6、2/28、3/12、3/22
4/5、4/25、5/2

 

(2) 自主研究会 

@ 生協と福祉研究会
代表:上掛利博氏(京都府立大学)、ほか5名

7/27、9/11、11/7、12/12、1/16、2/19(NPO遊・友、おおさかパルコープ調査)、4/13、5/14
庄内まちづくり協同組合スタディーツアー(10/29-30)参加

A 現代生協研究会
代表:田中秀樹氏(広島大学)、ほか8名

報告と討論を中心に2回開催しました。
12/27報告:田中秀樹「現段階の生協運動と新たな生協像」
3/13報告:若林靖永「現代の生協事業の特性を検討する」
報告:杉本貴志「イギリス生協運動の現在」

B 生協理論研究会
代表:的場信樹氏(佛教大学)、ほか4名

7/4日出版企画に生協の歴史編を加えることに関する検討
8/4「生協理論研究会『第2の創業』に向けた研究企画」についての検討
9/2出版計画の変更の可能性について検討
10/6出版計画の変更についての確認と編集方針についての議論

C えひめ・くらしと協同の研究会
代表:向井康雄氏(愛媛大学)、ほか9名

3/24員意識調査のまとめ方の検討
4/20意識調査・購買生協分の分析
5/31意識調査・医療生協分の分析、購買生協の職場労働環境、働き甲斐について
7/11中西典子氏による購買生協、医療生協の比較検討についての報告
8/8アンケート結果をさらに深めるための検討(若手職員の採用・教育の不足、パート職員の位置づけ、業態別職員の特徴など)

D 化学物質リスク研究会
代表:原強氏(コンシューマーズ京都)、ほか6名

7/25、10/11(フィールド調査「エコランド音羽の杜」)、2/22

E 消費者法研究会
代表:松本修司氏(京都生協)、ほか5名

研究会は、「意欲が湧き、継続できる消費者教育プログラムとは?」「学びのプログラムの手法づくり」「PL法の学習会」「消費者の学びの意欲の検証−第3回消費生活能力検定試験を受験し考える」「第3回消費生活能力検定試験と対策講座を通して得られた、意欲が湧き継続できる消費者教育プログラムへのヒントとは」などをテーマに4回開催しました。(8/26、9/23、11/11、2/3)

F 尾崎経済思想史サロン
代表:久保建夫氏(当研究所客員研究員)

  ・ 研究テーマ
   「尾崎芳治先生の深い歴史認識と広い学識から学んで、世界とくらしのかかわり、そのなかで生活者の歴史的性格と役割を考え合います」

  ・今年度は以下のような内容で開催しました。

8/9 「在日米軍の再編と日本国憲法」
11/7 「米議会選挙結果と日本への影響」
12/19「生活者とはなにか」
2/26「難民援助の現場から」
国連高等弁務官事務所の千田悦子さんを招いての報告をいただき、意見交換をしました。日本の海外援助の問題性と西洋中心の世界史観へのオルタナティヴが示されました。

G 食育活動研究会
代表:あざみ祥子氏(NPO法人コンシューマーズ京都)、ほか9名
  ・研究テーマ
  「食育基本法の趣旨や計画、食環境など社会的要因を研究し、特に中学生の職生活に注目して食べる側から、望ましい食育活動を提唱する」

食育基本法学習やディスカッション、「食育活動への私の意見」のリポート提出とプレゼンテーションなどの内容で研究会を4回(6/5、8/28、11/6、2/5)開催しました。

H 生活圏市場研究会
代表:三好正巳氏(立命館大学名誉教授)、ほか2名
〈開催日・調査活動など〉

・研究テーマ
「地域住民、とりわけ生協組合員の生活圏の構造や広がりの調査研究を通じて、“生活文化の地域性に根ざした生活財市場において、消費者組織によって意識的能動的に形成される市場”を考える」
・実地調査(ヒアリングや視察)と生活圏市場論のフレ−ムワ―ク検討をすすめました。大学のマンション研究会からの情報・資料提供や生協組合員の協力によってマンション住民の生活圏の構造と広がり、そこでのコミュニケーションの質などをイメ--ジすることができました。
・研究会および主な調査
「フェアトレ−ドをおこなっているムサシ工房の視察」「生協組合員の活動ヒアリング・産直交流会視察」「生活圏市場論フレームワ―クの第一稿検討」「マンション住民ヒアリング調査」などの調査活動・研究会を行いました。(7/28、9/9、11/ 、12/4、1/20、2/21、3/13、4/24)

