ENGの部屋 2005.5.16更新
手前が池上HL-V55 後ろがソニーBVW-400A
●βカム:S53年頃から本格的に使用された3/4インチを引き継ぐ形で、S50年後半から SONYのフォーマットが認知され、現在まで世界中で使われている。しかし、アナログのため既に デジタルにその座を奪われつつある。手前が松下AJ-D910W 後ろが池上HL-V73
●DVC:SONYの高飛車な価格に対抗し、βカムの半値を売りに、松下が放送業界に殴りこんだ 報道用デジタルVTR。当初は、1/2CCDカメラの採用した小型軽量の25Mカメラが、支局、通信部など から使用されはじめた。これに危機を感じたソニーの発売したSXとの全面戦争となったが、TBSなど JNN系で採用され報道機材の一角を占めた。その後16:9にも対応できる50MやHD対応の 100Mも開発されている。日立、池上、東芝(カメラの生産をやめた)、などがDVCグループに入っている。ソニーの苦悩
民生用VTRとしてはVHSと戦いに敗れたベータは、プロ機材として世界制覇を果たした。そして
βカムSPを投入し、隙をうかがっていた松下Mフォーマットを完全に撃破してしまった。その後、
1インチにも取って代われる非圧縮のデジタルとして、1度役目を終えていた3/4インチをデジタルとして復活
、その後松下のD3に対抗し、1/2インチテープで1/2圧縮のデジベタを発表、将来のデジタルの路線は完璧
に見えた。しかし、1インチ、βカムとも、特に不満のない性能と、民放の公式交換基準ということが
かえって仇となり、機器の高価格ともあいまって、デジタル化は思うように進まなかった。
この一瞬の隙をついて松下DVCが参入、あわててSXを入するが、ハイブリットのVTRに使用上の
問題が発生。この対策に時間がかかり、その上SXと同時期にDVCと同じ規格をもつDVカムも発表し、
消費者を混乱させた。βカムというすばらしいフォーマットをかかえたが故の苦悩でもある。
私の個人的な見解としては、D2を飛ばして一挙にデジベタを発表しておれば、現在の苦労はなかった
のではないかと思うが?SXはその後のHDカムの登場で急降下。松下のHDがテープ長の変更でごたついている間に、HDカムはNHKを中心に伸びてはいるが、
5.1サラウンドに対応できないため12chのSRをつくったがHDカムとWフォーマットとなってしまった。
松下の課題
50Mと同じテープ長が使える9μの新100Mを開発。2時間テープも掛かるVTRはAJ−HD1700だけに統一。AJ−HD1200にはIEEE1394も付け安くて高性能になってしまった。P2も発表したことでDVCをいつまで存続させるのかが判断が難しくなった。
AJ−HD1200
池上の宿命
松下やソニーに比べ、自前でVTRを持っていなかった池上だが、自前のハードディスクカメラのHD化をやっと完成させた。
テープレスでは、ソニーや松下に一歩先行したが、新フォーマットをどこまで普及させる事ができるかが課題。
HDエディカム
HDの展望