地上波デジタル放送

HDでの局間素材伝送

 2010年4月からHD圧縮回線が、一部の系列を除いて、ほとんどの局間伝送が出来るようになりました。

 アナログマイクロ時代は、局間を繋いでいる映像回線はNTTだけでした。
 TV開局初期には「NTTのマイクロ回線の故障で、映像が一部乱れましたことをお詫びいたします」という事故のスーパーテロップがしょっちゅう出ていて、 NTTマイクロがないとキー局の放送が見れない事が子供にでもわかりました。
 通常キー局からの下り回線は、放送本線に使うN1と素材伝送などに使うN2があり、上り回線としてN11があるのが普通です。
 キー局などは、N3、N4またはN12、N13と多くの上下回線を保有し、上りニュースなどの素材伝送しないはU局などでは、N11の上り回線を持たない局もありました。
 NTTアナログマイクロの場合は、全国をカバーしている電話回線ですので、系列を超えての伝送も可能でしたし、 「割り込み」や「割り出し」と言って、NTT回線の途中の中継局に生中継の映像を入れたり出したりすることも可能でした。
これを使って、広島のローカル民放が、共同で衆議院選挙の生中継映像を一箇所に集めて、再分配して1局ではカバーできない沢山の選挙事務所からの中継を可能にした事もありました。

 HDになると、NTTのHD化が遅れたこともあり、電力会社系の光ファイバー回線を利用する局や、IP伝送で、素材伝送する系列もありました。
 NTTの場合は、中継に使う遅延の少ないHD非圧縮回線と、遅延はあるものの料金が安く素材伝送向きの圧縮回線があります。
 各局、各系列がそれぞれ独自に独自の回線を使用したことで、系列をまたぐHD回線が存在しなくなり、 系列をまたいでのHD素材伝送ができない状態がありました。
 東京では、タワー分岐という東京タワーへの上り・下りの予備回線を使ってキー局間の素材交換を行っていますが、 広島では絵下山タワー分岐はできません。


絵下山送信所絵下山デジタル送信所

2003年12月には東京・大阪・名古屋で始まった地上波デジタル放送ですが、2006年10月から広島でも本放送が始まり、全国でもデジタル放送がはじまりました。
費用をかけずにHDにするために撮影はHDV、編集はノンリニアというポスプロもあります。


RCCデジタルマスターRCCデジタルTVマスター

RCCのTVマスターは、日本で唯一、ITVとのセントラルキャスティング方式でしたが、2013年9月末で解消しました。 モニター画面等すべて2つづつ用意されていましたが、1つになりました。

RCCデジタルマスター TVマスター ラック室

東芝のマスター設備とSONYの番組バンクが収容されている。

2011年7月24日でアナログ放送が終了しましたが、地デジ難民対策はこれからです。
放送局のデジタル化もかなり進んできましたが、経営の苦しいローカル局の中にはTSL回線や編集設備のHD化が間に合わない局もありました。

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