 

3.シンポジウム等、研究企画について
(1)総会記念シンポジウム
@ 第14回総会記念シンポジウム(2006.7/1-2)を開催しました。

A 第14回記念シンポジウムのフォロー企画として、「庄内まちづくりスタディーツアー」(2006年10月29〜30日)を実施しました。

B 第15回総会記念シンポジウムの開催準備をすすめました。

(2)セミナー、研究交流会、等
@ 第8回生協女性トップセミナー(2006年12月9〜10日)

       (企画)4ゼミナール(講師ごとに事前課題設定)
川口清史ゼミ・二場邦彦ゼミ・田中恒子ゼミ・北川太一ゼミ
川口清史氏(研究所理事長 立命館大学)
二場邦彦氏(研究委員 立命館大学名誉教授)
田中恒子氏(研究委員 大阪教育大学名誉教授)
北川太一氏(研究委員 福井県立大学)
ワークショップ(ロールプレイ・ディスカッション)(観察と討論重視)
アドバイザー/二場邦彦氏、北川太一氏、井上英之氏
井上英之氏(研究委員 大阪音楽大学)
特別講演/杉本貴志氏(研究委員、関西大学)
『生協とはどんな組織、どんな運動だったのか−あらためて協同組合原則を学ぶ』
オプショナル企画/理事長・副理事長交流会

参加者は、18生協から39名でした(前回今回は、企画内容充実させるために前回より募集定員を絞りました)。会員生協で組織参加の位置づけをして頂いたことも多くの参加につながりました。

A 第5回生協学識理事監事研究交流会
生協の学識役員の問題関心に応えるものとして、学識役員経験者を中心に企画検討を進めて開催することをめざしています。
(※ 開催日・企画を検討中です)

B 社会経済セミナー
理事会開催時などに適時開催する計画から、今年度は、下記テーマで「川口理事長特別講演会」を開催しました。

開催日/2006年12月16日
テーマ/「生協とは何だろう―『消費者の協同組合』の原理的検討」
参加/95人

C 生協の「おしゃべりパーティ交流会」(2007年3月8日)
第15総会記念シンポジウム準備企画として開催しました。
・ 「おしゃべりパーティ」に取り組み、又は今後計画している生協にお集まりいただき、「おしゃべりパーティ」に取り組む目的や評価、取り組んでの感想などを交流し、それぞれの違いや取り組みの意味や課題、可能性について深めました。
・ 参加は、19名で(6生協9名、研究者等10名)、総会シンポジウム企画にもつながりました。

(3)シンポジウム、フォーラム
くらしと協同及び生協をめぐる諸問題・テーマについての研究交流、発表の場として、研究委員会開催時をメインに適時開催することをめざしました。今年度は次のような内容で開催しました。

『生活協同組合の共済事業 』(2006年10月7日)

<内容>
(コーディネーター)秋葉 武氏(立命館大学助教授/当研究所運営委員)

報告@「共済を取り巻く外部環境の変化」 
押尾 直志氏(明治大学教授/(社)日本共済協会共済理論研究会研究委員)

報告A「CO・OP共済事業の現状と課題および 理論的研究課題について」 
小塚 和行氏(日本生協連 共済企画部長)  

問題提起 川口 清史氏(立命館大学教授/当研究所理事長)
<参加>  44人

ワークショップ『ヨーロッパと日本における社会政策と社会的企業―イタリアの社会的協同組合をベースにして―』(2006年12月4日)

<内容>
(コーディネーター)北島健一氏(松山大学教授/当研究所運営委員)
報 告  「ヨーロッパの社会政策の動向と社会的企業」
カルロ・ボルザガ氏
コメント@「日本の社会政策の観点から」
福原宏幸氏(大阪市立大学大学院経済学研究科教授)
コメントA「日本の協同組合運動の観点から」
川口清史氏(くらしと協同の研究所理事長、立命館大学教授)
<参加> 40人

「生協運動と職員の意識・働く意欲をめぐって」(2007年4月14日)

<内容>
報告@「愛媛県の地域生協および医療生協の職員意識調査にみる事業と運動をめぐる諸課題」
中西典子氏(研究委員、愛媛大学)
報告A「第5回医療生協職員調査の概要−医療生協職員の仕事と働く意欲」
浜岡政好氏(研究所理事長、佛教大学)
報告B「医療生協看護職員の意識状況とマネジメントの課題」
高山一夫氏(研究委員、京都橘大学)
ディスカッション/「生協運動と職員の意識・働く意欲をめぐって」
<参加> 19人

