第三号議案

1996年度事業計画(案)

表 1996年度事業計画

 第三回総会で確認された「広域化と地域化」はその取組みの中でさらに重要性をまし、なおかつ一定の前進をみせた。「生協運動の現状分析」や生協しまね調査が明らかにしてきたように、「地域ニーズに応える生協」という視点からの個別主体の調査分析(事例研究)の重要性とその継続的取組みが求められている。このことは、これにこたえる研究所のセンター的機能の充実・強化の必要性を意味する。「地域化」に効果的に応えるためには人的交流システムづくりや地域別研究会への多面的な支援・協力関係の構築が必要であり、そのためには組織的な整備をめぐって会員討議が求められる。あわせて地域事務局の形成を重要な課題とする。

 

1.調査研究プロジェクト

 生協運動の現状分析プロジェクトは95年度に引き続きコープこうべ、京都生協調査に取り組み、おそくとも1997年新春には『年報』第3号にまとめを発表する。とくにコープこうべの調査は年内にまとめを発行する予定にあり、また、「西日本」エリアを重視しながらも必要な全国的事例調査も行う(代表野村)。

 組合員調査プロジェクトは、委託調査を含めて、地域調査とあわせてデータの収集と分析を行い、研究所の情報センター的な機能の整備をはかる役割ももつ。調査は、各「協同」組織等と共同しながらも、地域(委託主体)における調査研究主体の形成を支援する役割をもつ。これは調査研究主体の形成を西日本各地域でめざすという当研究所の設立趣旨・事業目的に則ったことでもある。委託者とのコミュニケーションを重視し、調査方法も多様な取組みとなる。また、地域シンポジウム(日本海・四国他)にむけた準備に取り組む。

 協同組合間協同研究プロジェクト‥出版をもとにシンポジウムを開催する(主査藤谷築次)。

2.常設研究会

 既存計画の見直しを行い、再編成に着手する。「フォーラム/女性と協同組合」は第2期「フォーラム/女性と協同組合」(代表上野勝代)へと再編する。「生協の福祉活動に関する研究」(代表上掛利博)が新規出発する。また「参加型地域福祉と生協運動」(代表川口清史)はまとめを行なう。「農村地域研究会」(主査代理庄司俊作)は美山調査の報告をとりまとめ、再編・出発を含め検討をする。生協総合研究所との共同事業であった「社会経済システム研究会」(代表川口清史)は出版をもって終了し、新たな企画に際しても協力関係を検討。「生活様式研究会」(代表浜岡政好)は、調査プロジェクトとの連携や、重点領域としてのあり方を含め再編を検討する。「マーケティング研究会」(代表若林靖永)は9月からテーマの検討を含め新規出発する。

 既存の継続する研究会では、「消費組合の歴史研究会」(代表青木郁夫)は歴史資料の収集整理をすすめ、あわせて研究所として重点領域研究の位置づけをもって整備に当る。「組合員活動研究会」(代表井上英之)は重点領域研究の役割を兼ねつつ、独自テーマを97年度刊行の予定でまとめ作業をする。「職員論研究会」(代表戸木田嘉久)も96年夏予定の刊行後も、重点領域研究のテーマとして追究される。「中小企業と協同組合研究会」(代表二場邦彦)は補充調査をすすめ、「健康・医療・協同組合研究会」(代表松野喜六)は事務局確立と調査の下期実施をめざす。

 自主・自律の研究という趣旨を活かすことと、研究所として長期的・恒常的な調査研究の必要性とのこの調整案として、恒常的必要性をもつ「重点領域研究会」を上記の既存の常設研究会の中から選択あるいは新規に設定し、常設研究会の再編にかかわらず研究所機能を保証するための手だてとする。こうした領域としては、既存の常設研究会の他に、家計調査、食文化、商品開発(マーケティング)、地域別研究会との間で研究ネットワークを形成しうる京都府内地域調査研究、協同組合をとりまく情勢研究などが想定される。

 地域別研究会については、「土佐くらしの研究会」(代表玉置雄次郎)の研究成果を踏まえた地域シンポジウム(来春)を検討し、「ヒロシマくらしと協同の研究会」(事務局長田中秀樹)の再開、「おかやまくらしと協同の研究会」(代表下野克己)、「鹿児島地域とくらし研究会」(代表仲村政文)、「えひめ暮らしと協同の研究会」(代表北島健一)の出発、石川などでの発足準備に多面的な支援・協力をする。また、他の地域での発足・準備に期待する。

3.常設講座・シンポジウム

 総会記念シンポジウム(6/22〜23 同志社大学)は、テーマを「新しい生協像の再生のために〜地域ニーズの実現の担い手として〜」とする。フォローアップ・シンポジウムの開催を山陰地域と四国地域などでめざす。各地域別研究会が調査研究し地域で開催するシンポジウム、あるいは研究所と地域の共催・交流をはかるシンポジウム(石川シンポジウム/1996年3.23の事例)などの開催方法も検討する。

4.公開講座・講演

 期待の大きかった「武内哲夫協同組合論講座」を6月に開講した(募集中)。また、組合員や役職員が企画運営に参加する「公開講座」(委員長上野勝代)の開設した。また、下期より「野村秀和セミナー」等を出張形式を含めて開講する予定であるが、日程調整をはかり申し込みを受け付けたい。「特別講座」(例えば尾崎芳治京大名誉教授、「現代の歴史認識」等)も協同組合の世界史的位置づけを深めるためにも準備したい。「木原理事長を囲むつどい」は、若手との交流をはかる企画として継続する。職員論研究会によるフォローアップ・シンポジウムなどを行う。

5.委託調査研究

 公益的な事業として、調査研究を委託する(佛教大学教授浜岡政好、京都大学助教授若林靖永)。

6.自主研究・自主講座

 公益的事業として募集枠100万円以内で助成する。『協う』4月号で案内しているが、各会員団体からの応募を歓迎する。なお、募集期間を7月末迄延長し、報告提出期限を97年5月末とする。

7.交流・協力・提携

 国内では、コープこうべ生協研究機構、地域と協同の研究センター、生協総合研究所との交流・協力・提携活動はひきつづき重視してすすめる。国際交流においてもノルウェー研究、スウェーデンよりペストフ氏来訪(9月)、イタリア生協連(バルベリーニ代表)来日(97年3月・97年度予定)、アジア研究については条件整備をはかりその拡充をはかる。

8.受託調査・研修

 調査プロジェクト(代表浜岡政好)を軸にした態勢で2本程度の調査の受け入れを準備する。

9.『協う』『年報』『ワーキングペーパー』

 第3号(委員長川口清史)『年報』は、「新しい生協像の再生のために」(仮称)を「第四回総会記念シンポジウム」「生協運動の現状分析プロジェクト」調査研究の成果として遅くとも来春に刊行する。続いて第4号(委員長上掛利博)は97年6月総会までの刊行を予定。第5号98年6月の編集態勢が急がれており、上期をめどに編集態勢固めをすすめる。「コープこうべ調査」まとめを年内刊行予定。

 『協う』は、研究所の中長期計画の進展にあわせて「広域化と地域化」の取組みにみあった性格や誌面の刷新も必要となってくるので、現行の偶数月と地域版の奇数月の発行の枠組みや編集態勢の見直しを含め取組みをすすめる。

 『ワーキングペーパー』は95年度準備分を含めて順次刊行する。

10.事務局 

 事務局長/西山 功  事務局/久保建夫、澤井祥光、鈴木増芳、(金山修)

 スタッフ/『協う』編集部:小林治子、調査担当:藤田実、藤田信弘