第三回総会 第三号議案

1995年度事業計画

表・1995年度事業計画

 昨年の第2回総会において指摘された、「研究所に寄せられた期待の大きさと、それらに応えるためにはあまりにも不十分な研究所体制とのギャップ」は依然として大きい。しかし、この二年間の活動を通じて、その主体的条件についていえば「広域化」と「地域化」の可能性は明らかに広がってきている。研究所はいま一つの転換期にあり、第3回総会を出発点として研究所の中長期計画に関する議論を開始する必要がある。そのために、第3回総会では、会員相互、研究会相互の意見交流の場として新たに研究討論集会を開催すると同時に、研究委員会の拡充と、そこでの議論を保証するための運営方法の改善についても検討する。他方、ひきつづき財政基盤整備の課題は緊急度をきわめており、とくにその矛盾は事務局体勢に集中的に表れてこよう。以上の点から、1995年度は調整期と位置づけ、計画も暫定的なものにならざるをえない。

1.常設研究会・常設講座

 常設研究会については既存計画の見直しをおこない、再編成に着手する。地域別研究会については、その設立のための支援を強めるとともに、研究会の地域間交流の方法についても検討をはじめる。好評のうちに二年目を迎えている「田中恒子ゼミナール」に代わる新しいゼミナールを開設する。また、各方面から期待の強い「武内哲夫協同組合論講座」の開設に向けて準備をはじめる。

2.調査研究プロジェクト

 生協総合研究所が企画した「転換期の生協とマネジメント」と協力して、「生協運動の現状分析プロジェクト」(代表、野村秀和京都大学教授)を発足させる。期間は1997年度までの3カ年とする。なお、「生協運動の現状分析プロジェクト」は京都生協調査の実施にもあたるものとする。1996年度中に組合員調査やライフスタイル調査を実施するプロジェクトの準備をはじめる。

3.自主研究・自主講座

 組合員や役職員の参加型研究を促進するために自主研究・自主講座などへの研究費の助成をおこなう。今年度は10件以内、助成額は1件あたり10〜50万円の範囲とする。募集方法や成果の公表に関しては、あらためて検討する。1993/4年度分の自主研究・自主講座の成果についても、『協う』の誌面で紹介するなど公表の方法を検討する。

4.シンポジウム

 今年度以降も、これまで「プレシンポジウム」としておこなわれてきた地域密着型のシンポジウムを開催する。同時に、本総会に引き続いておこなわれる研究討論集会の「フォローアップ・シンポジウム」を複数の地域で開催できるように準備をはじめる。これまでの「総会記念シンポジウム」については、総会自体のあり方とともに会員全体の検討に付す。

5.公開講座・講演会

 1994年度の取り組みから明らかなように、気軽に参加できる講座への期待は大きい。同時に、企画や当日の運営、事前のお知らせ、事後のまとめなど必要な改善点も明らかになってきた。今年度は、組合員や役職員が企画運営に参加する、文字どおり参加型の公開講座を実現するために準備をはじめる。

6.『協う』『研究年報』『ワーキングペーパー』

 『協う』については“研究所の顔”として引き続き定期発行を維持する。また、研究所の中長期計画の見直しとともに、『協う』の研究所報としての性格や誌面の刷新も必要となってくるので、そのための準備をはじめる。

 研究年報第2号『くらしのイメージと創造』(代表、浜岡政好佛教大学教授)は1995年12月に、第3号『女性と地域と協同組合』(代表、上掛利博京都府立大学女子短期大学部助教授)は1996年6月に刊行する。また、1997年6月に刊行される第4号の編集体制づくりにむけて準備をはじめる。

 今年度、ワーキングペーパーについては、『アジアの目から見た協同組合』(代表、中村尚司龍谷大学教授)をはじめ、可能なかぎり数点を刊行する。

7.委託研究

 今年度は、田中秀樹広島大学助教授に在外研究として「スウェーデンの協同組合に関する実態調査研究」を、川口清史立命館大学教授に「ノンプロフィット・オーガニゼイションに関する研究動向」に関する調査研究を委託する。なお、後者については前年度、予算執行の猶予を依頼した経緯がある。

8.受託事業、その他

 現在、生協しまねとの間で調整中の委託調査について、浜岡政好佛教大学教授のもとで実施にむけた準備をはじめる。

 会員の中にある「協同組合の動きが分かる最新の情報を紹介して欲しい」「くらしや協同組合に関するデータを提供して欲しい」という要望に応え、事務作業の省力化をはかるためにも情報化はますます重要な課題になってきている。会員相互のパソコンをつないで、ニュースの交換、研究会の案内と出欠の確認などを可能にする、情報ネットワークの構築にむけた調査研究をはじめる。

9.交流・協力・提携

 くらしと協同ににかかわる分野で、他の研究機関や学術団体との交流および協力関係を発展させる。

 生協総合研究所との共同企画事業として、「生協運動の現状分析プロジェクト」を推進するとともに、1995年度で終了する「社会経済システム研究会」に続く新しい企画にも引き続き協力する。協同経済セクターに関する事例研究と、その国際比較研究をおこなうことができるネットワークづくりをはじめる。

 今後ますます国際交流の機会がふえることに対応して、国際交流委員会の体制をいっそう強化する。また、国際交流委員会の中にノルウェー部会(代表、上野勝代京都府立大学教授)を設けて、日本におけるノルウェー研究センターとしての役割の一部をにないうる条件を整備する。