 

4.受託研究事業
(1)日生協医療部会『第5回職員意識調査』受託研究
日本生協連医療部会からの申し入れを受け、共同研究会を母体に調査研究をすすめ、3月に調査報告をまとめることができました。
調査は、次の目的と位置づけで実施されました。

・医療生協で働く職員の仕事と意識の実体について調査研究し、マネジメントや処遇あり方、労務管理の改善課題を明らかにする。
・調査結果は、今後の人材育成政策や教育プログラムへの活用および次期の医療部会中期計画策定のための基礎資料とする。
・調査研究のプロセスを『医療生協人』モデルを検証し、医療生協人像を深める過程として位置づける。
・調査研究は、日生協医療部会教育委員会メンバーと当研究所研究委員による「共同研究会」ですすめる。

共同研究会の体制及び調査研究の経過は、以下のとおりです。

(共同研究会)
日生協医療部会教育委員会
冨長泰行氏(座長、愛媛医療生協)、宇田川和代氏(広島医療生協)、
田島明氏(北医療生協)、中村圭二郎氏(ヘルスコープおおさか)
中塚崇司氏(医療部会)、越野誠一氏(医療部会)、
山岸太一氏(医療部会)
くらしと協同の研究所
浜岡政好氏(研究委員 佛教大学)、高山一夫氏(研究委員 京都橘大学)
岡本哲弥氏(研究委員 京都橘大学)、久保建夫氏(客員研究員)
清水隆氏(事務局長)

(調査研究の経過)
2005年12月の常任理事会で受託を確認し、2006年1月より「共同研究会」スタート
調査票(アンケート)打合せ(東京) / 5/22
アンケート実施・集計/7〜8月
研究所での分析開始 / 9/5〜
単協ヒアリング調査 (4生協グループインタビュー)
3/27、10/23、11/20、11/21

共同研究会 /3/28、 5/2、6/26、9/8、12/11、1/22、2/26 
研究所調査分析会議/5/15、6/23、9/5、10/16、11/1、12/1、2/22
医療部会への中間報告

2007.1/26医療生協教育責任者会議(報告/浜岡政好氏)
2007.2/15下期単協代表者会議(報告/浜岡政好氏)

報告書提出/2007.3月

5.会員への情報提供、出版、講師紹介、研究助成等
(1)『協う』は、研究所と会員をつなぐ情報媒体の柱として、編集の充実に努めました。

100号を記念して、リニューアル・増ページしました。

隔月発行で、特集は次のような企画でした。

6月号/特集「生協と福祉」、ほか
8月号/特集「14回総会記念シンポジウムを振り返って」、ほか
10月号/特集「変化する都市コミュニティ」、ほか
12月号/特集「共助と共済」、ほか
07.2月号/特集「学校給食と食育」、ほか
07.4月号/特集「100号記念」、ほか
07.6月号/特集「格差社会と労働」(仮題)、ほか

『協う』合本(第3号)を発行しました。

(2)通巻、Discussion Paperなど、出版物の発行
「14回総会記念シンポジウム報告書」(通巻47号)
「第8回生協・女性理事トップセミナー(通巻48号)

(3)ホームページ
研究所活動の紹介・アピールと会員と研究所をつなぐ媒体として、定期更新とプチリニューアルをすすめました。
ホームぺージ内の「事務局日記」(ブログ)では、研究所活動の日常を、時々の話題や歳事も織り交ぜながらお知らせすることを継続しています。

(4)研究委員の講師活動、講師紹介
講師紹介や研究企画などを通して、団体会員との連絡・連携を強めることをめざしました。

今年度の研究委員による講師活動

06.8/7 生協しまね「高齢者の暮らしと生協の可能性」
講師/浜岡政好氏
06.8/31 生協しまね「生協のガバナンスと組合員理事」 
講師/川口理事長
07.2/13 おおさかパルコープ「まちづくりってなーに」
講師/的場信樹氏
07.3/8 京都生協所属長会議「生協に求められるマネジメントについて」
講師/若林靖永氏
07.6/予定 京都生協『虹の会』「生協におけるマーケティング(仮)」
講師/若林靖永氏

6.研究所間の交流、提携

生協・協同組合関連の研究所との交流
06.12/9  生協関係研究所交流会(生協総研主催)
(参加/林輝泰事務局員)

