『協う』2002年8月号 エッセイ

経済環境の変化、 特に、 建設業界の変化と
協同組合経営の対応について思うこと
全京都建設協同組合 専務理事 永井 修治

 私が、 いつも言っていることは 「ゼネコンの危機はあっても、 建設業の危機はない」 である。
 日本は高度経済成長を通じて、 「土建国家」 を築き上げ、 経済構造が変化してもその体質を維持しようと、 大きな 「まちがい」 を行ってきたと思う。 ■異常な規模の建設投資。 ■世界の常識である好況時の建設投資でなく、 不況下の投資。 ■新しく生み出された付加価値の範囲内にもとづく投資であれば、 正常な投資であろうが、 建設国債、 借金による投資。 ■スーパーゼネコンへの投資は、 「銭コン」 になってしまい、 お金が、 地域に回らない。 ■財源も、 大量消費による消費税などのアブク税金 (儲けに対する税金による建設投資をすべきである)。 ■ヨーロッパは、 増改築工事が主流であるが、 日本は、 新築・建替え主義であり、 無駄使いである等々。
 本来、 人間が生きていくための住宅、 公共施設などは、 社会の発展に見合って、 新たに生み出した価値にもとづいて、 より豊かにして行くべきである。 生命や財産を失うことになる、 無駄で、 浪費の軍事費につぐ過度な建設投資は、 日本経済の崩壊・国家の崩壊に繋がりかねない。 建設業の役割を、 本来の姿に見直し、 改革しなければならない。
 今後、 特に人口減少化と高齢化で、 「住み良いまち」 の発展と 「住みにくいまち」 の崩壊が、 明確になり、 住民の側からの選択眼もますます激しくなるだろう。 京都に住む建設業者としては、 千年の都の良さ生かして、 より良いまち、 住みつづけたいまちにするために、 貢献する仕事が何かを考えていきたい。
 私たちの建設協同組合も、 大きな経済動向、 建設業界の流れと変化の中で、 正しく回りを見通して、 協同組合経営と企業経営に取り組んできたか反省し、 急いで見直し改革をすすめることが必要だと思っている。
 視点としては、 ■仕事の内容では、 新築工事偏重主義、 過度な住宅ローン依存の持家主義、 メーカーの高価なシステム製品による豪華主義から脱して、 増改築、 木を生かした環境・リサイクルを考えた自然型の建築への転換。 ■地域や地元のお客様を忘れ、 大切にしてこなかったのではないかという反省を踏まえた地域密着型経営への転換。 ■経営としては、 異常な建設投資需要に対応した右肩上がりの共同事業の急減少下の今、 土地・建物担保の借金による過度な設備投資はやめて、 むしろハードからソフト面充実事業へ。 ■協同組合への結集力は、 組合員の声に応える共同事業充実がなければメリットは与えられず、 必ず減少する。 事業利用高の減少、 組合員脱退、 出資金減少に対して、 事業充実と組合員の協同意識を高めるために、 対話と組合運営参加を強めることが不可欠である。 ■長期不況下、 ゼネコンタイプ組合員の倒産による組合員の減少がすすんでいるが、 町家の大工、 工務店は健闘している。 などから、 一人一人の組合員企業実態をよくつかみ、 仕事の確保、 営業の支援、 共同事業による仕事のバックアップを行い、 元気な組合員、 元気な協同組合に変革していかなければと考えている。