デジタルの欠点

SDIは一つじゃない
  HD−SDIはメーカーを問わず同じ信号ということになっていますが、実はこれがバージョンによってちがうのです。
例えば、A社のアップコンとB社のHDモニターTVの組み合わせで、映像が乱れる現象が出ました。 
A社のアップコンとC社のモニターTVなら問題なく、B社のHDモニターTVでも他のHD素材なら何の問題もありませんでした。 
結局、B社のHDモニターのインプットボードのバージョンが古くHD−SDIの基準そのものが違う事が判明しました。
  映像では問題が出なくても、音声で不具合が生じる場合もあります。 あるメーカーのモニターでは問題がなくても、別のメーカーのモニターでは音が歪む!というデジタルらしからぬ現象が出たり、 入力信号を切りかえるとロックがはずれ再設定しないと音声入力ができないという事もあります。
  中継車でも、単体では問題なくても、ある機器の組み合わせで不具合が起こる現象もでました。
アナログでは考えられないことが起こります。

1、消費電力が増える
特にHDの場合はカメラ・VTRとも消費電力が増え、カメラではバッテリーを大きくする必要があり、編集用VTRでも、コンセントの容量を確認しないと、 ブレーカーが落ちたりする。結果として発熱も増え、空調の再検討も必要になる。

2、テープの傷が目立つ
デジタルはアナログに比べ、傷に強いと言われていますが、保存状態が悪く、ゴミや埃がついていると、返って傷が目立ちます。先に音声にノイズが生じ、更に進むと、 映像にブロックノイズが現れます。アナログの場合のドロップアウトに比べ、デジタルのブロックノイズは大きく現れるので、見過ごす事が出来ません。 また再使用にも強いのですが、限界が見えないので、突然の限界を過ぎてノイズが出るので、テープ管理が難しくなる。

3、音声歪み
アナログの場合、+3dBを多少越えても、それほど目立ちませんが、アナログの場合は歪みとして記録されるので、使い物にならなくなります。 リミッターやコンプレッサーを使用して過大入力にならないように気をつけましょう。

4、音声遅延
映像・音声ともデジタルのらいいのですが、音声がアナログの場合、最低でも1フレーム遅延が生じますので、音声ディレーを入れる必要があります。 またデジタルでの中継の場合は、現在の衛星中継と同じように、現場への送り返しで遅延が生じる為、音声の「マイナス1」回線を作る必用があります。

5、位相管理
アナログの場合は問題にならなかったSCHや、REFのケーブル長の違いなどに気をつけないと、マイクロ送信や編集などで問題が生じます。 アナログ編集で映像信号がなくても黒や音声が入れられたりする場合がありますが、デジタルでは認めてもらえません。

6、映像の劣化
SDだけの場合は問題ありませんが、HDの混在すると、アップコン・ダウンコンを繰り返すと、デジタルなのに映像が劣化します。 マイクロ送信などにおいては、コーデックを通過する毎に劣化するので、系列毎にコーデックのフォーマットを統一して、 エンコード・デコードの回数を減らさないと何のためのデジタルかわからなくなります。

7、SD専用編集機がない
カット編集なら、BVE-800でも使えますが、リゾルブやワイプを使おうとすると、BVEー700程度は必要です。しかしHD用ですので、 SDで使う場合はSDスイッチャーを使用するか、アップコン、ダウンコンを使用するかのどちらかの方法しかありません。

8、やり繰り、手直しが簡単
アナログでは出来ないデジタルの長所でもありますが、従来ができないと諦めていたことが可能となるため、返って作業時間が延びることがあります。

9、フォーマットの不統一
一時的には、16:9と4:3の画面フォーマットが混在するため、混乱が生じる。またHDに関しては、番組交換基準としてのVTRフォーマットが決まっていない。

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