提携事業
生協総合研究所との提携ですすめた現代生協のオーラルヒストリー企画―「市民生協の創設と発展:元リーダーに聞く」は、2006年をもって終了しました。(『生活協同組合研究』2005.4〜2006.12月号に掲載)

7.外部研究会への参加、その他渉外活動
(1)外部研究会等への参加
06.9/31〜10/1 協同組合学会第26回大会
(研究所関係者の参加/報告者として:増田佳昭委員。コメンテーターとして:杉本貴志委員、北川太一委員、小池恒男理事)
06.10/7  生協総研全国研究集会「格差社会と生活協同組合」
(参加/浜岡政好運営委員、井上英之運営委員)
07.3/10  地域と協同の研究センター研究集会「第3回東海交流フォーラム人・つながれ=v
(参加/林輝泰事務局員)
07.3/30 非営利・協同総合研究所第6回自主共済学習会「制度共済の今後と自主共済への影響」
(参加/清水隆事務局長)
07.3/31  21世紀型生協研究機構2006年度シンポジウム「今こそ、パルシステムの可能性を問う」
(参加/清水隆事務局長)

(2)渉外活動
出版物の送付や諸企画とあわせて、研究所入会のお勧めしました。

8.機関会議、運営会議
(1)第14回総会
2006年7月1日に開催し、2006年度まとめ7007年度方針を確認し、各研究会の研究内容や進捗などについて交流しました。

(2)理事会、監事会
開催状況は以下のとおりです。
第1回理事会では、川口清史理事長が立命館総長・同大学長に就任することになったことにともなって、浜岡政好常任理事を理事長代行に選出しました。

〈理事会〉
第1回(12/16)/講演企画、活動の進捗と今後の取り組みの報告
第2回(07.4/21)/総会議案検討
第3回(07.6/30)/総会議案、研究委員の確認 ---(※予定)

 〈常任理事会〉
第1回(11/24)/経過報告、次年度に向けての研究課題など検討
第2回(07.4/3)/第15回総会記念シンポジウムの企画討議、研究所07年度方針検討

 

 〈監事会〉
第1回(07.5/17)

(3)企画委員会
企画委員会は、研究所の事業計画案づくりや諸研究企画を充実させるために設けられ、専務理事および団体会員と研究委員会からの推薦者で構成しています。
今年度は以下のような内容で開催し、年度事業計画の検討をはじめ、研究活動と実践現場の情報交流をすすめました。

〈開催状況〉   
第1回(9/22) 
第14回総会シンポジウムの振り返り(総括)、進捗報告と交流
協同組合学会プレ報告/「組合員の利用事業構造の変化と協同組織性の展望」(増田佳昭委員より)
第2回(11/24)
進捗報告と交流、次年度の事業計画、シンポジウムテーマなどを検討
第3回(07.3/22)
進捗報告および委員選出生協の07年度方針の交流
研究所第15回総会議案書(素案)の検討
総会記念シンポジウム企画についての報告と意見交流

(4)運営委員会、研究委員会
〈運営委員会〉
月1回開催し、シンポジウムをはじめとした諸研究企画、セミナー企画の検討・具体化をすすめ、研究会活動や諸研究企画に関わって、くらし・地域・生協研究の諸問題についての研究議論をおこなってきました。
特に今年度は、第14回総会シンポジウムの成果を踏まえた地域調査や生協調査の具体化・実施にも取り組みました。

〈研究委員会〉
本年は3回の公開企画(研究フォーラム)を開催し、時々のテーマにもとづいた議論を行ってきました。また、自主研究会および委員の研究テーマや問題意識の交流などもすすめました。

 

9.会員状況
(1)個人会員
2006年度の加入10人、退会17人で、会員数は191名(正会員183人、賛助会員8人)です。(2007年3月20日現在)

(2)団体会員
入会が1団体(正)で、退会が1団体(賛助)でした。
団体の会員数は、38団体(正会員32、賛助会員6)です。(2007年3月20日現在)

10.事務局体制
事務局は、研究活動とくらしや地域、生協をはじめとした様々な協同組織の実践の場をつなぎなら、研究所の活動を推進しました。

2006年度の研究所事務局体制は、以下のとおりでした。
事務局長 清水 隆
事務局員 林輝泰、岩根泉
客員研究員(非常勤) 久保建夫
院生事務局(非常勤) 名和洋人、林美玉、望月康平

 

 

(第2号議案)

2007年度活動方針及び予算(案)

1.2007年度研究活動の基調

(1) 「2007問題(2010年問題)」に象徴される日本社会の高齢化や少子化、新自由主義的な「改革」の結果生じた経済的・社会的格差の拡がりや様々生活不安の増大など、人々の「くらし」が直面する課題とそこでの「協同」のあり方について、引き続き探求をすすめます。

(2) 生活協同組合については、改正された生協法の及ぼす影響も含めて、組織と事業、地域社会とのかかわりなどについて調査研究をすすめます。

(3) 社会の情報化が急速にすすむもとで、人々の価値観やライフスタイル、消費行動の変化などについての調査研究をすすめます。

(4) これら「くらし」と「協同」に関わる様々な調査・研究を、シンポジウムをはじめとした研究企画や研究会、出版物などを通してすすめます。また、個人会員や団体会員の構成員の積極的な研究への参加・寄稿を呼びかけます。

 

2.研究会について
(1)特別研究会
@ 「くらしの調査」プロジェクト
(ア)2006年度の「プレプロジェクト」での調査方向の検討を踏まえて、本格的に調査研究を開始します。
(イ)生協組合員の意識やライフスタイル(食卓、購買・消費、意識、世代、家族、地域コミュニティとの関わり方)を中心に、調査研究をすすめます。
(ウ)調査結果は、〇〇年報告書にまとめます。

(2)自主研究会
@ 生協と福祉研究会
代表:上掛利博氏(京都府立大学)、ほか6名

 ・「介護保険事業にとどまらない生活協同組合の福祉事業の展開」をテーマに、組合員にニーズから、安心して暮らせる地域づくりの中での協同組合の福祉を考えます。
 ・ 生協(おおさかパルコープ)と協力して「生協と福祉」に関する組合員の生活・意識の調査をします。また、全国でユニークな福祉を創造している事例の調査を行います。
 ・ 研究成果の発表・報告は、生協での報告会、シンポジウムでの報告などで行う計画です。

A 現代生協研究会
代表:田中秀樹氏(広島大学)、ほか8名

 ・段階の生協の存在形態と展開方向についての実証的研究をすすめます。
 ・ 研究会を3から4回程度開催するとともに、生協の現状に関する実証的調査を行います
 ・ 将来的には、報告書もしくは単行本の形で研究成果の発表を行うことをめざします。

B えひめ・くらしと協同の研究会
代表:冨長泰行氏(愛媛医療生協)、ほか7名

 ・生協職員の意識調査結果の分析(追加的考察)を継続します。
 ・ 新たに「地域の中での福祉ネットワークと生協の役割」をテーマに調査研究をすすめます。具体的なモデル地域を設定した調査をもとに「どのような取り組みが地域の福祉力をより豊かにすることにつながるか」の研究をすすめることを構想しています。
  ・研究成果の発表は、レポート、研究集会などを考えています。

C 化学物質リスク研究会
代表:原強氏(レイチェル・カーソン日本協会)、ほか6名
(ア)「家庭有害物質に関する研究」「日本及びヨーロッパの化学物質規制の動向についての研究」を継続します。
(イ)ゲストスピーカーの招聘、現地調査なども交えて、例会は6回程度とします。
(ウ)研究成果の発表・報告は未定です。

D 消費者法研究会
代表:松本修司氏(京都生協)、ほか5名
(ア)「消費者が、権利と役割を理解していけるための「消費者教育プログラム」の研究」を継続します。
(イ)隔月の定例会を基本に、年8回のコンシューマーズ京都の対策講座、「第4回消費生活能力検定試験」(主催 財団法人日本消費者協会)を、消費者の意識調査の対象とします。
(ウ)内容的に発表できるものになれば、くらしと協同の研究所発行の「協う」に掲載を希望します。

E 尾崎経済思想史サロン
代表:久保建夫氏(研究所)、ほか7名
(ア)尾崎芳治先生の深い歴史認識と広い学識から学んで、世界とくらしのかかわり、そのなかで生活者の歴史的性格と役割を考え合います。今年度からは世界史論の講演を2回織り込みむ予定です。
(イ)開催は、2カ月に1回ペースで、世界史論は講演会形式を予定(公開)しています。

F 食育活動研究会
代表:あざみ祥子氏(NPO法人コンシューマーズ京都)、ほか9名
(ア)昨年の研究課題(中学生から大学生まで若い層の食生活を調査し食環境など社会的要因を含めて研究し、食べる側から望ましい食育活動を提唱する)の残された課題をまとめ、さらに「京都らしい食育活動」とは何かを研究します。
(イ)@食育活動のフイールド見学・視察、A京都における他分野での実践事例を収集、B京都府・京都市の食育条例・行動計画の検討、C「京都らしい食育活動」をすすめます。
(ウ)全国消費者フオーラム(2008年2月)での報告、公開シンポジウムの開催・報告をめざします。

G 生活圏市場研究会
代表:三好正巳氏(立命館大学名誉教授)、ほか2名
(ア)地域住民、とりわけ生協組合員の生活圏の構造や広がりの調査研究を通じて、「生活文化の地域性に根ざした生活財市場において、消費者組織によって意識的能動的に形成される市場」を考えます。
(イ)組合員との共同作業で、この地域の住民、組合員の生活圏市場の調査・研究をすすめます。
(ウ)来春(2008年)に報告小集会を開催し、それを踏まえて小レポートを作成し、研究成果を報告する予定です。

3.シンポジウム等、研究企画について
(1) 総会記念シンポジウム

・引き続き、年間の中心企画として位置づけます。
・運営委員会を中心に実行委員会を組織して開催準備をすすめます。
・ 各研究会をはじめ、会員の研究活動と調査研究への参加で、より豊かな企画に発展させます。

(2) セミナー等
@ 第9回生協女性トップセミナー
組合員理事の問題関心に応え、役割向上につながるテーマ設定と運営を目指します。
・ 企画については、昨年までの到達を踏まえて充実をはかります。
・ 企画づくりと運営は、呼びかけ人を中心にすすめます。

A 第5回生協学識理事監事研究交流会
(ア)引き続き、生協の学識役員の問題関心に応えるものとして企画します。
・ 生協の学識役員経験者を中心に企画検討を行います。

B 社会・経済セミナー
(ア)理事会開催時を中心に適時開催します。

(3) シンポジウム、フォーラム
・くらし、協同、生協の調査研究の交流・発表の場として、研究委員会開催時をメインにしながら、適時開催します。
・ 運営委員会を軸に、研究委員の参画を得ながら企画づくりを行います。また、研究会や会員の調査・研究の報告をベースにした開催を重視します。
・ シンポジウムやフォーラムをとおして、実践家の研究参加を促進します。

(予定)
・2007.10月研究委員会開催時
・2008.1月研究委員会開催時
・2008.3月研究委員会開催時

5.会員への情報提供、出版、講師紹介、研究助成等
(1)リニューアルした『協う』の普及(団体会員内の配布数の拡大、ほか)をはかります。

(2)研究成果や研究企画の内容を、単行本、通巻、Discussion Paperなど、出版物として会員内外に発信します。

(3)ホームページの更新と充実をひきつづきすすめます。

(4)講師紹介や研究企画などを通して、団体会員との連絡・連携を強化します。

6.研究所間の交流、提携
(1)生協・協同組合関連の研究所、地域の多様な研究機関との交流を引き続きすすめます。

7.研究所の運営

(1) 運営委員会、企画委員会を軸に、月次・四半期毎の具体化をはかり、研究所の日常活動を推進します。

(運営委員会)
毎月第3金曜(18:30〜)開催(日程調整が必要な場合は前後週の金曜日)

(企画委員会開催月)
第1回  8月 07年度の取り組みの具体化、ほか
第2回  11月 進捗報告と次年度方針第一次論議、ほか
第3回  3月 次年度方針原案検討、ほか

(2) 研究委員会
・ 開催は年3回とします。(10月、1月、3月)
・一部は「研究フォーラム」として、研究会および研究委員による研究報告を基本に、諸研究の報告と交流をすすめます。テーマによっては、研究委員以外の会員参加もオープンにします。
・二部では、研究所の諸企画・方針の進捗や研究企画の報告・検討など行います。
・研究委員には、定期的に生協・協同組合研究の成果や情報提供をとおして、諸研究と生協研究の接点づくりを行います。

(3) 理事会、常任理事会、監事会
理事会は年4回開催します。
・常任理事会は、理事会開催と合わせて適宜開催します。
・監事会は年度最終の理事会前に開催します。

(理事会開催日)
第1回  6月30日(土) 理事長・常任理事の選任
第2回 12月22日(土) 進捗の中間報告と下期・次年度についての議論
第3回  4月26日(土) 総会議案検討
第4回  6月28日(土) 総会議案確認

(4)総会・シンポジウム
第15回 2007年6月30日〜7月1日
第16回 2008年6月28日〜29日《予定》 

(5)財政